Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > 写真表現に込められた“生きることの意味”を探る『TOPコレクション メメント・モリと写真』6月17日より開催

写真表現に込められた“生きることの意味”を探る『TOPコレクション メメント・モリと写真』6月17日より開催

アート

ニュース

ぴあ

マリオ・ジャコメッリ 〈やがて死がやってきてあなたをねらう〉より 1954-1968年頃 東京都写真美術館蔵 Courtesy Archivio Mario Giacomelli (C) Rita e Simone Giacomelli

続きを読む

フォトギャラリー(5件)

すべて見る

東京都写真美術館の約36,000点におよぶ収蔵作品のなかから、珠玉の名品を紹介するTOPコレクション展。6月17日(金)から開催される『TOPコレクション メメント・モリと写真—死は何を照らし出すのか』では、ラテン語で“死を想え”を意味する「メメント・モリ」をテーマに約150点を公開する。

「メメント・モリ」は、キリスト教世界において、人々の日常がいつも死と隣りあわせにある、ということを示す警句だった。この言葉は、ペストが大流行した14~17世紀において、骸骨と人間が踊る様子を描いた「死の舞踏」と呼ばれるイメージと結びつき、絵画や音楽など芸術作品の題材として広く伝播していった。
その背景には、伝染病、戦争、飢餓といった困難の多い時代に、死を身近に感じ生きていた人々が、自分もやがては死すべき運命であることを自覚することにより、生きることに積極的な意味を見いだそうとした様子をうかがい知ることができる。

時間や記憶、人間の想いを1枚のイメージに定着させる「写真」もまた、死を想起させるメディアであることが数多くの写真論のなかで言及されてきた。同展では、19 世紀から現代までの写真表現を通して、人々がどのように死と向き合いながらも、逞しく生きてきたかを探っていく。

フォト・ジャーナリズムに代表されるW. ユージン・スミスやロバート・キャパ、澤田教一をはじめ、近代化により変わりゆくパリの街並みを記録したウジェーヌ・アジェ、ホスピスで暮らす人々を見つめたマリオ・ジャコメッリら、誰もが知る有名作品から知られざる逸品までを紹介し、「メメント・モリ」を多角的に考察。また、いまから約500年前に制作された「死」のイメージとして名高い、ハンス・ホルバイン(子)の版画作品『死の像』もあわせて展示される。

写真表現に通底する「メメント・モリ」に、私たちが混沌とした現代を積極的に生きるためのヒントが隠されているかもしれない。

ハンス・ホルバイン(子)『死の像』より 《金持》 (試し刷り) 1523-26年頃 国立西洋美術館蔵
藤原新也《死のとき、闇にさまようか光に満ちるか心がそれを選びとる》〈メメント・モリ〉より 1972年 東京都写真美術館蔵 (C)Shinya Fujiwara
ロバート・キャパ《フラーガ アラゴン前線、スペイン 1938年11月7日》1938年 東京都写真美術館蔵
ヨゼフ・スデック《身廊と下側の眺め、聖ヴィート大聖堂の新しい部分の南側》〈聖ヴィトゥス〉より 1928年 東京都写真美術館蔵

【開催概要】
『TOPコレクション メメント・モリと写真—死は何を照らし出すのか』
会期:2022年6月17日(金)~9月25日(日)
会場:東京都写真美術館2階展示室
時間:10:00~18:00、木金は20:00まで(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜(祝休日の場合は開館翌平日休)
料金:一般 700円/大学560円/高中・65歳以上350円
美術館公式サイト: https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4278.html

フォトギャラリー(5件)

すべて見る