BUDDiiS中野サンプラザ公演レポート「バディのおかげで胸を張って卒業できます」 KANATAが見せた涙と笑顔
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『BUDDiiS vol.1-SUNRiiSE-』中野サンプラザ公演より 撮影:笹森健一
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すべて見る4月10日、11日に11人組ダンス&ボーカルグループ・BUDDiiSが中野サンプラザでワンマンライブ『BUDDiiS vol.1-SUNRiiSE-』を行った。1月28日、29日に開催予定だったライブが延期となり、振替となった本公演。待ちわびたバディ(BUDDiiSファンの総称)が埋め尽くした中野サンプラザ。11日の第3部の模様をレポートする。
朝日昇るステージで魅せる圧巻の11人のパフォーマンス
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広々としたステージ。スクリーンには「BUDDiiS」のロゴが映し出されている。定刻になると、会場が暗転、ペンライトがきらめき、開演を心待ちにしていた客席にはワクワクとわずかな緊張が満ちていく。
スクリーンに浮かび上がったのは11個の星。やがてひとつとなり、地球に向かってくる。地球の日本、さらにズームアップされるのは中野サンプラザ。大きく朝日が昇ってくる映像が映し出される。その光に照らされるようにして浮かび上がる11人のシルエット。1曲目はBUDDiiSのデビュー曲「CLICK ME」。FUMIYAが「中野、あがれー!」と煽ると、それに応えるように客席のペンライトも揺れる。伸びのあるボーカルが響き、ダンスでステージ上を躍動する。SHOWとSEIYAはアクロバティックな動きで熱を上げていく。
そこから2ndシングル「ALIEN BOY」へ、さらにFUMINORIの「今日は最高に熱い1日にしていきましょう!」という言葉と共に始まった3rdシングル「Under The Sea」。サビではファンと一緒に手を左右に揺らし、一体感を楽しむ。それぞれの笑顔が弾け、彼ら自身がステージを満喫しているのが分かる。中野サンプラザの広いステージを11人で思う存分にパフォーマンスする姿は圧巻だ。
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3曲を終え、会場の熱も上がってきたところでBUDDiiSから改めてご挨拶。今年初の夏日を記録したところもあったというこの日、「『SUNRiiSE日和』ということで」とFUMINORIは笑顔を見せ、「今日はみなさんにパワーをたくさん渡していくので、最後まで楽しんでいってください!」と伝えた。
そして、そんな暑い日にぴったりな曲になりそうな新曲「HOT CHEESE」。ファンク・ポップチューンに自然と会場も体を動かし、クラップも沸き起こる。曲中の「HOT CHEESE」のポーズは思わず真似をしたくなる。ピンクと赤、青の照明が入り混じる中、披露されたのは「Dream Love」。KEVINの伸びのあるボーカルが心地よく中野サンプラザに響く。ポップなラブソングはBUDDiiSによく似合う。
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「一緒に踊ってね!」『R4U』で会場がひとつに
「ON & ON」ではKEVIN、MORRIE、SHOOT、FUMINORI、SEIYA、FUMIYA、SHOWの7人でパフォーマンス。スモークが満ちるステージでしっとりと歌い上げた。元気でポップが似合う彼らだからこそ、クールなラブソングにドキリとさせられる。そして、KEVIN、MORRIE、SHOOTで「カケラ」を。透明感のあるSHOOTの声は、ライブで聴くたびにボーカル力が上がっているように感じられる。3人の絶妙なバランスが美しいハーモニーを編み出し、思わず聴き入ってしまう。そんな中、終盤では感極まったMORRIEが涙を溢れさせる場面もあった。
第3部の公演は生配信を行っているということもあり、直後のMCでは、タブレットを手にしたSHOOTが「(生配信はちょっとタイムラグがあるから)めちゃめちゃ泣いてますね、この配信上だと!」と実の弟ならではのいじりを見せた。MORRIEは「そういうエフェクトがあるんですよ、マジ泣いてないですよ」と照れたように言い、KEVINも「よく泣くんです、彼。意外と」と笑顔を見せた。
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続いて、MC・FUMINORIが持ってきた話題はYouTube「BUDDiiSChannel」。これまでのバディチャンを振り返り、KANATAが「クリスマスのときの大食い企画」を挙げたり、つい最近、アップされたばかりの「地獄の激辛チャレンジ」でFUMINORIの活躍について盛り上がった。
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そしてライブは後半戦へ。FUMIYAの「一緒に踊ってね!」という声で始まったのは最新曲「R4U」。バディとライブで一緒に踊れることを意識して作ったという振り付け。リボンを意味する振りなど、客席も楽し気に体を揺らす。
