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初代王者は埼玉WK! 初代MVPは堀江!! リーグワン、歴史的1年目のシーズンが終了

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NTT ジャパンラグビー リーグワン 2022優勝を果たした埼玉パナソニックワイルドナイツ (c)JRLO

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初代チャンピオンを決めるにふさわしい緊迫感が張り詰めた戦いとなった。5月29日・国立競技場での『NTT ジャパンラグビー リーグワン 2022 プレーオフトーナメント』決勝・東京サントリーサンゴリアス×埼玉パナソニックワイルドナイツは徹底したキック合戦となった。ニュージーランド代表40キャップの世界的な名手ダミアン・マッケンジー擁する東京SGに対して、埼玉WKはSO山沢拓也、WTB竹山晃暉、FB野口竜司の3人が丁寧に蹴り返した。

マッケンジーと山沢、1本ずつPGを決めた後、ゲームが動いた。28分、10mライン過ぎの右サイドでのラインアウトからの2フェーズ目、SH内田啓介がひとり飛ばしのパスをCTBディラン・ライリーに送ると、ライリーはワンテンポ溜めて野口へ。ゲインラインを突破した野口から絶妙なパスを受けたオーストラリア代表42キャップのWTBマリカ・コロインペテが快足を飛ばしてトライ、CGも決めて10-3と埼玉WKが主導権を握った。4分後再びコロインペテがピック&ゴーで爆発的なスピードを見せ付けてインゴールを駆け抜けるも、こちらはTMOの結果ノートライに終わった。

SO山沢がPG2本を失敗し、一気に突き離せなかった埼玉WKだが、山沢がディフェンスでインパクトを放った。40分、マッケンジーが山沢、コロインペテ、FLラクラン・ボーシェーの3人の間を抜けて反撃のトライ獲得と思いきや、インゴール目前で山沢のタックルがノックオンを誘った。

後半、PG1本の埼玉WKに対して東京SGが3つのPGを決めて1点差に詰め寄ると、勝負に出る。70分、敵陣10mラインでペナルティを得ると、山沢はタッチキックを選択し、トライ狙いに出る。そして73分、山沢のパスを受けたライリーがWTBテビタ・リーのタックルを受けて1回転しながらも、しっかりグラウディング。山沢はCGを外したものの、ラストプレーでラグビー人生初のジャッカルを決めたのだった。

ノーサイド後、涙を見せた山沢はキックについて「1週間色々考えながら、ある程度見つけて、自分らしく蹴ろうとしたが、中途半端になってしまった」と反省したが、チームの強みであるディフェンスについては「どれだけアタックされても崩されないディフェンスが強み。最後までやり切れた」と胸を張った。

初代王座が誕生した興奮も冷めやらぬ翌日には、『NTT リーグワンアワード 2022』を実施。1年目の激闘を終えたばかりの指揮官、キャプテン、フィフティーンらが集結した。この日の主役となったのは埼玉WKのHO堀江翔太である。精神的支柱として、そしてフィニッシャーとして、埼玉WKの逆転勝ちの原動力となった36歳のベテランが初代MVPに輝いたのだ。

堀江は壇上で「こんなに素晴らしい選手がいる中、恐れ多く後ろを見られないが、非常にうれしく思う。感謝しなくてはいけない人がたくさんいるが、すべての人にお礼を言っていたら時間が足りない。別メニューでのコンディション調整を許してくれたチームに感謝したい。スターターの坂手(淳史)選手が一貫性を持っていいパフォーマンスをし続けたからこそ後半、僕のいいプレーにつながったと思う。2015年から診てくれている佐藤(義人)トレーナーが調子を上げてくれて感謝している。僕のラグビー人生、あと数年だと思うが、天井を見ずに自分を見つめて、日々成長していきたい」とスピーチした。

表彰式後、堀江はこのようにコメントした。
「『リーグワン』の1回目のMVP、『俺でいいんかい』と思ったが、うれしい。首をケガした時には夢にも思わなかったこと。ベストフィフティーンも久々なので、うれしい。36になってもこのような賞をもらえるとは。若い時、30半ばでフィジカル的にも技術的も落ちた選手を多く見ていたので」

