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いよいよファイナルが国立でキックオフ! リーグワン初代王者は東京SGか?埼玉WKか?

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(写真左より)内田啓介(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、ダミアン・マッケンジー(東京サントリーサンゴリアス)  (C)JRLO

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ファイナルに勝ち残ったのは、やはりこの2チームだった。初代チャンピオンを決する戦いは、最後の王座を決めるカードと同じ組み合わせとなった。レギュラーシーズン1位・東京サントリーサンゴリアス×2位・埼玉パナソニックワイルドナイツ。『NTT ジャパンラグビー リーグワン 2022 プレーオフトーナメント』決勝は『ジャパンラグビー トップリーグ 2021 プレーオフトーナメント』決勝の再現となったのだ。

1年前、最後に笑ったのはパナソニックだった。2021年5月23日・秩父宮ラグビー場での開始5分、オールブラックスのSOボーデン・バレットのパスをCTBディラン・ライリーがインターセプト。いきなり独走トライを叩き込んだ。14・25分とSO松田力也のふたつのPGで加点すると、30分WTB福岡堅樹がラストゲームで左サイドを駆け抜けてインゴールへ。松田も難しい角度のCGを決めて20-0とした。

その後サントリーが意地を見せて猛攻を見せるも、逆転には至らず26-31。パナソニックが4季ぶり5度目の優勝で『トップリーグ』の18年間の歴史は幕を閉じたのだった。

『NTTジャパンラグビー リーグワン2022』に戦いの舞台を移して、両軍は激突。2月26日・熊谷スポーツ文化公園 ラグビー場で開催された第7節は、東京SGにとってショッキングな敗戦となった。

3分に松田のPGで埼玉WKが先制するも、東京SGは8分モールから連続攻撃を展開、最後はSO田村煕の飛ばしのパスを受けたPR石原慎太郎がトライ。ニュージーランド代表FBダミアン・マッケンジーがCG、5分後にPGも決めて10-3とし、17分にはオーストラリア代表CTBサム・ケレビのパワフルな突破から左へ展開、WTB中野将伍が距離を稼ぎ、最後はサポートに走ったFL下川甲嗣が中央へ回り込んで17-3と主導権を握った。

東京SGのトライラッシュの予感が漂ったが、埼玉WKがすぐさまさすがの修正能力を発揮。ブレイクダウン(接点)で素早くプレッシャーをかけ、東京SGのスピーディな球出しを阻止。20分、残り5mでラインアウトモールと見せかけてFLベン・ガンターが回り込んでトライを奪うと、29分のPGを挟んで38分には今度はドライビングモールからHO坂手淳史がトライをマーク。20-17で前半の内に埼玉WKが逆転した。

後半に入っても、埼玉WKペースは変わらず。47分松田のPGは成功するが、50分のマッケンジーのPGは失敗。その後も東京SGはラックでペナルティを連発し、59、71分と埼玉WKはPGでスコアを積み重ねて29-17。後半32分にはワラビーズのWTBマリカ・コロインベテの独走からライリーがボールをつないで勝負あり。終わってみれば、34-17のダブルスコアで埼玉WKが快勝を飾った。

東京SGはその後、ショッキングな完敗と真摯に向き合った。課題を一つひとつクリアするとともにアグレッシブアタッキングラグビーを実践し、1位でレギュラーシーズンを終え、東京SG戦で自信を深めた埼玉WKはそのまま無敗でレギュラーシーズンを駆け抜けた。

両チームの『NTTリーグワン2022 プレーオフ』準決勝の戦いぶりは対照的だった。5月21日・東大阪市花園ラグビー場で東京SGは3週間前の第15節で3-27と完敗を喫した4位東芝ブレイブルーパス東京と対峙、熱戦を繰り広げた。

24分自陣深くから東京SGのWTB尾崎晟也がインターセプトして約80mの独走トライを決めれば、27分近場を攻めたBL東京はLOジェイコブ・ピアスが強引にボールをねじ込んだ。勝敗を分けたのはPGだった。7・40分とPGを失敗したが、東京SGはマッケンジーの右足に勝負を託した。BL東京は好位置でペナルティを受けても、あくまでトライ狙い。この日4本中4本キックを成功させたSO中尾隼太の見せ場は少なかった。

17-17で折り返した激闘は後半半ばに決着を見る。東京SGは連続攻撃からディフェンスの隙を見つけたCTB中村亮土がピックアンドゴーで逆転トライを決めると、4分後BL東京は22フェーズにもわたる手に汗握る攻防からLOシオネ・ラベマイが追撃トライと思われたが、TMOの結果ノートライに。このまま30-24で東京SGが決勝進出を決めたのだった。

試合後、中村主将は「今までの戦い方とはちょっと異なり、負けたらおしまいというラグビーをしなくてはいけない。今週ミーティングを重ねながら、自分たちで考えながらゲームプランを組み立てた。それをみんなが遂行できたのは、メンタル的にたくましく感じた」と一発勝負の戦い方で臨んだことを明かした。

PG選択についても、「前半のPGについては風が強かったので、あまり心配しなかった。後半は風上になったので、蹴りやすいポジションでは自信を持ってショットを選択した」とマッケンジーへの全幅の信頼を口にした。

