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愛と熱量のあふれた作品をつくりあげるために ミュージカル『ピオフィオーレの晩鐘』新里宏太×千葉瑞己対談

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ミュージカル『ピオフィオーレの晩鐘』で共演する新里宏太と千葉瑞己 撮影:川野結李歌

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20世紀初頭の南イタリアを舞台に、ヒロイン・リリアーナと若きマフィアたちが活躍するゲーム「ピオフィオーレの晩鐘」。ミュージカル版ではファルツォーネ・ファミリーのカポ(ボス)・ダンテを新里宏太が、アンダーボス・ニコラを千葉瑞己が演じる。ふたりがこの舞台で挑戦することとは……?

――出演が決まった時の感想からうかがえますか?

新里 恥ずかしながら原作については知らなくて、出演が決まってから拝見しました。ダンテは僕にはまったくない要素を持った人物だな、というのが第一印象。人情味があるところというか、自分の懐に入った人に対する温かみは僕も多少はもっているかもしれないけど、冷酷な部分は真逆だと思いましたね。

千葉 ファルツォーネ・ファミリーはイタリアンマフィアなので、その姿もしっかり出していきたいですね。ニコラは我らがカポ(ダンテ)を支える、いわゆる二番手の男。僕個人としても、表立って自分が先陣を切るよりは、誰かを支えたり裏方に回ったりする方が得意なので、すごく共感できます。ニコラはダンテに対する思い入れがすごく強いので、新里さんとの関係性を深めて、それをお芝居にも活かせたらいいですね。よろしくお願いします、カポ!

新里 そうやって持ち上げるの、やめて(苦笑)!

――ビジュアル撮影を通して、役柄のイメージもかなり深まったのでは。

新里 衣裳のフィッティング、そして撮影で「こんな感じかな?」といろいろ感じることはありました。しっかり作り込んだ撮影をしていただいて、ポージングについても「ダンテはこう」とその場でたくさんアドバイスをいただいたので、仕草について吸収する時間になりましたね。

――ちなみにダンテらしさというと、どんなこと?

新里 ダンテは若いけれど、迫力というか、威圧感を出していかなきゃいけない。書斎にいる時も立っている時も、常に凛としています。銃ひとつ構える姿にしても、ハットやジャケット、ストールの扱いにしても、気は抜けません。ちなみに、撮影用に出されたコーヒーもブラックでした(笑)。

千葉 僕の場合は原作をプレイする時間がとれて、そこでイメージをかためていったので、撮影自体はスムーズでした。ニコラは表面的には優しくて、フェミニンで、“イタリアの男”。ポージング自体は、壁に寄りかかって手をついたり、テーブルにひじをついて手にあごを乗せたり、自由にやらせてもらいました。でも表情はマフィアの二番手であることを意識しすぎて、暗めになってしまっていたみたい。「もっと笑って大丈夫ですよ」って言っていただいたので、今後の稽古から本番に向けて、ニコラの表情をいろいろ引き出せたらと思いました。

――出来上がったビジュアルを見ると、スタッフさんたちの愛と美学があふれていますね。

新里 細かいところまで意識して作っていて、そういうふうに言ってもらえるような仕上がりになっている。ありがたいですね。

千葉 スタッフさんたちの原作に対する熱量や愛は、撮影の時からすごく伝わってきていました。僕たちもそれに応えていけるように頑張らないといけないと、あらためて思います。

観てくださる皆さんの感情が動く作品に

――ミュージカルなので、歌にも注目ですね。

新里 作曲の和田俊輔さんには2作連続(『ロミオの青い空』『ピオフィオーレの晩鐘』)でお世話になります。和田さんは多種多様でメッセージ性のある楽曲を作ってくださるし、曲調が本当にかっこいいんです。僕たち出演者にもキー(音域)チェックをして、それぞれの得意なキーを把握してそれに合わせつつ、キャラクターのイメージにも合わせて作曲してくださる。すごくありがたいですよ。ただ、僕はキーが高くて女性キーが得意。低めのセクシー音域はあまり得意じゃないんです。そこがダンテとは合わないんじゃないか、得意ではないキーで歌わなきゃいけないんじゃないか、という心配はあります。あまり経験したことのない音域になったとしても、そこは挑戦だと思ってがんばりたいですね。

――それに加えて、今回はアクションもありますね。

千葉 結構多いらしいですね。衣裳も動くことを想定して作ってくださっているので、ドキドキしています。

新里 原作ではイラストで描かれている場面が、舞台ではシーンの始まりから終わりまで僕たちが生で動いて、臨場感たっぷりに見せることができる。その臨場感や空気感は僕たちがやる強みだと思うので、楽しみですね。どういうアクションになるかは想像つかないけれど。

千葉 クライマックスは原作でもかなり激しい銃撃戦になるルートもあるので、どうなるでしょうね。今回は原作の大団円ルートがベースになると聞いているので、その中でどういった感じでアクションが展開されていくのか楽しみです。それこそ新里さんがおっしゃったように、ゲームではスチル(イラスト)の部分を僕たちが表現していくうえで、お客様をより物語に引き込めるような要素になったらいいなと思います。僕はこれまでアクションを本格的にやったことはないし、ミュージカルも初めてなので、個人的には未経験の新しい要素がたくさん。そういう意味でドキドキもしていますし、できる準備はしていきたい。でもうちはカポがすごく頼りになるので(ニッコリ)、頼っていきたいと思います。

新里 そうやって持ち上げるの、やめてって(笑)!

――挑みがいのある作品・キャラクターになりそうですね。どのような見どころのある舞台になると思いますか?

千葉 乙女ゲームが原作ですが、男性もすごく熱くなれるような、面白いと感じられるパワーのある作品です。そういう部分をしっかりと観てくださる皆さんにお伝えできるような、原作に負けないパワーのある作品にしたい。今日の時点でもう新里さんやスタッフの方々の愛や熱量をすごく感じるので、必ず見ごたえのある作品になると思います。ぜひ、楽しみにしていただきたいですね。

新里 今回出演させていただく身としては、まずは初日の幕が無事に開くこと、全公演開催できることを意識して、みんなが各々過ごしていかなくてはいけません。僕個人の話になってしまいますが、つい最近の舞台(『群盗』)が7公演中止になってしまいました。カンパニーも全員揃わなくなってしまって、僕にとっては初めてのことだったし、本当に悔しくて。こういう思いをまたするのは嫌なので、気を引き締めて負けじとやっていきたいと思います。

ゲーム原作でアクションもあって、キュンキュンするポイントもあって、と観に来てくださった方の感情を動かせるような作品にしないといけないですし、作品を観て元気になっていただけるようにしなきゃいけない。僕はお客様一人ひとりがヒロインだと思っているので、好きな視点で観て、暗い時期に少しでも気分が晴れてほしいと願っています。座長の(リリアーナ・アドルナート役)伊藤優衣さんに僕たちみんなでついていって、ファルツォーネ・ファミリーみんなで仲良くなって、カンパニー全体に明るさを伝えていく。原作に携わる方々、この舞台のスタッフさん方から、作品に対する愛がすごく伝わってきます。ビジュアルなどを見て楽しみにしてくださっている方々の期待を裏切らないように、素敵な作品にしていけたらいいなと思います。

取材・文:金井まゆみ 撮影:川野結李歌



ミュージカル『ピオフィオーレの晩鐘』チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2202802

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