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若月佑美 舞台『薔薇王の葬列』は今年一番の挑戦

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インタビュー

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若月佑美 撮影:杉映貴子

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現在連続2クール放送中のTVアニメを原作とした、作品初の舞台『薔薇王の葬列』が2022年6月10日(金) ~19日(日)、東京・日本青年館ホールにて上演される。シェイクスピアの史劇で描かれた、狡猾で残忍というイメージで知られるリチャード三世を、男女ふたつの性を持って生まれたことを秘密に抱える存在として翻案したダークファンタジーだ。本作で、有馬爽人と男女Wキャストでリチャード役を演じる女優の若月佑美に作品への想いを聞いた。

原作ファンだったからこその喜びと不安

――公演日がいよいよ迫ってきましたが、改めて本作の主人公・リチャード役に決まった時のお気持ちを聞かせてください。

コミックスをもともと読んでいた身としては、リチャードの苦悩や葛藤を知っていただけに、それを自分が表現出来るのだろうかという不安はありました。とても重い役柄でもあるので、リチャード役のお話をいただいた時は嬉しさ半分、心配と緊張が半分という感じでした。

――コミックスはどんなきっかけでお読みになったのですか?

私は漫画が大好きなのですが、知り合いの方にオススメを聞いた時に『薔薇王の葬列』を教えていただきました。表紙の絵を見た時に「なんて綺麗な絵なんだろう」と思って。私は普段から漫画をジャケ買いすることも多いので、手にとって読んでみたらハマりました。菅野文さんの絵が、女性でも男性でも誰を描いても美しくて素敵です。

――先ほど、大きな不安があったとおっしゃっていましたが、その不安はどの様に解消しましたか?

リチャードは、色々な人に影響を与える人でありつつ、周りから影響を受ける人でもあるので、私も共演者の皆さんに教えていただきながら身を委ねようと思いました。キャストのお名前を見た時にベテランの方も、2.5次元舞台を熟知されている方もいらっしゃったので、私はリチャードとして生きて、「影響をもらったものを、舞台でも出していく」くらいの気持ちでいこうと。今は稽古で、リチャードとして生きるための準備をしている感じです。

――演じる、というよりも役を生きるという心構えなのですね。

リチャードも身ひとつで何かをしようとする人で、実践経験が無いのに戦場に行こうとするだとか、無茶な所があったりするので、良い意味で影響をもらっています。

――本作は男女ダブルキャストという所も特徴的です。

以前、舞台『嫌われ松子の一生』でダブルキャストをやらせていただいたことがあるのですが、お互いが持っている人間性が全く違うので、「やりやすいシーン」「やりにくいシーン」が出てきてしまうんですよね。動きというよりも感情として、「私はこの言葉を言われた時に悲しくなる」。でももうひとりの方は「怒りたくなる」。同じセリフで同じ動きをしても、こうして違う部分があるのがダブルキャストなのか、面白いな!と思いました。今回はさらに男女ということで、絶対に同じ感情にはならないという部分が面白いですし、恋愛で関わっていく人物もアンやヘンリーと、男女が変わっていく部分も本作ならではだなと思います。観てくださる方にもそこを楽しみにしていただきたいです。

――リチャードは男女2つの性を持つという設定もありますから、若月さんと有馬さんが同じ役を演じることで、より作品への深みが増すのかなということも感じました。

まだまだ稽古が始まったばかりで(※取材時)、これから詰めていかないといけない部分もあるのですが、そういったリチャードの難しくも魅力的な部分を伝えていきたいです。

――キャストの皆さんとはどの様な交流をしていますか?

人見知りな所もあるので、最初はすごく緊張していました。自分からどんどん話しかけるということが出来なかったのですが、皆さんがとても優しく「仲良くなりたい」と言ってくださったので。まず、お互いの名前の呼び方を決めたり、ありがたいことに交流をさせていただいています。

皆さんがリチャードに対して想いを持ってくださっているので、特にお兄さん・お姉さん的なキャラクターであるエドワード、ケイツビー、アン役の、君沢さん、加藤さん、星波さんには役とシンクロしながら、たくさんの事を教わっています。

漫画ともアニメとも違う舞台の魅力 新しい楽しみ方も

――漫画もアニメも魅力的な作品ですが、舞台になったからこその魅力というのは、どんな所に感じられていますか?