堀江はチームと坂手主将に改めて感謝の念を述べた。
「坂手が一貫性のパフォーマンスを見せてくれたので、俺が出た時は相手も疲れて非常にやりやすい状況を用意してくれた。
チームも佐藤さんのコンディショニングメニューを許してくれた。そんなチーム、ないんじゃないですか。ウェイトもコンディショニングもチームのメニューはゼロ。佐藤さんのメニューをやっていた」

40歳まで現役を続けたい理由には、トレーナーへの恩返しでもあると明かした。
「首をやった後、2015年に佐藤さんに診てもらって『40までやりたい』と伝えたら、『できる』と。そこから毎週メニューが送られてくる。2日の休みはない。それ以上休むと体を取り戻せなくなる。長く現役をやりたいのは、佐藤さんのやっていることのすごさを伝えたいから。高い強度で長くやればやるほど、佐藤さんのやり方が正解だとわかりやすく伝わると思う」

堀江は『ラグビーワールドカップ2019』以来の復帰となる日本代表への思いも口にした。
「(日本代表でも別メニュー化について)それは要相談ですね。『RWC』は常に出られる状況を作っておいて、選ぶのはジェイミー(・ジョセフHC)。『RWC』はどの選手も立ちたい舞台。ベスト8に入れればと思うし、それ以上いきたい」

『NTT リーグワンアワード 2022』の主な個人賞の受賞者は以下の通り。
【MVP】堀江翔太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)
【新人賞】根塚洸雅(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)
【得点王】ダミアン・マッケンジー(東京サントリーサンゴリアス)
【最多トライゲッター】ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)
山下楽平(コベルコ神戸スティーラーズ)

【ベストフィフティーン】PR1稲垣啓太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)
HO堀江翔太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)
PR3オペティ・ヘル(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)
LOジェイコブ・ピアス(東芝ブレイブルーパス東京)
ジョージ・クルーズ(埼玉パナソニックワイルドナイツ)
FLコーバス・ファンダイク(横浜キヤノンイーグルス)
マット・トッド(東芝ブレイブルーパス東京)
NO.8クワッガ・スミス(静岡ブルーレヴズ)
SH小川高廣(東芝ブレイブルーパス東京)
SOアイザック・ルーカス(リコーブラックラムズ東京)
WTBマリカ・コロインベテ(埼玉パナソニックワイルドナイツ)
根塚洸雅(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)
CTBディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)
サム・ケレビ(東京サントリーサンゴリアス)
FBダミアン・マッケンジー(東京サントリーサンゴリアス)

ベストフィフティーン受賞者の喜びの声を紹介したい。
PR1稲垣「チームスポーツでありながらこのような個人賞いただけるのは大変光栄であり、うれしく思う。来季の準備はすぐ始まる、これからもまた精進していきたい」

HO堀江「36になっても成長できるようしっかりやっていきたい。30の時よりも体は動けている。今は決勝が終わった後で立っているのもしんどいけど(笑)」

PR3ヘル「スピアーズでやってきたこと、みんなで努力した結果なので感謝している。チームのサポートがある中、自分も少しだけだがチームに貢献できてうれしく思う」

LOピアス「東芝のチーム、コーチングスタッフ、仲間のハードワークに感謝したい。今年はコロナ禍で一緒に過ごす時間が多く、絆が強まった印象的なシーズンとなった」

LOクルーズ「ロビー(・ディーンズ監督)、坂手キャプテンに素晴らしい経験をさせてもらい感謝している。自分のキャリアを終える時にトロフィーを掲げられる選手はなかなかいない。そういう意味でも感謝している。そしてここにはいないが、ワイルドナイツの重要な人物であるヒーナン ダニエルにも感謝したい」

FLファンダイク「とてもいいリーグ1年目になった。来年はもっともっと強いチームになって戻って来たい。期待していてほしい」

FLトッド「素晴らしいプレーをした選手たちの中に囲まれてうれしく思う。東芝、チームの仲間のハードワークに感謝するとともに次のシーズンを楽しみにしている」

NO.8スミス「私にとって最高の栄誉。素晴らしいプレーをした選手全員に敬意を表したい。来季も素晴らしいシーズンにしましょう」

SH小川「今チームとしていいラグビーができているので、来季はもっといいラグビーができるようがんばっていきたい。またここに戻ってこられるよう努力したい」

SOルーカス「このメンバーの中に自分が入ることができてうれしく思う。チームは非常にタフなシーズンを過ごし、学ぶことがたくさんあった。そういう意味では素晴らしいシーズンだと言える」

