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実景以上に詩的な“歌枕”のイメージと日本美術との関わりを紐解く『歌枕 あなたの知らない心の風景』6月29日より開催

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《吉野龍田図》 六曲一双 江戸時代 17世紀 根津美術館蔵

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和歌に読み込まれる名所や旧跡を指す“歌枕”に焦点を当てた『歌枕 あなたの知らない心の風景』が、6月29日(水)よりサントリー美術館にて開催される。

古来、日本人にとって形のない感動や感情を表わす手段であった「和歌」。人々は自らの思いを移り変わる自然やさまざまな物事に託し、その心を歌に表わしていた。

繰り返し和歌に詠まれた土地には次第に特定のイメージが定着し、歌人の間で広く共有されていくようになる。このように和歌によって特定のイメージが結びつけられた土地、それが今日に言う「歌枕」だ。

こうして言わば日本人の心の風景となった歌枕は、その後美術とも深い関わりをもって展開していく。例えば、日本美術では、しばしば桜と楓を描く作品を古くからの名所である「吉野」と「龍田」を描いたものとして説明している。同様にすすきの生い茂る原野に月が沈む光景は「武蔵野」、川にかかる橋と柳・水車の組み合わせは「宇治」というように。

特定の場所を描いたにしては象徴的に思える表現も多いが、長らく日本の名所は目に見える実景以上に、和歌の詩的なイメージによって表わされる伝統があったのだ。

同展では、実景以上に詩的なイメージで描かれてきた名所絵や、歌枕の意匠で飾られたさまざまな工芸品、和歌がしたためられた平安時代の古筆、歌枕のイメージ世界を江戸時代の風俗に置き換えた浮世絵などを紹介。

現代を生きる私たちにとって“歌枕”のイメージに共感することはなかなか難しいことではあるが、かつては誰もが思い浮かべることのできた日本人の心の風景である歌枕の世界を紹介し、日本美術に込められたさまざまな思いを共有することを試みる。

過去と現在をつなぐ作品を通して“居ながらにして名所を知る”旅を楽しんでみたい。

重要文化財 《寸松庵色紙「ちはやふる」》 伝 紀貫之 平安時代 11世紀 京都国立博物館
《鏡山図》 伝 姉小路長隆画 伝 藤原家隆賛 鎌倉時代 13~14世紀 根津美術館
重要文化財 《奥之細道図》(部分) 与謝蕪村 安永7年(1778)京都国立博物館
《吉野山蒔絵棚》 江戸時代 19世紀 東京国立博物館

【開催概要】
『歌枕 あなたの知らない心の風景』
会期:2022年6月29日(水)~8月28日(日)
※会期中展示替えあり
会場:サントリー美術館
時間:10:00~18:00、金土および7月17日(日)、8月10日(水)は20:00まで(入館は閉館30分前まで)
休館日:火曜(8月23日は開館)
料金:一般1,500円、大高1,000円
美術館公式サイト:https://www.suntory.co.jp/SMA/

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