『薔薇王の葬列』という作品は、リチャードを真ん中にして、リチャードへの想いが取り巻いていくお話です。漫画やアニメだとどうしても、コマやシーンが分かれているので、「リチャードのシーンは、「リチャードに寄る」という演出になると思います。舞台だとリチャードの奥にいる登場人物たちも一緒に観ることが出来るので、そこも大きな魅力だなと思います。例えば、リチャードがセリフを言っているけれど後ろにいるケイツビーの表情も一緒に観ることが出来る……という感じです。そこが強みだなと思うので、ぜひ注目していただきたいです。

――おっしゃる通り、登場人物を一度に自分の目で見ることが出来るのは贅沢ですよね。

公演自体も一度きりではないので、「今日はこのキャラクターを中心的に追ってみよう」という楽しみ方があっても良いなと思います。

――それは素敵な楽しみ方ですね。セットなど、舞台ならではの部分も楽しみです。

『薔薇王の葬列』という作品自体が、面白い構造なんですよね。もともと演劇であった「ヘンリー六世」「リチャード三世」というものを原案に漫画が描かれ、それがアニメになって、こうしてもう一度演劇に戻ってくるという。そこがすごく面白いループだなと感じていて、漫画ともアニメとも違う演出が舞台にはあります。セリフも少し変わっている部分があって、三次元になってさらにリアルに感じられる部分もあると思うので。原作をとてもリスペクトしている舞台なので、もちろん沿った内容がほとんどなのですが、そんな違いすら楽しんでいただけたらなと思っています。

あとは、漫画やアニメだとモノローグになっている「心の声」の部分。演劇では本人として話すので、モノローグや背景の文字として読んでいた部分がセリフになるとどう感じ方が変わるのか、そこが私自身もすごく楽しみです。

――まだ稽古中ではありますが、本作への参加でどの様なことを学んでいますか?

殺陣は、私と有馬くんだけが初心者で皆さんご経験があるので、相手役をしていただく時に「こっちにはらうから、こっちに逃げた方が良いよ」とか動きを教えてくださります。まだ本格的な立ち稽古の前なのですが、「俺がここにいた方が、リチャードは感情をこめてセリフを言いやすいよね」とか、すごく引っ張ってくださるんですよね。自分の中で「これどうやって言おうかな?」と悩んで解決出来ていなかった部分が、急激に分かってくるというか。本当にありがたいです。

――体力作りなども行ったのでしょうか。

自宅で行う体幹を鍛えるトレーニングを、1カ月前からはじめました。リチャードも「腕を太くしたい」とこっそりトレーニングをしている様なシーンがあったので、私も……という感じで。YouTubeを観ながら、お風呂上がりにストレッチを含めて20分トレーニングをしています。実際に、殺陣やアクションよりも発声の方が楽になりました。体幹トレーニングを行うことでお腹のインナーマッスルが鍛えられて、自然に腹式の発声が出来る様になって、それはとても良かったなと思っています。

舞台は映像と違って、自分の目の前に声を落とすだけではお客様に届かなかったりするので。距離的には近い人と話してはいるのですが、リアルな声の音量すぎても、そのやりとりを見ている観客の方には伝わらないかな、と。

――衣装も楽しみですが、男性らしい所作というのも大変だったのではないでしょうか?

マントがどの様につくのかな、とか細かな部分がどうなるのかすごく楽しみにしています。はやく衣装を着た状態で動きをつけてみたいです。男性らしい仕草というのも難しくて。私は普段「女性として生きよう」と思っているわけではないのに、無意識に仕草が女性らしくなっていることが多くて。殺陣で内股になってしまう……とか。動画で観返していると気になるので、逆に大変な姿勢でやってみたり、そういった所から男性らしさが出せればと思っております。

――色々な面で、全力で舞台に挑まれているのですね。

映像は瞬発力であったり、「答えを一つ絶対に決めないといけない」という所が特徴だと思います。撮影日にスタッフさんとキャストで話あって、同じベクトルでものづくりをしていくことが必要になるので。それが舞台だと、稽古で「今日は怒る感情で」「今日は悲しい感情でいきましょう」と試していける所が、すごく魅力だなと思っています。舞台に立ちながら表現を模索していける事がとっても面白いです。

――今後も舞台への挑戦は?

