声優・増田俊樹&市来光弘インタビュー「約4年ぶりに演じて感じた加州清光・大和守安定の成長」
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すべて見るアニメ、ミュージカル、舞台、映画など数多くのメディアミックスを成功させた大人気刀剣育成シミュレーションゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』。同作を原案に刀剣男士たちの朗らかでひたむきな日常を描いたシリーズ初のアニメ作品『刀剣乱舞-花丸-』(2016年放送)が、劇場公開3部作「特『刀剣乱舞-花丸-』~雪月華~」としてついに銀幕へ出陣する。
5月20日(金)第1作『雪ノ巻』公開に際し、『花丸』のストーリーにおいて中心的な刀剣男士・加州清光を演じる増田俊樹と大和守安定を演じる市来光弘のインタビューをお届け。『雪ノ巻』の見どころはもちろん、本作に登場する新刀剣男士について、二人が体験したちょっとしたハプニングについて話を聞いた。
4年ぶりの『花丸』に「とても緊張しました」
ーー2021年2月14日に行われたイベントで『雪月華』の発表がありました。劇場公開アニメかつ3部作で『花丸』が描かれると知った時の率直なお気持ちを教えてください。
増田 すごく楽しみな気持ちになりました。2017年には第1期TVアニメの劇場版総集編『刀剣乱舞-花丸- 〜幕間回想録〜』が劇場公開されていましたが、本作は新しいストーリーでの続編。『花丸』はゲームをプレイしていただいている方たちから大変反響のある作品でしたので、視聴者のみなさんにも喜んでいただけるのではないかと思いました。
市来 約4年ぶりに『花丸』をみなさんに見てもらえることが素直に嬉しかったです。2018年に放送された2期『続 刀剣乱舞-花丸-』が終わった時は、本作の制作が決まっていなかったんですよ。なので、また『花丸』で安定を演じられるんだ……!と嬉しく感じました。
ーー実際、約4年ぶりに『花丸』での加州清光・大和守安定を演じてみていかがでしたか?
増田 とても緊張しました(笑)。
市来 ふふふ(笑)。
増田 『花丸』で描かれる本丸はゲームと異なるため、キャラクターの成長の仕方にも違いが生まれます。ゲームのアフレコ時に自分の中で完成されていた“加州清光像”と『花丸』の“加州清光像”が違っていたため、『花丸』で清光を演じるのは大変な作業なんです。清光に対する価値観を変えなければいけない。『花丸』の加州清光としての収録は久しぶりな上に、3部作という超大作なので、すごく緊張する作業でした。
市来 安定はTVアニメ1~2期と比較すると『雪ノ巻』では若干落ち着いたかな?と台本を読んでいて感じ取れました。
1期は顕現したてで刀剣男士たち、主に清光に助けられ、自分の未熟さを知って最後は修行の旅に出る。2期では修行の旅から帰ってきて、1期に比べると芯も強くなって無鉄砲さがなくなっていた。だからこそ僕自身は『雪ノ巻』で成長した安定を意識して演じるようにしました。
『花丸』らしさを感じた面白いシーン「刀剣男子たちの豆まき合戦」
ーーTVアニメ版同様『雪ノ巻』でも刀剣男士たちの賑やかな日常が描かれていますが、特に面白さを感じたシーンはありますか?
市来 物語冒頭の刀剣男士たちが豆まき合戦をするシーン。刀剣男士も季節の風物詩を楽しんでいるんだなと思ったと同時に、これから戦いが始まるかのように真剣に遊ぶところが『花丸』の本丸らしいなと(笑)。懐かしい気持ちになりました。
増田 あのシーンはちょっとミスリードですよね(笑)。アフレコの時は少しシリアスに演じてほしいと言われていましたから。本来ほんわかしているシーンなのに、そんな遊びの要素を入れているという。『花丸』の本丸って楽しい場所だなと改めて思いました。
僕個人的に面白かったシーンは博多藤四郎(CV:大須賀純)たちが大阪城を探索して資金対策しているシーン(笑)。
市来 ああ!(笑)
増田 TVアニメの時からそういうシーンはありましたし、『月ノ巻』では大阪城の探索で財政が良くなった話が展開されるんですよ。ストーリーがすべて繋がっているところは『花丸』じゃないと楽しめない要素の一つだなと感じました。
ーーお二人が演じている清光と安定の登場シーンの見どころもお聞かせください。
増田 物語の前半、新しく加わった山姥切長義(CV:高梨謙吾)のお話ですね。TVアニメ2期では加州清光の心の変化がフィーチャーされていたのですが、そのストーリーになぞらえたお話が展開されていて。TVアニメ版を楽しんでいた方たちが「こんなシーンあったよね」と思い返せるようなシーンがあるので、そこは見どころなんじゃないかなと思います。
市来 長義が山姥切国広(CV:前野智昭)を挑発するシーンで安定が止めに入るんですよね。TVアニメの1期では自分の未熟さを感じて自分のことでいっぱいいっぱいだった安定ですが、修行の旅から帰ってきて心身ともに強くなり周りを見られるようになったんだなと感じました。成長を感じるシーンだったと思います。
新たな十振の刀剣男士「情報量が多すぎる!(笑)」
ーー『雪ノ巻』では新たに十振の刀剣男士が登場します。中でもお二人が注目している刀剣男士はいますか?
