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仏俳優アデル・エネル、差別問題を抱える映画界から引退表明「去ることは闘うこと」

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ナタリー

アデル・エネル (写真提供:Marechal Aurore / ABACA / Newscom / ゼータ イメージ)

「燃ゆる女の肖像」で知られるフランスの俳優アデル・エネルが映画界引退を表明したことを、IndieWireなどが報じた。

エネルはドイツの雑誌FAQのインタビューで、引退に至った経緯を「政治的な理由」と明かしている。ブリュノ・デュモンが監督を務める新作SF映画「The Empire(英題)」への出演が予定されていたエネル。しかし題材やキャストに関する意見の相違からプロジェクトを離脱した。「最初はとても面白そうに見えました。問題は、面白おかしい見せかけの裏側で、性差別的かつ人種差別的な暗い世界が擁護されていたこと。脚本にはキャンセルカルチャーや性的暴力に関するジョークが満載でした」と説明し、「デュモンと話し合おうとしたのは、対話が可能だと思ったから。何度も何度も、意図的ではないのだと信じようとしました。でも意図的なものだったのです」と振り返る。「社会を構造的に動かすものは社会的闘争だけ。去ることは闘うことであるように思えます。この業界から永久に去り、別の世界、別の映画に参加したいのです」とも語っている。

さらに「もし私が今日の映画界にとどまったら、この男性的で家父長制的な業界に対するフェミニストの保証のようなものになってしまう」「私が目指すのは、この業界における資本主義的、家父長制的、人種差別的、性差別的な構造的不平等の擁護を明確にすること」とも主張した。エネルは今後も演劇で活動を続け、いつか十分に信頼する協力者とともに自主映画を作ることに前向きだ。

(情報提供:IndieWire / VM / ゼータ イメージ)