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ドキドキワクワクしながら、考察を繰り広げよう! 『冤罪執行遊戯ユルキル the stage』猪野広樹・高柳明音・市川美織インタビュー

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左から、市川美織・猪野広樹・高柳明音 撮影:川野結李歌

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無人の遊園地「ユルキルランド」に集められた犯罪者と被害者。彼らは「囚人」「執行人」としてペアを組み、冤罪を主張する囚人たちは無罪を勝ち取るため、執行人たちは自身の望みを叶えるため、アトラクションに臨む。スリリングなミステリーだけに、キャストの3人もいろいろと考察中……!?

4月23日に開幕した『冤罪執行遊戯ユルキル the stage』より、春秋千石役の猪野広樹、莇リナ役の高柳明音、一凛花華役の市川美織に話を聞いた。

――稽古を通して、自分の演じているキャラクターをどのように感じていますか?

猪野 千石はいい人なんですよね。自分の命が危険にさらされた時に、人のことを心配できる。でも単なるいい人ではなく、ゲームに参加することに最初は恐怖を感じていたのが、やがて「ふざけんな、お前ら」っていう怒りに変わったり、「俺はやってない」って冤罪を主張したり。そういう人間くさい表現を大事にしたいと思っています。

高柳 リナは家族に愛されて幸せな家庭に育っていたけれど、あることをきっかけに、復讐への気持ちだけで生きる人生になってしまいます。人を信じられない気持ちとか、17歳なのでまだ大人としての考えもできないとか、そういうところも「難しいな」と思いながら向き合っています。

市川 花華は、私自身がもともとアイドルをやらせてもらっていたので、今までの記憶をさかのぼると結構「私にもあったな」っていう部分があります。ファンの方に対しては、花華と同じように「一緒にがんばろう」っていう精神でやってきたし、目標に向かってがんばる姿は本当に人間らしいと思うし。ある意味、正論を通そうという気持ちが一番強いんじゃないかと思います。

――それぞれが抱えている事情は、ストーリーが進むにつれて明らかになってくる部分ですね。千石とリナの「大量殺人チーム」、花華と岡恵一の「ストーカー殺人チーム」など、チーム別に行動するシーンが多いので、それぞれのカラーや見どころも気になります。

市川 千石さんとリナちゃんのパートは、セリフ量がすごい。

高柳 セリフをバーッと言うシーンが多いので、いつも猪野さんにセリフ合わせに付き合っていただいてます。

猪野 俺自身、付き合ってもらわないとまずいから。

市川 休み時間も、ふたりはずっと練習してます。岡さんと私は、ちょっと面白いパート。ふたりでふざけて楽しんでいるので、シリアスな千石さんリナちゃんとは別世界の人たちみたい(笑)。

高柳 花華ちゃんと岡さんはこのゲームに参加させられて出会ったわけじゃなくて、もう関係性ができあがっているペアだもんね。

市川 そうなの。面識があって、お互いを知っている。そこは他のチームと違うところだと思います。

猪野 話が重いので、ふたりが明るくしてくれるからありがたい。めちゃくちゃ面白くて、愛すべきふたりですよ。

――お話の題材については、どう思いました?

高柳 世の中には実際に冤罪を主張されている方もいるけど、そういう話を聞くと、どちらかといえば事件の被害者に同情した見方になりますよね。でも今回は、冤罪だと主張している側を中心に描いているので、観てくださる方たちがどう思うか楽しみです。ある意味、皆さん自身がゲームに参加して、どう考えるのかを試されているのかも。本当に冤罪なのか、実は違うのか、私たち自身も知らないんですよ。

市川 推理ゲームみたいな感じですよね。キャスト同士でも「真犯人は絶対この人」「この人、逆に怪しいよね」って考察合戦をしてるし。

高柳 休み時間に盛り上がってます。

猪野 実は、俺はスタッフさんに聞いたので知ってるんです。千石は冤罪だと主張しているけど、実は犯人だったというパターンもありそうじゃないですか。

市川 二重人格的だった、とか?

