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コロナ禍に家を飛び出した2人の“夜の散歩”描く「ここ以外のどこかへ」6月公開

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「ここ以外のどこかへ」ポスタービジュアル

「グラデーション」の椎名零による新作「ここ以外のどこかへ」が、6月18日より東京の池袋シネマ・ロサで公開される。

本作はコロナ禍に家を飛び出し、偶然出会った2人の女性のあてどない“夜の散歩”を描いた作品。森本あおがコロナを理由に母親から外出を禁じられるひかる、辻本りこが飲んだくれの母親に悩まされ、家に居場所がないみおなを演じた。辻本と森本はともに映画初主演。それぞれの母親役で大石菊華、小夏いっこが出演している。

椎名は「家にいられない事情がある人々や家にいたくない気持ちを抱える人々に寄り添う映画を、ステイホームが奨励される今こそ作りたい」という思いで本作を企画。撮影は2021年8月から9月にかけて行われ、製作費を募るクラウドファンディングは目標の190%を超える金額を集めた。

予告はひかるとみおな、それぞれの家庭の日常風景から幕開け。家を飛び出し偶然出会った2人がゲームセンターで遊ぶ姿や夜の散歩に出かける様子が切り取られている。映画監督の野本梢と柴口勲、イラストレーターでマンガ家の黄身子による推薦コメントも下記に掲載した。

55分の中編となる「ここ以外のどこかへ」は2週間限定のレイトショー上映。

※記事初出時、内容に一部誤りがありました。お詫びして訂正します

野本梢(映画監督) コメント

家や家族が誰にとっても安心できる処ではない。
おうち時間が誰にとっても自分を守るべくあるのものではない。
絆や繋がりもなく、でも明日からの自分のために殻を破ろうとする二人の衝動は、暗闇に光さす青春やシスターフッドへの賛歌ではない。今ここにある現実である。

柴口勲(映画監督) コメント

切り取られた世界に芳香剤の匂いはなく、終始生活臭が漂った。だから豊かなリアリズムがあり、そこに詩があった。
「線を越えて行け、ここ以外のどこかであればそれでいいじゃないかと」つぶやいてしまった。その理由はわかっている。主演二人の芝居に引き込まれてしまったから。

黄身子(イラストレーター / マンガ家) コメント

ここにあるのは、逃亡ではなく向き合う勇気と、それを支える小さな奇跡だと思います。
お伽話ではなく、暗い時代なのかもしれない私たちのいまの日常のとなりにあるものとして、
明け方の空のグラデーションのように優しさを幾重にも重ねて伝えてくれる、
強くて優しいふたりの女の子に、たくさんのあなたに出会って欲しいです。