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スコアレスドローに垣間見えた川崎Fの強さ、退場にも数的不利にも慌てず騒がず怯まず!

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鬼木達監督(川崎フロンターレ)  (C)J.LEAGUE

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スコアレスドローの中に川崎フロンターレの強さを垣間見た。『明治安田生命J1リーグ』第14節・サガン鳥栖戦は試合内容で押されたものの、勝者のメンタリティを発揮したのだった。

5月21日、第11節・ヴィッセル神戸戦から中2日のアウェイ2連戦に際し、鬼木達監督は先発5人を入れ替えて臨んだ。CFに知念慶、左ウイングに小林悠、インサイドハーフは瀬古樹と小塚和季、アンカーにジョアン・シミッチと攻撃陣にフレッシュなメンバーを並べた。だが、2日前の『JリーグYBCルヴァンカップ』からフィールドプレーヤー10人総入れ替えの鳥栖が運動量で勝りペースを握る。GKパク・イルギュを含めたビルドアップに前線からのプレスがハマらないと見れば、川崎Fは前半の内に4-3-3から4-4-2に変更。小塚に代えてマルシーニョを投入すると、後半開始からはさらに4-2-3-1にチェンジ。ベンチも何とか主導権を握ろうと策を講じた。

結局鳥栖のペースは変わらず、82分にはCB谷口彰悟がVAR、オンフィールドレビューを経て、一発退場となるも、川崎Fは慌てず騒がず。鬼木達監督も抗議するのではなく、次の手を打っていった。MF脇坂泰斗の交代を準備していたが、DF山村和也を入れて、引き分け狙い……ではなく、勝点3を取りにいった。守備はしっかり安定させるが、いける時はいく。シンプルにカウンターでゴール前に迫ったのだった。試合はこのまま0-0に終わったが、山村は監督から守備だけではなく、攻撃面での支持を受けたことを5月23日のメディア対応で明かした。

「あと少しの時間だったのでまず失点しないことを意識して入った。鬼さんからは攻撃でいける時は積極的に前にボールを出すように言われたので、それは意識しながらできた。勢いのあるチームで、90分通して仕掛けてくるチームだったので、そこをうまく対処することができた。攻撃でも(レアンドロ・)ダミアンとか前の選手にボールを出せたと思う」

山村は5試合連続無失点に手応えを語りつつ、いかに攻撃につなげるか修正点を口にした。
「守備に関してはみんながサボらず献身的にやっている結果だと思うのでそこは継続して、いい守備からいい攻撃につなげていきたい。相手も対策をしてきて人数をかけてきているが、幅を使ったり、逆に狭いところを突いたりとか、いい判断を後ろからしていきたい。相手を見ながらどうするかはチームとして考えている。質だったり立ち位置だったり、もっと相手をズラしながら決定機を作っていければ。やはり自分たちのサッカーを信じて、いい準備をしてボールを保持していい守備からいい攻撃へつなぐことが大事だと思う」

移籍後リーグ戦初出場ながら、インサイドハーフにボランチ、トップ下とポジションを変える適応力を見せた瀬古は次のように鳥栖戦を振り返った。
「自分としては最後ぐらいのチャンスだととらえていた。最初のインサイドハーフはゲームも落ち着いていなかったので課題もあったが、ボランチに入ってからはゲームも落ち着いて、ある程度ゲームをコントロールできたと思う。トップ下では相手をかく乱させるという意識で臨んだが、最後の質の部分、精度を上げていかないとこういう拮抗した試合で勝ち切れない。自分の特徴として、どこのポジションでも迷わずできた。SBやトップ下もやったことがあるので、鳥栖戦でも迷わずできた」

厳しいポジション争いを望んでやって来たと言う。
「フロンターレに来ると決めた時から激しい競争があるのはわかっていて、そこに身を置きたかった。違うチーム(横浜FC)だが、J1で2年間やってきたので、試合に出られないもどかしさはあるが、腐ることなく本当にポジティブに考えていた。厳しい競争をしたくてここに来たので、いつチャンスが来てもいいように準備してきた。ここの集団は日本のトップだと思う。日々の練習から質の高さを実感している。もっと得点に絡んでいったり、チームを助ける働きができればと思っている」