猪野 もし何か秘密があれば芝居も変わってくるし、と思って聞いたんだけど……考察合戦をしているみんながすごく楽しそうで。聞かなきゃよかった(苦笑)。

――聞いた結果、芝居に影響はあったんですか?

猪野 それはノーコメントで(笑)。

クライマックスでピースがバチッとはまるように

――現段階で、課題だと感じていることはあります?

市川 花華は、序盤は本当にアイドルらしく、でも後半になって「トップアイドルになりたい」という気持ちを爆発させることになるので。ペアの相手である岡さんを論破するというか、ハッとさせなきゃいけない。“キャラ変”くらいの熱量で、岡さんも、観ている方も驚かせたいと思います。

高柳 リナはひとつのことだけが真実だと思って生きてきた分、それを覆される時の信じられない気持ちがすごく大きくて。でも相手は自分の信じてきたことを絶対に認めてくれないし、すごく苦しい。その中で事件に関係する物がいろいろ登場して、事件を思い起こさなくてはいけないんです。リナの心が壊れるギリギリのところまで、もっていけたらいいですね。

――自分を追い詰めていく作業は、かなりきつそうですね。

高柳 笑顔は一切ないですから。

市川 稽古場で見ていても、つらいです。昨日なんか、見ていて泣きそうになったくらい。

猪野 自分の千石としての芝居がどうこうというより、大半はリナとのふたり芝居。そこで情報や感情をどう伝えていくか、そしてどれだけ熱量を上げていくか。途中で選択を迫られるイベントの緊張感といった、どう色をつけていくのかという問題も含めて、パズルのようにピースがバチッとはまれば本当に気持ちいいと思う。

市川 それは間違いないですね。クライマックスでそうなるように、もっていければいいな。

高柳 でも、お客様を置いてけぼりにしないようにしないと。

市川 それなんだよね、複雑な話だからすぐに理解してもらえるかどうか。これから仕上げていかないと……。

猪野 いや、本音を言うと、残りの時間も少ないからかなり厳しいよね。がんばらないと。

――これまでのお話を踏まえ、舞台の見どころを紹介して締めていただきましょうか。

高柳 一部のキャストは犯人を知っているけど、私は知りません。でもそれは逆に言うと、観てくださる皆さんと同じ目線で楽しめるっていうことでもあると思います。観ていただいて、どっちを信じるか、ご自分の気持ちの動きも楽しみにしていただけたらいいなと思います。

市川 いろいろなキャラクターが出てくるパレードのような感じで、本当に遊園地に来ているみたいにドキドキワクワクしながら、考察も楽しんでもらえる舞台です。いろいろなところに謎が散りばめられているのでヒントを見つけていただいて、SNSで「#ユルキル考察」とか考察合戦もして盛り上がったら面白いでしょうね。後半、クライマックスにかけての熱量がすごい舞台だと感じていただけたら嬉しいので、私たちキャストでそうなるようがんばります。ぜひ観に来てください。

猪野 千石たちは、本当は罪を犯したのか犯していないのか、そこにはどういう理由があるのかないのか。それはさておき。

高柳 さておき、なんだ(苦笑)。

猪野 観客の皆さんは、いわば裁判官ですよね。誰の肩をもちますか、誰を信じますか、疑いますか、許しますか。キャラクターたちと共に、芝居の中でそれを考えてもらえれば。「あなただったら、どうしますか?」、それは基本的に役者が芝居を通して追求していくことですけど、ある意味、この作品は観客の皆さんもそれを体験できます。……というところで、いかがでしょう(笑)?

高柳・市川 いいんじゃないでしょうか(笑)!



取材・文:金井まゆみ 撮影:川野結李歌



『冤罪執行遊戯ユルキル the stage』
2022年4月23日(土)~2022年5月1日(日)
会場:東京・ニッショーホール

※PCR検査陽性のため休養中だった市川美織さんは4月27日(水)18時公演より復帰予定

チケット情報
(前売券)
https://ticket.pia.jp/piasp/sp/yurukill/yurukill22pih.jsp

(当日引換券)
https://ticket.pia.jp/piasp/sp/yurukill/yurukill22td.jsp

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