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「明日地球が終わるならライブをやりたい」原因は自分にある。のワンマンライブ「げんじぶ空間:case.3」最終公演レポート

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原因は自分にある。「げんじぶ空間:case.3」4月5日 東京・Zepp Haneda 撮影 / 米山三郎

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4月5日、7人組ダンス&ボーカルグループ「原因は自分にある。」のワンマンライブ「げんじぶ空間:case.3」がZepp Hanedaにて行われた。
3月28日にZepp Nambaで、30日にはZepp Nagoyaで公演を行い、今回がツアーファイナル公演となる。昨年末にはワンマンライブ「げんじぶ空間:case.2」が行われたが、そこから4カ月。彼らの更なる成長と可能性を魅せつけたライブとなった。

今のげんじぶが詰め込まれたファイナル公演

ステージには2段構えのセット、設置された7つのスクリーン。
定刻になると、暗転。心地よいOvertuneと共にスポットライトが会場を照らしていく。ステージ上段に姿を現したのは杢代和人。彼の「いってきます」という言葉と共に始まったのは3月12日にリリースの新曲『青、その他』。モノクロの衣装が光の中に映える。佇むだけでも絵になり、その中でそれぞれのボーカルをじっくりと聴かせていく。間髪入れず、3月21日にリリースされたばかりの『結末は次のトラフィックライト』では息の合ったダイナミックなダンスで魅せる。

3曲目は透明感のある長野凌大のボーカルから始まる『シェイクスピアに学ぶ恋愛定理』。
「ツアーファイナル、ステキな思い出を作っていきましょう!」という長野に呼びかけに、会場の色とりどりのペンライトが揺れる。冒頭2曲ではクールな表情だったが、ここではメンバーの笑顔をカメラがとらえ、7つのスクリーンに映し出される。長野を中心にステージ中央でギュッと集まるような振りもキュートだ。
かと思えば『以呂波 feat.fox capture plan』で重厚な世界観を演出。4曲全てで違う表情を見せ、観測者(原因は自分にある。ファンの呼称)の心をかき乱していく。

MCでは武藤潤が「ワンマンライブ「げんじぶ空間:case.3」始まりました!」と客席に向かってご挨拶。自己紹介のあと、長野が杢代に向かって「本日はこのMCで和人さんがやりたいことがある」と話を振る。

杢代がやりたいことと、というのは、『青、その他』の冒頭で杢代が言っている「いってきます」。全公演、杢代が担当しているが、「みなさん、ほかのメンバーの『いってきます』も聞きたいですよね?」と提案。ここで杢代が「いってきます選抜」を選出し、大倉空人、小泉光咲、武藤潤を指名。一旦、後ろにはけたあとに再び登場、カメラに向かって笑顔で「いってきます」というルールだ。

大倉は杢代から「お手本の『いってきます』見せて!」に応えて、さわやかな笑顔と共に決め(はけ際に『I love you』のおまけつき)、小泉は「いってきますっちゃ!」と宮城の方言で地元愛も込めつつ、披露した。そして、武藤は「潤くんは奇想天外の男だから(きっと違うことをやってくれるはず)」と杢代からの無茶ぶりに応え、「武藤潤はどこにいるでしょうか!」とおどけつつ、大倉・小泉とは異なる2階から登場。そこから一転、クールに「いってきます」を決めて観測者を沸かせた。今回、生カメが入ってるからこそ、できることでもある。

メンバーのアバターが3次元に入れ替わるキュートな演出

そして、そのあとはノンストップでげんじぶ空間へと誘われていく。
黒いジャケットを羽織って登場すると、先ほどまでとはガラリと印象が変わる。『柘榴』を赤いスポットライトの中で魅せ、『豪雨』、『J*O*K*E*R』とクールな楽曲を続けていく。MCでは明るく会場を笑わせていた武藤だが、髪型も相まって大人の魅力で艶やかさを添えた。

『夢に唄えば』ではポップにさわやかなパフォーマンスを見せ、続く『嗜好に関する世論調査』では、モーションキャプチャーを取り入れたアバターが登場。3次元のメンバーに代わりキュートなダンスをスクリーン上で見せた。
エレクトロアレンジの『ジュトゥブ』ではアバターと衣装チェンジした生身のメンバーが入れ代わり立ち代わり登場。虚構と現実の境界線があいまいになりそうな演出で楽しませる。 MCが少ないげんじぶのステージだが、一瞬たりとも観客の視線をステージから逃がさない。集中力が途切れることなく、げんじぶワールドに引きずり込まれていくのを感じる。

そして、ラフな衣装にチェンジしたげんじぶが披露したのは4月6日リリースの新曲『キミヲナクシテ』、『夜夏』。ステージを大きく使いつつ、陰影を活かした大人っぽいステージを演出する。
「まだまだ盛り上がっていきましょう!」と大倉が客席に呼びかけ、『ギミギミラブ』で全員でクラップ&ジャンプ。ライブも後半戦に入っても重力を感じさせない軽やかなジャンプでボルテージをあげていく。吉澤要人の低音が楽曲に厚みを持たせる『0to1の幻想』では全員で手を振り、会場の一体感を高めた。