そして、ミラーボールが会場を彩り始まったのは「ENCHANT」。MORRIE、KANATA、HARUKI、YUMA、TAKUYAここからは「KEVINワールド」のスタートだ。「ENCHANT」を始め、「JEALOUS」、第1部で初披露となった「OZ」はKEVINが制作した楽曲。曲間をつなぐDANCE SHOWCASEでは激しいサウンドでステージ上を躍動。FUMINORI、FUMIYAが引っ張りつつも、SHOOT、SEIYA、YUMA、TAKUYA、HARUKI、SHOW、KANATAのパワーが底上げされているのが感じられる。それぞれ異なる曲調で、BUDDiiSのたくさんの魅力をギュッと詰め込まれているようなパートとなっている。
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「ケビニカルパレードやばいよ!」
「OZ」を歌い終えると、FUMIYAは「最高!」と笑顔を弾けさせ、FUMINORIも「やばいね、ここのゾーン。ケビニカルパレードやばいよ」と声を弾ませた。『オズの魔法使い』から着想を得たという「OZ」についてKEVINは「魔女を倒すために、いろんな仲間が集まってっていうストーリーが、個性的なBUDDiiSのメンバーに合うな、と思って作ってみました」と明かした。そのため、全員がマイクを持って歌っている曲であり、KEVINが「どうですか、KANATAさん!」と声をかけると「僕、歌ってるんですよ! 聴いてましたか!?初めて歌って、いろんな気持ちを込めて歌いました!」と嬉しそうに客席に向かって伝えた。
また、「歌詞を考えるときに自分の名前をもじった歌詞にしたらおもしろいかな、と思って作った」と明かし、それぞれが自分のパートを改めて歌って紹介。KEVINがTAKUYAの紹介を忘れるというプチハプニングもあったが、「OZ」には11人のBUDDiiSが込められていることがわかる。
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ダンスの振り付け構成はFUMINORIとFUMIYAが担当。FUMINORIが「『OZ』のベースは結構、早めにできた。でも、そこから、変えて、変えて」と言うと、FUMIYAも大きく頷き「原型ないですからね」。最初の振り付けの動画を見ると、FUMINORI自身も「こんなことしてたんだ」と思うほどなのだとか。試行錯誤の上、出来た楽曲だということがわかる。
そして早くもライブも残りわずか。ラストスパートをかける1曲目はWAZZ UPのカバー「ALRIGHT」では、会場はクラップで盛り上げ、サビでは揃って大きくジャンプ。声は出せないながらも、ジャンプのたびに揺れる会場にその場の空気の高まりが感じられた。「To The Top」では銀テープが発射され、会場を煌めかせる。本編ラストナンバーの「Beautiful」では力のこもったパフォーマンスを。途中、SEIYAがKANATAをリフトアップし、客席に手を振る場面もあった。
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KANATAの卒業「バディのおかげで胸を張って卒業できます」
アンコールでは、SEIYAがデザインしたというライブTシャツで揃って登場。FUMINORIが1部から3部を終えてみての感想を聞くと、メンバーは口々に「早い!」「すぐに終わった!」とあっという間に過ぎ去った楽しい時間を惜しんだ。
そして、今回の中野サンプラザの公演で卒業となるKANATAからメッセージが。「今日のためにたくさんリハとかしてきたんですけど、そういう練習がなくなっちゃうんだな、と思うと、寂しい気持ちもあります。このステージに最後立てて、バディのみんなに会えて僕は本当に嬉しいです。この5年間で培ってきたものを、次のものに活かしたいと思っています」と言うと、こらえきれず涙をこぼした。メンバーもSEIYAを始め、涙をにじませる中、「最初のころ、思うようにワンマンライブもできなくて、苦労したこともたくさんあったけど、バディがいたからここに立てているし、バディのおかげで僕は胸を張って卒業できます。本当に今までありがとうございました!」と思いを伝えきると、メンバーからは「お疲れさま!」という声がかけられ、会場は大きな温かい拍手に包まれた。
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KANATAの言葉を受けて、FUMINORIは「KANATAの決断はすごく勇気あることだと思いますし、僕たちメンバーはその背中を全力で押します。そして今日のSUNRiiSEの公演でみなさんと僕たち、一緒にKANATAの夢も応援できたらな、と思っています」とエールを送った。そして、「KANATAの想いも背負って僕たちはこれからも駆け抜けていきますので、引き続き、BUDDiiSの応援をお願いします!」と決意を口にした。
そんなFUMINORIが「最後まで幸せを持って帰ってください!」と言って11人で披露したのは「Brighter」。KANATAは涙で頬を濡らしながらも、最後までKANATAスマイルでパフォーマンスを終えた。ステージを全て終えてKANATAは「本当に、本当に今まで皆さんに支えられてきました。少しでもお返しできていたら、嬉しいです。この光景は僕の宝物です」と涙まじりに、しかし想いを込めて、会場のバディに伝えた。
再び暗転した会場。スクリーンには次のライブ会場となる横浜が映し出された。5月29日には『BUDDiiS vol.02-VOYAGiiE-』の開催が決定している。コロナ禍でのデビュー、思うような活動ができない時期が続いた。しかし、彼らの旅路はまだ始まったばかり。次にBUDDiiSがバディと共に目指す景色はどのようなものになるのだろうか。
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撮影=笹森健一
取材・文=ふくだりょうこ
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