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畠中祐が演じた新鮮な役柄「荒木作品の中にはものすごい“青春”が流れている」

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ある日、空から泡〈バブル〉が降り注ぎ、重力が壊れてしまった近未来の東京。ロックダウンされ、外部と隔絶された街には行き場のない若者たちが集まり、パルクールのチーム同士で戦うゲーム〈バトルクール〉に明け暮れていた。渋谷を拠点とするバトルクールチーム「ブルーブレイズ」のエースであり、危険なプレイで注目を集めていた孤独な少年・ヒビキは、ある日不思議な少女・ウタに命を救われる。ヒビキやチームのメンバーと共に暮らし始めるウタだが、彼女は重大な秘密を抱えていて……。

5月13日に劇場公開される『バブル』は、『DEATH NOTE』、『進撃の巨人』など大ヒット作を手掛けてきた荒木哲郎監督の新境地だ。脚本はアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』や『仮面ライダー鎧武』で知られる虚淵玄、キャラクターデザインは『DEATH NOTE』、『バクマン。』の小畑健、アニメ制作は『SPY×FAMILY』のWIT STUDIOといった、そうそうたるクリエイターが集結している。廃墟と化した東京を背景にした爽快感のあるアクション、にんぎょ姫を下敷きにしたロマンチックなラブストーリー、考察が盛り上がりそうな世界設定、さまざまな要素が盛り込まれた極上のエンターテインメントに仕上がっている。

主人公・ヒビキ役を志尊淳が、ヒロイン・ウタ役を今注目のアーティストであるりりあ。がつとめることでも話題の本作だが、荒木監督作品『甲鉄城のカバネリ』主人公の生駒役でも知られる畠中祐は、秋葉原を拠点とするバトルクールチーム「電気ニンジャ」のリーダー役で登場している。荒木監督と関係の深い彼に『バブル』の魅力を語ってもらった。

荒木監督の作品は本当に観ていて惹きつけられるし、パワーがある

───畠中さんは本作で、秋葉原を拠点とするバトルクールチーム「電気ニンジャ」のリーダーを演じています。

そうなんですけど……。あまり登場シーンがないんです。だから今日、僕はここに来てよかったんでしょうか……と思っていて。

───そんな謙遜を!

いや、事実なので(笑)。

───荒木哲郎監督とは、これまで『甲鉄城のカバネリ』や『進撃の巨人』でお仕事をされています。畠中さんならではの『バブル』のお話を伺いたいです。

はい、今回も仮アフレコの段階で関わっていました。

───仮アフレコとは?

荒木監督はよくやるんですが、完成イメージを共有するために、一度声優がアフレコをするんです。それをスタッフさんが見て議論して、もう一度作品を再構築するんです。そのための仮アフレコですね。他にも、役者の方の吹き替えの場合、先に僕ら声優が声を入れることもあります。今回はこっちの意図もあると思います。

───なるほど。制作の初期段階から重要なお仕事をされていたのですね。完成した作品はご覧になられましたか?

もちろんです。完成版は仮アフレコの時よりも、ずっとドラマチックで、胸を締め付けられる切なさがありました。大胆なところもあれば、繊細な表情を見せてくれることもある。荒木監督の作品は本当に観ていて惹きつけられるし、パワーがあると感じました。

───荒木監督と畠中さんの間には、これまでに培った強い信頼関係があると思います。キャラクターの背景や役作りについては話し合うことはあったのでしょうか?

荒木監督は最初に、アフレコ前にブースの中に入ってきて、僕たちに作品の世界観を説明するんです。今回もそうでした。他の現場だと台本を読んで「じゃあやってみよう」と進めることも多いのですが、作品に入る前の準備をすごく丁寧にされる方ですね。その時間は、監督の熱量が一番伝わる瞬間でもあります。本当に大好きな時間でした。

頭で先に考えて行動するキャラクターは新鮮だった

───チームが複数存在しているからこそ、物語に奥行きが出てくると思うんです。たとえば、電気ニンジャのリーダーが東京に来た理由など、物語に描かれていない個々のキャラクターの具体的な話はされたのでしょうか?

そういった部分は、決まりすぎていないというか、かなり役者に委ねてくれますね。個人的にも、そこは埋めていきたかったので、考えさせてもらいました。例えば、彼がこの街にやってくる理由ですよね……。彼はキャラクター的に、時折内にこもる瞬間があるので、もしかしたら外の世界でいじめられていたり、周囲から孤立していたりとかで、日常生活の中で居場所がないと感じていて、彼は、自分の居場所を求めるためにあの場所に来たのかな……。

───なるほど。

すごく細かい設定を考えているわけじゃないけれども、僕はそんなことを想いながら彼を演じました。これまで僕は、「カバネリ」もそうですが、どちらかというと、ストレートに感情を爆発させるような役柄多かったので、こういう頭で先に考えて行動するキャラクターは新鮮でした。

───畠中さんは、たしかに熱血キャラクターのイメージがあります。

音響監督からも「お前やれるのか?」なんて言われたりして。「いやいや、やれますよ」とアフレコに入ったものの、最初のディレクションでは「ちょっと熱すぎるかな、ちょっと冷まして」とみたいなことになったんですけど(笑)。

───他のキャストの方と役柄について相談をすることはありましたか?

練馬のバトルクールチーム「マッドロブスター」リーダーの三木眞一郎さんとは一緒のアフレコでした。そんなに深く話し合ったわけではないですけど、軽く打ち合わせはしましたね。

───その中でも、印象に残っているシーンはありますか?

ネタバレを避けつつ話すのは難しいですね(笑)。クライマックスの歌、そして長いモノローグは印象に残っています。優しい質感のあるシーンで本当にたまらなかったですね。仮アフレコの段階でもグッと来ていたけれど、さらにグッと来ました。歌のシーンは全部好きです。京王線の車両が出てくるシーンがあるんですけど、あそこも迫力があっていいですね。

荒木さんの作品の中にはものすごい「青春」が流れている

───京王線の車両のシーンは幻想的で、引き込まれますね。そんな風に、普段見慣れた電車や風景が、変わり果てている描写にもハッとします。アクション要素や、SF要素の強い作品でもありますが、私たちの日常生活と地続きであることを感じさせてくれる作品だと思います。

この作品って、「BOY MEETS GIRL」なんですよね。それって、どんな時代でもどんな国でも共通するものだと思うんです。特殊な世界だし、特殊な人物たちが出てくるだけど、本当にシンプルなBOY MEETS GIRL。切なく、純粋な作品だから、そこに共感してくれる人は多いのではないでしょうか。

───少年少女たちの青春群像劇といえますね。

荒木さんの作品の中にはものすごい「青春」が流れているんです。『カバネリ』もBOY MEETS GIRLだし。『進撃の巨人』も仲間への想いだったりとか、純粋な熱量は青いものがあって、荒木さんの良さがすごく詰まっています。青春を感じます。

───最後に、読者にメッセージをお願いします。

やっぱり、たくさんの人たちに観てもらいたいですね。荒木監督は、アニメ業界でとても評価の高い方です。『DEATH NOTE』や『進撃の巨人』は社会現象にもなった。オリジナル作品であっても、ものすごく普遍的なものをテーマにしていると思うし、アニメに馴染みがない人にも絶対に届く作品になっています。Netflixで観て面白かったら劇場の大きなスクリーンで……なんて楽しみ方もできるじゃないですか。そしたらまた印象が変わるかもしれない。どちらの形でも、とにかく観てほしいです。だって面白いんだもん(笑)。

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撮影/杉映貴子、取材・文/松下秋

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