阿部サダヲが明かす「死刑にいたる病」の怖さとは？岩田剛典は「殺されると思った」

「死刑にいたる病」の完成披露試写会が本日4月12日に東京・イイノホールで行われ、キャストの阿部サダヲ、岡田健史、岩田剛典（EXILE / 三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE）、中山美穂、宮崎優、鈴木卓爾、佐藤玲、赤ペン瀧川、大下ヒロト、音尾琢真、監督を務めた白石和彌が登壇した。

本作は24人もの若者を殺した連続殺人鬼・榛村から届いた冤罪証明の依頼をきっかけに、大学生・雅也が事件を独自に調べていくサイコサスペンス。阿部が榛村、岡田が雅也を演じたほか、謎の男・金山一輝に岩田、雅也の母に中山、雅也と同じ大学に通う灯里に宮崎、雅也の父に鈴木、殺人事件の被害者・根津かおるに佐藤、榛村の担当弁護士・佐村に瀧川、雅也と同じ大学に通うクラタに大下が扮した。

岡田は共演をきっかけに「阿部さんの家に行きたい」という思いを強めており「どんな生活をしていて、何を食べて、どんな役作りをされてるのか。知りたいです。おかしいですかね……？」と真剣に述べると、阿部は「友達みたいで、もうすぐタメ口になりそうです。LINEも交換して『友達になりましょうよ』とも言われました」と少し距離の近い岡田を牽制。岡田は「大先輩なのは重々承知のうえで伝えたんですが、LINEは無視されてます」と暴露し、阿部は「既読はしましたよ」とささやき、笑いを誘った。

岩田は「阿部さんとの共演は1日だけで、本当にあっという間の現場でした。ポスターの榛村のまんまで、目に光りが宿ってない。その状態の阿部さんとお会いして、殺されると思いました。怖かったです」と述懐。中山も「脚本も原作も読んだうえで、阿部さんがあの役を演じられるという期待が大きかったです。本当にすごい役なんですが、さわやかにコマーシャルに出られていて、お客さんが困ったりしないかと勝手な心配をしてます」と吐露した。

白石組の常連俳優で通算11回目のタッグとなる音尾は「監督が撮ると、もれなくついてくるおまけのような存在。それもこれも毎年、お歳暮を贈っているおかげかなと思います（笑）。気持ちは形にしたほうがいいです。監督ありがとうございます。今年も贈ります」と腰を低くして感謝。映画監督としても活躍する鈴木は白石の現場を「俳優に自由にやらせてくれる。健史くんと中山さんと家族を演じるときも打ち合わせはせずに、それぞれの自由な演技で作らせていただいて、すごく幸せでした」と評す。白石も「厳しい描写のシーンもあるんですが楽しく撮らせていただいて。榛村の被害者となる若い男の子、女の子も最後、血まみれになりながら阿部さんと記念写真を撮って帰っていきましたね」と振り返った。

岡田が映画の現場に学生インターンが参加していたことを明かす場面も。「撮影部、照明部、メイク部といろんな部署にインターンの方が入っていて。この映画の肝となる最後の面会シーンでは、撮影の池田（直矢）さんが『お前、回してみろ』と学生にカメラを任せたんですよ」と回想する。若手に経験を積ませる現場の度量の大きさに感銘を受けたそうで「撮影で一番印象に残っている出来事で人生の教訓になった。自分のキャリアとは関係なく、生き方として何かを教えられた気がします」と続けた。

最後に白石はコロナ禍での紆余曲折を振り返りながら「ミニシアターを応援する活動していたんですが、ホラーやスリラーといったジャンル映画のファンの皆さんがお客さんとしてたくさん入ってくれた。この映画には、そういった要素も入れ込みながら作りました。よく会話を聞いていくと『おや？』と思う仕掛けがある。1つひとつのセリフを噛み締めながら楽しんでください」とアピール。また阿部は「雅也と自分を重ね合わせて、本当の犯人を想像しながら観ていただくと楽しいと思います。もしかすると家に帰ったら、榛村から手紙が届いてるかもしれません。そういう怖さがこの映画にあります」と語り、イベントを締めくくった。

櫛木理宇の同名小説を実写化した「死刑にいたる病」は、5月6日より全国ロードショー。

※宮崎優の崎は立つ崎（たつさき）が正式表記

(c)2022映画「死刑にいたる病」製作委員会