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堂本光一、2年ぶりの階段落ち「まだまだやれましたね」 佐藤勝利と劇場&配信公演2作同時製作の苦労語る

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左から 佐藤勝利、堂本光一

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堂本光一が2000年より主演として取り組み、これまでの総上演回数は1851回、国内でのミュージカル単独主演最多記録を誇る『SHOCK』シリーズ(2000年初演時のタイトルは『Millennium SHOCK』作・構成・演出ジャニー喜多川。2005年より『Endless SHOCK』)。2020年2・3月公演より堂本自身が演出も手掛けるも、新型コロナウイルスの影響でこの時の上演は公演半ばをもって中止に。以降、コロナ禍でのエンタテインメントの在り方を模索し続けている本作が2022年、新たな試みに挑戦する。コロナ禍で生まれた“スピンオフ”ストーリー『Endless SHOCK -Eternal-』の有観客劇場公演と同時に、“本編”『Endless SHOCK』を新キャストで新たに製作、無観客収録し配信にて観客に届けるというのだ。4月5日、その『Endless SHOCK』本編撮影の一部が報道陣に公開されるとともに、堂本光一と共演の佐藤勝利が取材に応じた。

『Endless SHOCK』はオン・ブロードウェイでの成功を目指す若きエンターテイナーたちの物語。才能あふれるカンパニーのリーダー・コウイチとその幼なじみでライバルのショウリらの関係性は、友情の中にも葛藤、嫉妬が渦巻いている。その関係性はやがて、ある事件を引き起こし……。若者たちの交差する思いと、ショービジネスへの熱い思いが華やかなショーシーンとともに描かれていく。

激しい殺陣シーンや、堂本による“階段落ち”、観客の頭上を飛ぶフライングなど、様々な名シーンのある『Endless SHOCK』だが、その本編をそのまま上演するのはコロナ禍では困難で、2020年9・10月には感染防止を念頭に置いた新たな『SHOCK』として『Endless SHOCK -Eternal-』が初上演された。これは殺陣には映像やストップモーションを盛り込み、フライングは客席上空から舞台上空へと変更するなど感染リスクを低減する演出を取り入れると同時に、内容も本編の3年後、カンパニーがコウイチとのエピソードを回想する形で物語が進行するもの。『SHOCK』の世界観をニューノーマルな状況下で届けた本作は大きな反響を得た。

新曲『MOVE ON』は声を枯らすくらいの思いを込めて歌いたい

2022年はコウイチのライバル役に佐藤勝利(帝劇公演)、北山宏光(博多座公演)が初参加。堂本も『Endless SHOCK』本編の上演の可能性を模索したというが、状況を鑑み本編の有観客上演は見送り『-Eternal-』の上演を決定。しかし“スピンオフ”を楽しむためにはまずは“本編”を知ってほしいとの思いで、2作同時製作という前代未聞の挑戦となった。この日、報道陣に披露されたのは一部シーンのみであったが、コウイチとショウリが一触即発の掴み合いになる場面や、見どころのひとつである“階段落ち”などもあり、これぞ『Endless SHOCK』の大迫力。堂本は「なるべく止めずにやっていく形をとっています。どうしても技術的に止めなければならないところはあるので全編通しでの撮影ではありませんが、なるべく生の舞台のリアルさを感じていただけるようにと思ってやっています」と会見で語った。

堂本自身、本編は約2年ぶり。「やっぱり本編はキツイです(笑)。でも階段落ちも2年ぶりにやりました。まだまだやれましたね(笑)。ただ(初参加の)勝利は、違うストーリーをふたつ同時進行で稽古したから大変だったと思う」と後輩を気遣うと、佐藤は「もちろん大変なんですが、光一君が『2本やることは演出の一環でもある』とおっしゃっていて、それを実感しています。劇場で上演するのは『-Eternal-』ですが、これはスピンオフですから、本編を経験していないと感じられない感情もある。何よりも、この稽古期間中の僕らの関係性が、役のコウイチとショウリの関係性とすごくリンクしていて。僕は『なんで光一君はこんな2本同時になんてキツいことをやるんだろう……』と思っていましたし(笑)、それは作品の中の台詞にも重ねることができた。2本やることで育てていただいた感覚です」と笑顔で話した。

佐藤は『SHOCK』が「初めて観たエンタメで、僕の人生を変えた舞台」と語り、「その世界の中に入れるとは思っていなかった。(客席で)正面から光一君を見ていたのに、今は背中を見る位置にいることがとても感慨深い。すごい場所に立たせていただいている」としみじみ。さらに、ライバル役の楽曲はこれまで、その時に演じる俳優に合わせた曲が歌われてきたが、今回の新曲『MOVE ON』は堂本が「定番にしようかなと思う」と語る決定版。佐藤は「その最初を僕が歌わせてもらう。緊張しますが、この曲はライバル役の感情がとても表わされている。歌詞にもあるように、声を枯らすくらいの思いを込めて歌いたいです」と意気込んだ。

ぜひ配信、そして劇場で楽しんで

本編は5日に撮影し、9日には配信開始というスケジュール。そして10日からは劇場での『-Eternal-』公演が始まる。「これ(撮影)が終わったらセットを『-Eternal-』用に全部変えて、俳優の立ち位置なども変わるので場当たりをし直す。てんやわんやです。誰がこんなことをやろうと言い出したのか……」と堂本がボヤけば、佐藤がすかさず「座長です!」とツッコミを入れるなど、大変だと話しながらも楽しそうな表情も見せるふたり。『Millennium SHOCK』初日も直前までバタバタだったそうで、しかも開演時間を少し後ろに倒したいという堂本の申し出をジャニー喜多川氏が却下し、さらにバタバタになったというエピソードを堂本が話したところで、佐藤が「(光一さんは)ジャニーさんのDNAを受け継いでいるんですよ。でも稽古の途中から僕も(追い込まれるのが)快感になってきた」と打ち明け、堂本が「来たね、こっちの世界へ」とニヤリとするなど、随所にふたりの良い関係性も見てとれた。

最後に佐藤が「誠心誠意、全力でライバル役に向き合って、コウイチを追い越すくらいの気持ちで頑張っています。まずは本編を配信で見ていただいて、劇場に来ていただける方は生の舞台の迫力を楽しんでほしいです」、堂本が「劇場に来てくださる方は、『-Eternal-』はスピンオフですので、まずは配信を見ていただけると、より内容を楽しめるのではないかと思います。今、世の中は目を覆いたくなるような、耳をふさぎたくなるようなことがたくさんあります。でもこうやってエンタテインメントを通して、少しでも心の潤いを届けられたら嬉しい。ぜひ配信、そして劇場で楽しんでください」とアピールし会見は終了した。『Endless SHOCK -Eternal-』公演は4月10日(日)から5月31日(火)まで帝国劇場で上演。9月には福岡・博多座公演も控える。『Endless SHOCK』本編は4月9日(土)19時からジャニーズネットオンラインで配信される(見逃し配信あり)。

取材・文・撮影:平野祥恵

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