増田 『雪ノ巻』では長義、肥前忠広(CV:小松昌平)、南海太郎朝尊(CV:野島健児)の三振りが物語の根幹に関わってきて、熱いストーリーが展開されますが……僕個人的に三木(眞一郎)さんが大好きなので、大般若長光ですかね(笑)。三木さんの声を聴いて、やっぱりカッコいいなと(笑)。
市来 あはは(笑)。
僕は劇場3部作の制作発表と同時に参加の発表があった長義ですね。顕現したてではないポジションでの参加になるということで、どんな風に『花丸』の刀剣男士たちと絡んでくるのか気になっていました。実際に『雪ノ巻』を見てみると、やっぱりこれまで登場してきた刀剣男士と比べるとちょっと特殊な存在。いい意味で異質な絡み方をしていたので、十振りの中では特に注目して見ていました。
増田 新しい刀剣男士たちが一気に増えて、賑やかになったと同時に、どんどんどんどん情報量が増えていて(笑)。1時間ちょっとのフィルムに収まりきらないくらい、あまりにも濃すぎる情報量だなというのが新しい十振の印象でして。今後また登場してくれるのが楽しみになる刀剣男士たちでした。
ーーでは、ご自身の演じる“『花丸』の刀剣男士(加州清光・大和守安定)”について、『雪ノ巻』を踏まえた魅力や好きなところを改めて教えてください。
市来 ゲームの頃や『花丸』第1期から変わっていなくて、戦闘シーンになるとスイッチが入ったように変化するところですね。安定は温厚で優しく、加えて『花丸』の初期の頃は突っ走ってしまうところもありましたけど、戦闘シーンの時は性格が切り替わるんですよ。それが単純に演じていて楽しいなと思っています(笑)。
増田 ゲームの加州清光はカッコ良さと未熟さ、そして少年らしさを感じていて。自分もその要素を大切に演じているのですが、一方『花丸』の加州清光はゲームで感じる要素を内包しながらも老練さとたおやかさがあると思うんです。ほかの刀剣男士たちと比べて『花丸』の本丸ではすごく長い歴史を歩んでいる。ドシっと構えていて、物事を俯瞰できるような大人っぽさが魅力的だなと思いますね。
『花丸』で描かれるような、二人の“日常のちょっとしたハプニング”
ーー『花丸』は本丸内で起こる日常のちょっとしたハプニングが描かれています。最近、お二人の周りで起こったちょっとしたハプニングはありますか?
市来 少し前ですがポンと思い出したのが、自転車の前輪と後輪のタイヤがそれぞれ2週間の間にパンクしたこと。まず前輪がパンクして、自分で空気を入れてみたものの結局ダメで……新しいタイヤを買いに行って、これ(お金)が結構飛びました(笑)。前輪を直して後輪も空気が入っているのを確認して、「よし、乗るぞ!」と思ったら今度は後輪もパンクしたんですよ。それでまたこれ(お金)が飛んで行ったという(笑)。週に数える程度しか乗らないのにビックリしましたね。
ーー原因は分かったのでしょうか……?
市来 最初はいたずらかな……と思ったのですが、お店の方からは「消耗じゃないか」と言われました。クロスバイクなのでタイヤが細くて、それなりに長く乗っていたのでちょっと擦れていたんですよね。長くお世話になってきたから、新しくタイヤを変えるいい機会になった、というお話でした(笑)。
ーー割と大きなハプニングですね……! 増田さんはいかがでしょう?
増田 仕事をやる上でも生きる上でも、あらゆることを調べて準備して臨む生き方をしているので、僕の中でのハプニングってそんなにないんですよ。なので、何かあったかなと今回も事前に考えてみたのですが(笑)。最近一つだけあったのが、電子レンジで温泉卵がつくれるレシピをネットで見つけて、その通りにつくったら爆発しちゃったこと……。
ーーえぇ!
増田 電子レンジで卵を温めるのがご法度なのは知っているのですが、とはいえ爆発しない調理方法ってあるじゃないですか。僕自身、それでゆで卵をつくった経験もありますし、温泉卵のレシピも半信半疑で試してみたらダメで……ネットの記事にだまされたのかなと思いましたよ!
電子レンジの中に卵が飛び散りまくって、ショックのあまり一度レンジを閉めて見なかったことに(笑)。一週間くらい放置してしまいました。とはいえ、使えなくなるのは困るなと思い、ちゃんと掃除をしたという。最近のしょうもないハプニングです(笑)。
撮影/友野雄、取材・文/阿部裕華
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