またSH流大がゲームプランについて「ハーフウェイまではなるべくフェーズを重ねず、テリトリーを取って、自分たちがアタックしたいエリアでアタックするといった感じ。後半はリードされても敵陣にいけばマッケンジーの3点もあり、モールも非常に有効だったので、しっかりアタックしようと話した」と詳細に語れば、マッケンジーはキックについて「前半、キックを外した部分があったが、風と言うより自分のミス。後半、修正してきちんと決められてよかった」と振り返った。

中村主将は来たるべき決勝へ向けて「サントリーはアタッキングラグビーのチーム、ダイナミックなラグビーを決勝で披露すること。修正ポイントはペナルティ。コントロールできるところを修正していきたい。リーグワン初代チャンピオンと口にしてきたが、最後に優勝したい気持ちでやってきたので、このチームの仲間と共に笑顔で終わりたい」と意気込んだ。

片や、埼玉WKは準決勝でも完勝した。5月22日・秩父宮ラグビー場で3位クボタスピアーズ船橋・東京ベイに付け入る隙を与えなかった。

7分LOエセイ・ハアンガナがゲインラインを突破、大きく距離を稼ぎ、サポートについていたSH小山大輝、SO山沢拓也とつなぎ先制トライを奪うと、37分にはインゴール目前でのS東京ベイの連続アタックからWTB竹山晃暉がインターセプト、約90mを走り切った。

14-3で前半を終えた埼玉WKは後半も手綱を緩めない。51分に山沢がPGを決め、65分にはモールを押し、途中出場のHO堀江翔太がインゴールへボールを運んだ。試合終了間際にS東京ベイに一本返されたが、危なげなく24-10、35-14と勝利した最終節に続き連勝をマーク。S東京ベイのデカくて強いFWをもってしても、埼玉WKの堅守は綻びを見せなかったのだ。

指揮官とキャプテンは勝因にモール対策を挙げた。
ロビー・ディーンズ監督「モールトライを取られるのは、FWにとってとても嫌なこと。この1週間、FWがプライドを持って取り組んでくれた」
坂手淳史主将「準備してきた。第16節でも大きな得点源になってしまったので、この1週間でしっかり準備してきた。だいたいいい形でディフェンスできたと思うが、ペナルティを取られたところは反省が必要」

山沢はゲームプランについて、竹山はトライシーンについてコメントした。
山沢「プレーオフなので、しっかり勝ちを取れたことがよかった。自分としてはプレーするエリア、エリアマネジメントをすごく意識してプレーした。全体的に敵陣でプレーできたことが自分にとってもチームにとってもいい流れに持っていけた」
竹山「僕の外にふたりいて、相手の10番(バーナード・フォーリー)がすごくこちら側を見ていたので、幅をキープしながら、しっかり駆け引きして、相手がパスを放るタイミングでインターセプト。自分の強みで理想通りのプレーができてうれしかった」

フィニッシャーであり、チームの精神的支柱である堀江はこう決勝へ思いを馳せた。
「国立は初めて。ああいう素晴らしいスタジアムでしっかり自分たちのやるべきことをやりたい。決勝戦でも、まだ自分たちが成長できるチャンスはあると思う。どれだけ最後まで成長できるかということにこだわってやっていきたい」

48時間前に発表された両軍の試合登録メンバーは以下の通り。
【東京SG】
1石原慎太郎、2北出卓也、3垣永真之介、4ツイ ヘンドリック、5小林航、6飯野晃司、7小澤直輝、8トム・サンダース、9流大、10田村煕、11テビタ・リー、12中村亮土、13サム・ケレビ、14尾崎晟也、15ダミアン・マッケンジー、16堀越康介、17森川由起乙、18セミセ・タラカイ、19辻雄康、20テビタ・タタフ、21齋藤直人、22中野将伍、23尾崎泰雅

【埼玉WK】
1稲垣啓太、2坂手淳史、3藤井大喜、4ジャック・コーネルセン、5ジョージ・クルーズ、6ベン・ガンター、7ラクラン・ボーシェー、8布巻峻介、9内田啓介、10山沢拓也、11マリカ・コロインベテ、12ハドレー・パークス、13ディラン・ライリー、14竹山晃暉、15野口竜司、16堀江翔太、17平野翔平、18ヴァル アサエリ愛、19長谷川崚太、20谷昌樹、21小山大輝、22ヴィンス・アソ、23セミシ・トゥポウ

果たして、初代チャンピオンに輝くのは東京SGか、埼玉WKか。東京SGが無策のまま埼玉WKに3連敗するとは考えにくいが、『トップリーグ』から32試合負けなしの埼玉WKが負ける姿も想像し難い。勝敗は予測不可能だが、これだけは言える。ファイナルにふさわしい好ゲームが展開されるはずだ。『NTTリーグワン プレーオフトーナメント』決勝・東京SG×埼玉WKは5月29日(日)・国立競技場にてキックオフ。チケット発売中。試合の模様は日テレ系にて生中継。

取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)

NTTジャパンラグビー リーグワン 2022 プレーオフトーナメントのチケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2207723

リポビタンDチャレンジカップ2022のチケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2208341

ジャパンラグビー リーグワン 特設ページ
https://t.pia.jp/pia/events/rugby-leagueone/

ジャパンラグビー リーグワン 2022 観戦ガイド
https://book.pia.co.jp/book/b597752.html

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