オンライン取材には鬼木監督も登場、鳥栖戦での攻撃の課題を挙げた。
「動き出しのところを見られるのかどうかが大きい。悠がいい動き出しで相手を外しているシーンが何度かあったので、見えていてほかの選択をしたのか、そもそも見えてなかったのか。崩しのところは質になってくるので、質を求めていかないといけない。質が追い付いてきたら、同じ絵を見られると思う。そこを言い続けながらやっていきたい」

谷口のファウルがVARになった時にはふたつの策を同時進行で進めていた。
「ヤス(脇坂泰斗)を入れようとしたタイミングでああなって。なので、ふたりに指示を出していた。イエローならヤスにこう、レッドならヤマ(山村)にこうというように。VARになった時点でだいたい(判定は)変わるものなので、正直思うところはあるが、考えても仕方ない。自分たちが判定を下させるわけではないので、むしろ次にやることに頭を切り替えてやっていた。選手もうまく切り替えてやってくれた」

山村投入は守りを固めるためではないと言及した。
「(山村投入は)守りではない。守ったら、やられる。前線に強い人(ダミアン)がいて、速い人(マルシーニョ)がいるのだから、そこを生かすことを考えないと。ヤマには2トップ気味になってもいいと伝えた。選手たちに全部が全部伝わるわけではないが、引き分けではいけないんだ、勝ちにいかないといけないんだという姿勢が見られたのはうれしい。どんなに厳しい状況でも、どんなにリスクがあっても、それがリスクではなくチャンスだという肌感覚がある」

指揮官は初先発の瀬古をこう評価した。
「『ACL』でいいパフォーマンス、いい姿勢を見せてくれていた。その前から良くなっていた。ただタイミング的に使える機会がなかった。帰国後もメンバー外になってもモチベーションを落とさずにトレーニングで姿勢を見せてくれ、どこかで使いたいなと思っていた。連戦と言うこともあり、技術的にも精神的にも準備はできていると思った。普通サブからスタートかもしれないが、僕の場合は迷いなく、メンバー外からスタートもある。
どんどん成長してきている。対人の強度は来た時よりも良くなっている。もともと受けるタイミングもいいし、ゲームの中で自分の意図を声で伝えられるのも強み。もちろんまだまだやらないといけないものもあるが」

次節でも鬼木監督は高い要求をしていくとコメントした。
「今首位にいるが、失うものはないぐらいの気持ちで、勝つために何が必要かを前面に出していければと思う。勝つためには得点を取らないといけない。そこにフォーカスしたい。アグレッシブにいきながら、観てくれる人にワクワクしてほしい。そういうアプローチを自分から選手にしていきたい」

鬼木監督は目の前の試合にフォーカスを当てながら、しっかりと長く険しいリーグ戦終盤を見据えていた。
「『ACL』で最後自力(突破)があるのかないのかという状態だったが、今は自力で優勝へ持っていける状況にいる。まだまだ先は長いが、勝点3を目指す。(『プレミアリーグ 2021-22』最終節で優勝が決まった)リバプールとマンCではないが、勝点や得失点が響いてくるかもしれない。あれはすごすぎたが、勝点を最後にこだわろうとしても、できるわけではない。勝点1の重みは先でも後でも変わらない。今からこだわってやっていきたい」

9勝3分2敗・勝点30の首位に立つ川崎Fに対して、次節の相手湘南ベルマーレは2勝4分8敗・勝点10の17位。それでも前節はヴィッセル神戸との“裏天王山”を2-1で制し、遅ればせながら今季ホーム初勝利をマークした。殊勲の2得点を叩き出したFW町野修斗は「また次が大事、川崎は去年逆転で負けている相手なので、しっかり借りを返したいと思う」と次戦を睨んだ。

リーグ戦の対戦成績を振り返ると、川崎Fの18勝8分6敗の勝ち越し。J1に限ってみると9勝5分2敗、川崎Fは2015年8月以来10戦負けなしである。

果たして、川崎Fが神奈川ダービーで再び白星街道を走るのか、湘南が下馬評を覆し今季初の連勝を飾るのか。『明治安田J1』第15節・川崎F×湘南は5月25日(水)・等々力陸上競技場にてキックオフ。チケットはチケフロ(Jリーグチケット)にて発売中。試合の模様はDAZNにて生中継。

取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)

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