第24回亀倉雄策賞受賞記念 大貫卓也展『ヒロシマ・アピールズ』7月12日より開催 「平和な未来に向けてコミュニケーションは不可欠」
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すべて見る株式会社リクルートホールディングスが運営するギャラリー・クリエイションギャラリーG8にて、2022年7月12日(火)~8月20日(土)の期間、第24回亀倉雄策賞受賞記念 大貫卓也展『ヒロシマ・アピールズ』が開催されることが決定した。
1997年に急逝したグラフィックデザイナー亀倉雄策の生前の業績をたたえ、グラフィックデザインの発展に寄与することを目的として、1999年に設立された亀倉雄策賞。本賞の運営と選考は公益社団法人日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)が行い、毎年、年鑑『Graphic Design in Japan』出品作品の中から、最も優れた作品とその制作者に対して贈られる。
第24回は、大貫卓也の平和希求キャンペーンポスターおよび関連制作物「HIROSHIMA APPEALS 2021」に決定。大貫は、博報堂でアートディレクターを務めた後、1993年に独立し、大貫デザインを設立。批評的な視点で物事の本質や課題を捉え、ビジュアル表現で社会への提案を行ってきた大貫は、これまでに日清食品カップヌードル、ラフォーレ原宿、新潮文庫Yonda?、資生堂TSUBAKI、SoftBankなど数々のブランドコミュニケーションを手がけている。
ペプシコーラPepsimanのボトルキャップをはじめ、結果を出すことに首尾一貫し、既存の表現に倣わない新たなブランドコミュニケーションを展開する大貫には解にたどり着くまでの膨大な量の思考と試行が。結果を追求する姿勢、課題解決のための革新的なアイデア、細部のニュアンスまで追求したビジュアルなどにより、常に時代を切り拓くブランドコミュニケーションを生み出してきた。
今回の受賞作品は、平和を希求するキャンペーン「HIROSHIMA APPEALS」の2021年版ポスターとその関連制作物。1枚のポスターとして完結しながら、さらにAR技術により、黒い雪の中から白い鳩があらわれる映像をスマートフォンで見ることもできる。選考委員からは「黒いスノードームの怖さと白い鳩の美しさの対比が鮮やかでメッセージが強い」「鳩の立体造形をはじめ、徹底して作り込まれた完成度が見事」「長い歴史を持つキャンペーンにおいて、新しい技術も起用し、原爆の記憶を次世代に何としても伝えようとする作者の意志を感じる」と高く評価された。
<大貫卓也 コメント>
亀倉さんとの最初の出会いは、新宿駅前ビルの1階ホールでした。ホールには巨大な東京オリンピックポスターの全種類が貼りめぐらされていました。黒バックの重厚な写真に鮮烈な日の丸マーク。鉄人28号に夢中で、オリンピックなんて興味のなかった幼稚園児の自分がしばらく釘付けになった時間を、映画『三丁目の夕日』のシーンのように覚えています。
ヒロシマ・アピールズは、そんな大先輩でもある亀倉さんと時間を越えて競作できる最上級の舞台でした。「絶対、亀倉雄策ポスターを超えてやる!」そんな20代のようなギラギラした気持ちを久しぶりに思い出しました。更にデザイナーが世の中に対してできることを改めて考えさせてくれる機会でもありました。
亀倉雄策賞受賞が発表されてから2週間後の2022年2月24日、ロシアがウクライナ侵攻という暴挙を開始しました。未来の風景は未だに予測できません。自分のできることをするしかないのですが、平和な未来に向けてコミュニケーションは不可欠であることを再認識し、表現活動を続けていく思いです。
大貫卓也
【展示詳細】
第24回亀倉雄策賞受賞記念 大貫卓也展「ヒロシマ・アピールズ」
会期:2022年7月12日(火)~8月20日(土) 11:00~19:00 日曜・祝日・8月10日(水)~8月14日(日)は休館 入場無料
会場:クリエイションギャラリーG8
※ご来場時のお願い:入口での体温測定、手指消毒、マスクの着用、ご来場者同士の社会的距離2mの確保にご協力をお願いいたします。37.5℃以上の発熱、咳・咽頭痛、全身倦怠感などの症状がある方は来場をお控えください。お越しいただくまでの移動の際も感染予防に努めていただきますよう、ご協力をよろしくお願いいたします。
トークショー:日時、ゲスト等、詳細が決まり次第、 ギャラリーウェブサイトにてご案内いたします。
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