WTBコロインベテ「チームにこの機会をいただき、スタッフにサポートしていただき、ワイルドナイツに感謝している。この一員でいられて光栄に思う」

WTB根塚「この15人の中に選んでいただき、本当にうれしく、光栄に思う。今季は本当に楽しいシーズンとなった。ありがとうございました」

CTBライリー「他の人も言っているが、この場に立てるのはみんなのサポートがあってこそ。スタッフ、チームメイト、ファンのみなさんに感謝したい」

CTBケレビ「こういう選手たちと同じステージに立てて光栄に思う。サンゴリアスのスタッフ、チームメイトに感謝したいし、みんなの努力を称えたい」

FBマッケンジー「この賞に選ばれた選手たち全員におめでとうと言いたい。自分がこのような楽しいシーズンを送れたことを、チームメイトに感謝したい。日本のラグビーはどんどん進化している。その一部を担うことができてうれしく思う」

その他の『NTT リーグワンアワード 2022』受賞者一覧は次の通り。
◆チーム表彰
【ディビジョン 1(D1)優勝】埼玉パナソニックワイルドナイツ
【ディビジョン 1(D1)2位】東京サントリーサンゴリアス
【ディビジョン 1(D1)3位】クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
【ディビジョン 1(D1)4位】東芝ブレイブルーパス東京
【ディビジョン 2(D2)優勝】花園近鉄ライナーズ
【ディビジョン 3(D3)優勝】豊田自動織機シャトルズ愛知
【フェアプレーチーム賞(D1)】埼玉パナソニックワイルドナイツ
【フェアプレーチーム賞(D2)】三菱重工相模原ダイナボアーズ
【フェアプレーチーム賞(D3)】豊田自動織機シャトルズ愛知
【社会貢献賞】NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安

◆個人表彰
【ベストラインブレイカー】根塚洸雅(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)
【ベストタックラー】小澤直輝(東京サントリーサンゴリアス)
【優勝ヘッドコーチ賞(D1) 】ロビー・ディーンズ(埼玉パナソニックワイルドナイツ)
【優勝ヘッドコーチ賞(D2) 】水間良武(花園近鉄ライナーズ)
【優勝ヘッドコーチ賞(D3) 】徳野洋一(豊田自動織機シャトルズ愛知)
【ベストホイッスル賞】久保修平

【プレーヤー・オブ・ザ・シーズン(D1)】堀江翔太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)
【プレーヤー・オブ・ザ・シーズン(D2)】クウェイド・クーパー(花園近鉄ライナーズ)
【プレーヤー・オブ・ザ・シーズン(D3)】パディー・ライアン(宗像サニックスブルース)
【ゴールデンショルダー(D1)】山本凱(東京サントリーサンゴリアス)
【ゴールデンショルダー(D2)】野中翔平(花園近鉄ライナーズ)
マイケル・リトル(三菱重工相模原ダイナボアーズ)
【ゴールデンショルダー(D3)】森山皓太(中国電力レッドレグリオンズ)

『NTTリーグワン2022』の激闘の幕は閉じたが、すぐさま代表の戦いが待っている。束の間の休息の後、桜のジャージに着替えるのだ。6月11日(土)・秩父宮ラグビー場での『ジャパンラグビーチャリティーマッチ2022』EMERGING BLOSSOMS×TONGA SAMURAI XV、6月18日(土)・秩父宮ラグビー場、6月25日(土)・ミクニワールドスタジアム北九州での『リポビタンDチャレンジカップ2022』日本代表×ウルグアイ代表、7月2日(土)・豊田スタジアム、9日(土)・国立競技場での『リポビタンDチャレンジカップ2022』日本代表×フランス代表がラインナップ。

TONGA SAMURAI XV戦とウルグアイ戦のチケットは発売中。フランス戦のチケットは6月1日(水)午前10時~2日(木)午後11時59分まで先行抽選プレリザーブ。6月11日(土)午前10時より一般発売。

取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)

リポビタンDチャレンジカップ2022のチケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2208341

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