【ライブレポート】宮川大聖「最後まで、進化した宮川大聖を見届けてください」新たな表情を見せたZepp Haneda公演

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22/5/29(日) 18:00

宮川大聖 LIVE TOUR 2022『ReSTA』5月21日東京・Zepp Haneda Photo：Miki Fujiwara

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Z世代を中心に絶大な人気を誇る“みやかわくん”こと宮川大聖が、3年ぶりのリリースとなる2ndアルバム『ファンタジア』を引っ提げ、LIVE TOUR 2022『ReSTA』を決行。その終盤戦であるZepp Hanedaのステージに現れた宮川は、確実にそれまでの立ち方とは違う、アーティストとしてひとりの男として、新たな表情を見せた。

アンビエントなSEを割って入るエレキギターの轟音から始まるアップチューン「OVER DRIVE」で一気にステージと客席の体温を上げたあとは、この日の前日にフルアニメーションのMVが公開されたばかりの「ファンファーレ」、甘めの高音と渋めの低音という声色コントラストが絶妙な「ミスターグリッチ」と続き、熱を帯びた場内の空気は早くもトロンとし始める。
「ようこそ、ReSTAへ！」と簡単な挨拶を交わし、最新アルバムの収録曲を連続で聴かせていく。

ソウル色の強い曲調と低音のラップが男の色気を漂わせる「Null」、真っ赤な照明の中を駆け巡るビートとディストーションを効かせた歌声がスリルを煽る「AKEGATA」、可能な限り絞ったバック演奏と宮川の歌声だけで景色を描いていく「Satellite」。
どれも真新しい曲たちなのに、まるで宮川本人とは長い付き合いになるかのように、そのリズムとメロディは宮川の身体からするすると放出されていく。
つまりどういうことかと言うと、例えばこれまで彼のライブを盛り上げる重要な役目であった「LiBERO」と最新アルバム収録曲の「レゾン」が、早くも同じレベルで観客を躍らせるのだ。

宮川大聖というアーティストについて、もともとSNS動画で人気を博したクリエイターであり、どんなタイプの楽曲でも歌いこなせる器用なタイプだという印象があった。
でも、今の彼には“器用だから何でも歌える”のではなく、“何を歌っても宮川大聖になる”という世界が構築されている。
おそらくそれは、アルバム『ファンタジア』をトータルプロデュースしたたなか（前職・ぼくのりりっくのぼうよみ）と宮川、お互いの信頼感の賜物なのだろう。
どんな曲調やどんな表現方法にも一貫性を感じさせるくらい、宮川のオリジナリティが強固になっているのがわかった。

「今回のツアーでの僕の目標は、“進化”です。これからも進化したみやを見続けていきたいなと思ってほしくて、テーマを定めて頑張ってきました。最後まで、進化した宮川大聖を見届けてください」

MCでも宮川は、今回のツアーで見せたかったものは「進化」だと言っていた。その進化による成果は本編後半、両脇にダンサーを従えて自らも踊るダンスチューン「ジャック・バイパー」や、メジャーデビュー曲の爽快ポップス「イダテンドリーマー」でも、しっかりと現れていた。いつのどんな曲でも、そこには同じ量のエネルギーと確かな安定感がある。

特に「イダテンドリーマー」はデビュー当時の宮川にピッタリな跳ねた曲調だが、そのフレッシュさはきっちりキープ。
それでいて、今の宮川ならではの重みもある。ホースで勢いよく水をまくように爽やかでまっすぐな歌声は、新旧のファン全員を一瞬で魅了した。

本編は、ラストにダンサブルな曲を続けて終了。
が、アルバム『ファンタジア』の曲を少しでも多く披露したいということで、アンコールも曲をギュウギュウに詰め込んでサービス。アルバムの中で最もほっこりする横揺れポップス「曖昧」を甘い声と甘えた笑顔で届け、場内の心を油断させたところで至極のラブソング「君色の魔法」へ。
宮川自身の作詞作曲ということもあり、オーケストラ風のイントロが始まっただけで客席にキュンとした緊張感が走る。
ピアノと歌だけで聴かせた「明日が来るのが怖くて」は、明るいキャラクターの裏で様々な辛さや恐怖と闘ってきたであろう宮川の内側が垣間見える曲で、そんな葛藤をこうして歌うことで消化していく彼の芯の強さを感じられた。