再び衣装をチェンジすると、それぞれのソロダンスへ。ダンスひとつをとってもそれぞれの個性が出ている。しなやかさ、キレ、やわらかさ、パワー、ポップさ……にも関わらず、7人が揃うと大きなパワーを発する。ラスト、7人揃ってのダンスで使われていたのはBATTLE STREETのころの楽曲『stargazer』がモチーフとなっており、ファンを喜ばせた。

明日地球が終わるなら、ライブをやりたい

パワーそのままに、ライブ会場に壮大な世界観を作り出す『藍色閃光』、ポップな物語仕立ての『ネバーエンドロール』と歌う曲によってどんどん会場のカラーが変わっていく。
大人の恋を歌う『半分相合傘』は聴くたびに、げんじぶの違う魅力が覗く。今は少し背伸びした曲のように感じられるが、彼らが大人になったときにどれだけのファンの心を締め付けることになるだろうか。サビ前の吉澤の『これでどっちも悪いね』のセリフには堪えきれず小さな声が会場のあちこちから漏れた。また、小泉のセリフパートも生で披露され、その場ならではの空気感と表情を作り出した。

続いて『幽かな夜の夢』ではワンコーラスを歌い終えたところで演奏が止まり、静寂が会場を包み込む。小泉の「ありがとう」というセリフから、武藤が「互い違いの色に気づかない振りしていられないな」とアカペラで歌い上げた。
そして、「ラストはこの曲です」と吉澤が口にしたタイトルは『青、その他』。ライブの1曲目として披露した『青、その他』をまた違う魅せ方をする。杢代の「いってきます」から始まったライブは、最後の曲でまたワンステップ、成長した姿を見せていることを示唆しているのかもしれない。
暗転し、そのままステージの奥へと消えていくメンバー。余韻が広がる会場に、アンコールの手拍子が響く。

アンコールは『原因は自分にある。』でスタート。サビでは客席も一緒になって体を動かし、残り少ない時間をめいいっぱい楽しむ。
MCでは、初めての5都市をめぐる秋ツアーやメタバース特典会のお知らせを改めて伝えつつ、最終公演の感想を長野から桜木雅哉に振られる。
桜木は「お越しくださったみなさん、ありがとうございます」と3公演を振り返ろうとしたところで、涙で声を詰まらせた。ツアー中、体調不良でステージに立てない場面もあった桜木。その姿に会場からは悲鳴に似たざわめきが広がる。最年少の桜木の涙に、大倉はタオルを渡し、メンバーからも声をかけ、拍手が沸き起こる。
「今回のツアーで自分に足りないものを知ることができてよかったし、メンバー6人、観測者、スタッフの大切さも改めて知ることができた」と涙をにじませながら語り、「秋ツアーもがんばって突っ走っていこうと思います」と決意を口にした。そんな桜木の背中を隣にいた長野が優しく触れるシーンも印象的だった。

そして、最後の挨拶を担ったのは杢代。「今回のリハーサル期間では、青春だったり人生をかけて活動しているな、と実感して。明日、もし地球が終わるとしたら、たぶん、ライブをすると思う。それぐらい、ライブが好きで、観測者のことが好きで、それぐらい活動に命をかけてやっています」と自身の活動への想い、ライブにかける熱量を語った。
「秋ツアーの先も見据えて活動をしているので1秒でも長く原因は自分にある。のことを考えて感じて、そしてライブに足を運んでもらえると嬉しいです。着実に夢に向けて突き進んでいると実感しています。どうか、どうか、手を離さずに僕たちのことを見守って、ときには応援したり、たまには心の支えになる存在でありたいと思っています。みなさんの人生の原因にこれからもなれるようにがんばっていきますので、秋ツアー、そしてその先へとこれからも共に歩んでいきましょう」と力強く語り、『黄昏よりも早く疾走れ』で駆け抜けた春のツアーを締めくくった。

杢代の言葉にもあったように、着実に進み続け、新たな魅力を発信しつづける「原因は自分にある。」。秋ツアー、そしてその先で彼らがみせてくれるであろう景色を楽しみに待ちたい。

原因は自分にある。ワンマンライブ「げんじぶ空間:case.3」Zepp Haneda公演のプレイリストを公開中!

▼LINE MUSIC
https://music.line.me/launch?target=playlist&item=upi7nLrdtfvhxjzlBzs0QMkUmQcY82FfJZ1Z&cc=JP&v=1

▼Spotify
https://open.spotify.com/playlist/5wVde5jueI2580NbpfJec0?si=a117bcca184d40ca

撮影 / 米山三郎、取材・文 / ふくだりょうこ

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