Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > 横尾忠則、画業40年で新たな展開! 開館10周年記念『Forward to the Past 横尾忠則 寒山拾得への道』

横尾忠則、画業40年で新たな展開! 開館10周年記念『Forward to the Past 横尾忠則 寒山拾得への道』

アート

ニュース

ぴあ

《寒山拾得 2020》 2019年 作家蔵

続きを読む

フォトギャラリー(5件)

すべて見る

誰もが不自由さを感じる、新型コロナウイルス感染症の流行。画家の横尾忠則も同様に、人と会うことなく、アトリエにこもって絵を描いていたという。そんな横尾が制作した新たなシリーズで構成された展覧会『Forward to the Past 横尾忠則 寒山拾得への道』が、4月9日(土)から神戸市立王子公園に隣接する横尾忠則現代美術館で開催される。

展示される新作には、いくつか特徴がある。例えば、中国・唐の僧だった「寒山」と「拾得」をモチーフにした作品。本来、「寒山」はぼろぼろの服をまとった詩人で、ホウキで掃除をする「拾得」である。しかし横尾は、彼らに現代風な解釈やカラフルな表現を加えた。トイレットペーパーを手にした「寒山」と、電気掃除機を持った「拾得」を、横尾は軽やかで楽しげに描いている。

2015年に難聴の症状が彼を襲った。それと連動して、頭の中や腕のふるい方も思うようにならなくなり、老いも感じるようになった横尾だが、身体の自然な変化に従って筆をふるい、より曖昧な色や線の表現となっていく。「朦朧体」といえば、明治期に日本画で横山大観らが確立した画法だが、横尾の新シリーズで見られるスタイルを横尾は自ら「朦朧体」と呼び、新たな展開をもたらしている。

展覧会場では、横尾のこうした新シリーズとこれまでの横尾作品も並び、約70点の絵画、版画、ドローイングなどを見ることができる。それは横尾が1980年に画家へ転向して以降の、40年という画業を振り返るだけではない。展示された新作と旧作をあわせて見ることで、横尾忠則という画家の軌跡と横尾の現在が思いがけなくつながっていることに気付かされる。

同時に、2021年3月に新設されたコレクションギャラリーでは、『YOKOO TADANORI COLLECTION GALLERY 2022 Part1』を開催。横尾がコレクションした、ダダイスト・シュルレアリストの芸術家として知られるマン・レイ(1890―1976)の作品を展示。マン・レイが撮影した女性の写真シリーズと、マン・レイをモチーフにした横尾作品を紹介。

タイミングがあえば、4月、5月、6月の最終土曜日に行われるキュレーターズ・トークを聞いてみたい。作品の詳細とともに、ひとりの画家の格闘と模索の成果を考察できる、貴重な機会であろう。

《突発性難聴になった日》 2019年 作家蔵
《二刀流再び》 2021年 作家蔵
《Maurizio, Sandro and Nicola in Varese, June 1, 1984 (No.2)》 1984年 横尾忠則現代美術館蔵
《マン・レイの夢》1987年頃 作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)

【開催概要】
『Forward to the Past 横尾忠則 寒山拾得への道』
会期:2022年4月9日(土)~2022年7月18日(月・祝)
会場:横尾忠則現代美術館
時間:10:00~18:00(入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜(祝日の場合開館翌平日休)
料金:一般700円、大学550円、70歳以上350円
▪美術館公式サイト:https://ytmoca.jp/

フォトギャラリー(5件)

すべて見る