声の限界まで絞り切り、客席の一人ずつとアイコンタクトを取り、気迫を送る。息切れするほど踊った直後の高音でも、喉元で躊躇することなくその音を狙っていく。その驚くほど野心的なパフォーマンスの理由は、アンコール最後のMCで語られた。

「今の自分の人生って、奇跡の連鎖で出来上がってるんだなって思うんです。必然も、じつは偶然の積み重ねでできてる。例えば動画投稿アプリをたまたま見つけて、投稿してみようと思わなければ、僕は今ここにいないかもしれない。みんながたまたまSNSを見て僕を見つけていなければ、僕はここにいなかったかもしれない。その一瞬一瞬の奇跡が僕の人生を作り上げてるというか。瞬きひとつで歴史って変わるんだなと。そうやってみんなが作ってくれた一瞬一瞬の奇跡を僕は大事に噛みしめながら生きていこうって思いました」

真っ白なライトの中、ぎゅっと胸を押さえながら歌った「Paper Moon」は、柔らかくも逞しい響きに満ちていた。その微細な声の震えに綴られたのは、これまでの奇跡と周りの支えへの感謝と、また新しく心に誓った想い。
すでに始まっている宮川大聖の進化は、私たちの想像もつかないレベルに設定されているのだと感じた。

Text：川上きくえ　Photo：Miki Fujiwara

＜リリース情報＞
宮川大聖 2ndフルアルバム『ファンタジア』

Now On Sale

●通常盤（CDのみ）：2,750円（税込）
封入特典：歌詞ブックレット、ランダムアナザージャケット1種類

●初回生産限定盤（CD＋DVD）：4,180円（税込）
封入特典：豪華ブックレット、ランダムアナザージャケット1種類

【CD収録内容】※全形態共通
01. ファンファーレ
02. レゾン
03. AKEGATA（feat.たなか）
04. Satellite
05. Chance
06. 曖昧
07. 君色の魔法
08. 明日が来るのが怖くて
09. Paper Moon
10. Null
11. 雨とパラダイムシフト

【DVD収録内容】※初回生産限定盤のみ
■宮川大聖 LIVE TOUR 2021『Paradigm』東京公演 2021.10.24@Zepp Tokyo
01. ジャック・バイパー
02. rhythm
03. ミスターグリッチ
04. ロア
05. Symbol
06. get out get
07. ラストアンビエント
08. PARALYzE DAY
09. スターランド
10. 雨とパラダイムシフト
11. セツナノウタ
12. On Your Mark
■「雨とパラダイムシフト」Music Video
■「君色の魔法」Music Video DARSオンライン番組
■「BUZZ MUSIC NIGHT」宮川大聖出演パート映像

＜ライブ情報＞
『Fantasy on Ice 2022』

6月17日(金)～19日(日) 兵庫・神戸ワールド記念ホール・特設アイスリンク
6月24日(金)～26日(日) 静岡・静岡エコパアリーナ・特設アイスリンク

イベントオフィシャルサイト：
https://www.fantasy-on-ice.com/

『COLORZ powered by SHEIN』

6月30日(木) 新潟・NIIGATA LOTS
開場18:30 / 開演19:00

7月9日(土) 広島・BLUE LIVE HIROSHIMA
開場17:30 / 開演18:00

イベントオフィシャルサイト：
https://colorz.tokyo/

プロフィール

宮川大聖（みやかわたいせい） / みやかわくん

東京都の離島・式根島出身のシンガーソングライター。高校在学時代にペン回しや歌ってみた等の動画をTwitter、vineなど様々なインターネットに投稿し、中高生の間で話題となる。
2018年にミニアルバム『STAR LAND』でメジャーデビュー。それからわずか1年で、日本武道館での単独公演を成功させた。2020年7月発売のミニアルバム『Symbol』から、本名の宮川大聖で活動を開始。自身25歳の誕生日である2021年7月11日に、デジタルシングル「雨とパラダイムシフト」をリリースし、ワーナーミュージックへ移籍。川谷絵音との共作楽曲として話題を呼んだ。
2022年1月には、森永製菓「DARS」チョコレートとのコラボレーションで書き下ろした「君色の魔法」をリリースし各方面で好評を得ている。同4月13日にリリースした2ndフルアルバム『ファンタジア』では、たなか（前職・ぼくのりりっくのぼうよみ）とタッグを組み、豪華な作家陣とともに制作。チャートでは最高4位を獲得。10代・20代のZ世代から圧倒的な支持を受ける注目アーティスト!!

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