石井隆が75歳で死去、「天使のはらわた」「ヌードの夜」「GONIN」など手がける
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石井隆
映画監督、劇画家の石井隆が5月22日に死去していたことを制作プロダクションのファムファタルが発表した。75歳だった。
石井は癌による闘病生活の末、自宅にて永眠。葬儀は故人の遺志により近親者のみで行われた。喪主はファムファタルの阿知波孝と鈴木隆之。
1946年生まれ、宮城県出身の石井は1977年にマンガ「天使のはらわた」を発表。同作は当時の学生や評論家たちの支持を集め、翌年には日活ロマンポルノで実写映画化された。1979年の2作目「天使のはらわた 赤い教室」では脚本家デビュー。同シリーズはロマンポルノを代表する看板作品として知られ、以降も劇画家として活躍するかたわら多数のシナリオを手がけた。1985年には「天使のはらわた」と同じ名美という名の女性を主人公にした相米慎二「ラブホテル」の脚本を執筆。同作で石井はヨコハマ映画祭やおおさか映画祭の脚本賞を受賞した。「天使のはらわた 赤い淫画」の監督・池田敏春とは、「魔性の香り」「夜に頬よせ 過去を抱いた女」などでもタッグを組み、中でもスプラッターホラー「死霊の罠」はカルト的な人気を誇る。
1988年には竹中直人が主演を務めた「天使のはらわた 赤い眩暈」で映画監督デビュー。初めての一般映画となった1992年の「死んでもいい」をはじめ、「ヌードの夜」「夜がまた来る」と続く名美を描いた一連の作品は国内外で高く評価された。大竹しのぶ、余貴美子、夏川結衣がそれぞれ名美を演じている。初のメジャー配給作品となった「GONIN」は、佐藤浩市、本木雅弘、竹中直人、根津甚八、椎名桔平、ビートたけしらを迎えたオールスターアクション映画。そのほか主な監督作品に「花と蛇」「フィギュアなあなた」「甘い鞭」など。19年ぶりの続編となった2015年公開「GONIN サーガ」が監督としての遺作となった。