「2020」出演の高橋一生、上田岳弘&白井晃のタッグに自信「0から作る面白さを体感」
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高橋一生
パルコ・プロデュース2022「2020」に出演する高橋一生の取材会が、4月上旬に東京都内で行われた。
「2020」は、上田岳弘が作劇、白井晃が構成・演出を手がける一人芝居。高橋は、本企画の発端について「白井さんと上田さんの組み合わせが面白そうだな、と思って2人を引き合わせたのがきっかけ」と話しつつ、「(上田と白井は)面識自体はすでにあったのですが、きっかけを作れば、何かが生まれるんじゃないかと。そこで、2人を僕の家に呼んで、ご飯をごちそうしました」と振り返る。
「2人がいつか面白い作品を作ってくれたら、という思いで、僕はそこに組み込まれなくても良かったんです。なので、白井さんと上田さんがしゃべっている間、僕は口を挟まず、キッチンから2人を眺めていました(笑)。ただ2人の話を聞いていると、どうも僕ありきで話が進んでいるぞ、と。そのあと、白井さんから『公演を打てるかもしれない』という話をされて、あれよあれよという間に今です」とほほ笑む。
上田の魅力を「僕は、同じテーマで作品を書き続ける小説家が好きなのですが、彼もそのタイプ。人類の個と全を、過去と未来にわたり描いていくテーマ性が、僕にとってドンピシャでした」と笑顔で話す。また「小説を好きな人たちだけではなく、舞台ファンにも『上田さんってすごいよね』っていうことを伝えたかった。そして白井さんは、僕のその気持ちをわかってくださる人」と白井に信頼を寄せた。さらに今回、ダンサーとして橋本ロマンスが参加することに対し、「僕自身、芝居とコンテンポラリーダンスの融合は初めてなのですが、(コンテンポラリーダンスは)上田さんの作品にとっても合いますし、白井さんが求めている世界観において、重要な表現になってくるかと。情報量が圧倒的な上田さんの作品を、どのように表現していくか……改めて、0から作品を作っていくことの面白さを体感しています」と語る。
劇中では、2020年を起点に人類の誕生から世界の終わりまでが描かれ、高橋は“クロマニヨン人””赤ちゃん工場の工場主”“最高製品を売る男”“最後の人間”といったすべての役を演じる。高橋は「2020」について「“劇場にお客さんを入れる”ところからお芝居が始まっていて、アトラクション的に体感できる作品」と説明し、自身の役どころを「個としての人間なのかな。お客さんと、過去と未来をつなぐようなキャラクターになっています」と解説。さらに「台本には、打ち合わせのときに僕が上田さんにお話していた言葉も組み込まれていたので、“高橋一生そのまま”だと思ってもらっても良いのかもしれない」と述べる。
記者から「本作を通して、観客にどのような刺激を与えたいか?」と問われた高橋は「作品が消費され忘れられるスピードが加速している中、お客さんに刺激を与えるということは、どうしても難しい。なので、まずは自分たちが刺激的な空間にいて、面白いと思うものを作るべきだと思うんです。そうして生まれた作品が、結果的にお客さんにとって刺激的なものになるのでは」とコメント。最後に観客に向けたメッセージを求められると「『2020』は局所的な体験として、観てくださった皆さんの中にちょっとだけ残り続けるものになればいいなと。お客さんに、アトラクションを楽しむように観てもらえたら、僕らにとって励みになります」と述べ、取材会を締めくくった。
公演は7月7日から31日まで東京・PARCO劇場、8月6・7日に福岡・キャナルシティ劇場、11日に京都・京都劇場、18日から21日まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて。東京公演のチケット販売は5月14日にスタート。
パルコ・プロデュース2022「2020」
2022年7月7日(木)~31日(日)
東京都 PARCO劇場
2022年8月6日(土)・7日(日)
福岡県 キャナルシティ劇場
2022年8月11日(木・祝)
京都府 京都劇場
2022年8月18日(木)~21日(日)
大阪府 森ノ宮ピロティホール
作:上田岳弘
構成・演出:白井晃
出演:高橋一生
ダンサー:橋本ロマンス
ヘアメイク:田中真維(マービィ)、スタイリスト:髙木阿友子