もちろんチャンスがあれば挑戦していきたいのですが、もっとしっかり勉強していかないとダメだな、と今は思っています。場数を踏む事も大切だなと思いつつ、今回先輩方とご一緒させていただいて、動きの付け方がすごく速いんですよね。「このセリフの時は、こちらを向いた方がより効果的」という様な事を瞬時に考えて動いていらっしゃる、もう身に染みついているんですよね。私はまだ指示をいただいたり、相談してからという感じなので。もっと勉強して、機会があればありがたいなと思っています。

若月佑美がリフレッシュ出来る2つのこと

――稽古や慣れない殺陣の練習に、その他のお仕事もあってお忙しいと思うのですが、リフレッシュ出来る瞬間はどんな時ですか?

私は本当に漫画を読むことが好きなので、フラッと本屋さんに行って新しい漫画を買うことです。

――どんな漫画をよく読みますか?

昔は少女漫画が好きで、姉がいるので『NANA』や『ご近所物語』などをよく読んでいました。今は『キングダム』や『ゴールデンカムイ』といった青年漫画をよく読みます。ハッピーな終わり方ではないダークなものも好きです。『薔薇王の葬列』もそうなのですが、主人公にしがらみがあったり、苦悩していたりする作品にも惹かれます。

――いつか若月さんの漫画トークをじっくりお聞きしたいです!

ぜひ。止まらないと思います(笑)。あとは、年を重ねるごとに美味しいものを食べることが幸せになってきました。昔は友達と遊びに出かける時に「あれやりたい!」という候補が色々あったのですが、コロナ禍になってさらに美味しい食べ物の大切さを実感しています。リフレッシュの日は自分の好きなものをひたすら食べる時間を作っています。「この日は焼肉だな!」とか(笑)。

――普段はセーブをされていますか?

特に強く気をつけているわけではないのですが、稽古の内容によって考えないといけない事も多いですね。殺陣の稽古の前は脂っこいものは控えようとか。稽古場に入っちゃうと時間をかけずにサッとご飯を食べないといけないことが多いので、だからこそ美味しいものを食べる時間を本当に楽しみにしています。

――最近食べて一番美味しかったものは何ですか?

しらすです!静岡出身なのですが、先日兄が漁港でとれたばかりのしらすを急速冷凍したものを送ってくれて、本当に美味しいですね。止まらなかったです。

――今年も半年が過ぎようとしていますが、やっておきたいこと、挑戦したいことはありますか?

舞台『薔薇王の葬列』は、去年オファーをいただいて、今年一番の自分の挑戦だと思っています。殺陣もあり、出番も多く、複雑な役柄なので、色々な苦しさを体験するだろうなと思いました。それが良いなと思って受けさせていただいたので。この舞台を終えた後に「どんなものが来ても怖く無い」という精神を持てる様になりたいなと思っています。

――最後に舞台を楽しみにしている方にメッセージをお願いいたします。

男女ダブルキャストということで、回によって異なるリチャードを楽しんでいただけると思います。作品が気に入ったら、ぜひ、若月を観て、有馬くんを観て、若月を観て……と何回も楽しんでいただけたら嬉しいです。シェイクスピアがベースになっている作品ですが、難しいお話ではないので、身構えずに劇場に遊びに来て、たっぷり世界観に浸ってください。

――今日は素敵なお話をどうもありがとうございました!

取材・文=中村梢
撮影=杉映貴子

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チケット情報はこちら:
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<公演情報>
舞台『薔薇王の葬列』

2022年6月10日(金) ~19日(日) 日本青年館ホールにて上演

公式HP:
https://officeendless.com/sp/baraou_stage/

公式Twitter:
https://twitter.com/baraou_stage

<アニメ情報>
TVアニメ『薔薇王の葬列』

TOKYO MXほかにて放送&配信中
Blu-rayシリーズ好評発売中

公式HP:
https://baraou-anime.com/

公式Twitter:
https://twitter.com/baraou_anime

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