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「流浪の月」松坂桃李がファンの着眼点に感心、李相日は「桃李くんの到達点」と称賛

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「流浪の月」ティーチインイベントの様子。左から李相日、松坂桃李。

「流浪の月」のティーチインイベントが本日6月12日に東京のユナイテッド・シネマ豊洲で行われ、キャストの松坂桃李、監督の李相日が登壇した。

凪良ゆうの同名小説をもとにした本作では、誘拐事件の被害者として名を知られるようになった女児と加害者とされた青年が15年後に再会するさまが描かれる。広瀬すずが子供の頃に公園で出会った大学生のもとで2カ月を過ごした家内更紗、松坂が更紗を部屋に招き入れた佐伯文を演じた。

イベントはMCを立てない2人だけのクロストークで進行。李が「2回、3回、または5回以上観た方はいますか?」と客席に投げかけると、2回以上観たファンが多くいることに松坂は「おー! ありがとうございます!」とリアクションする。

観客の「文は普段右手でコーヒーを淹れますが、更紗に淹れてあげるときは左手でやっていた」という声に、松坂は「すごい! よく観てますね!」と感心していた。続けて、「左利きなのですが、左右を替えたのは特に意味はなかった気がします。一連の動きの中でスイッチングしたんだと思います」と述懐すると、観客から「松坂さんが普段左利きということは、更紗の前では自然体になっていたのかなと思いました」と分析が。松坂は「そういうことですね! 松坂桃李がちょっと顔を出したのかもしれません」と笑みをこぼした。

また「8回観た」と言う松坂のファンから「文は少年院を出てから、離れで彫刻をしていましたが、なぜ彫刻を描写として入れたのか」と質問があった。李は「狭い天窓から見えたのは空と雲と鳥だったという裏設定があります。文は部屋に閉じ込められていますが、鳥は自由に空を飛んでいる。文の“外に飛び出したい”という思いがあの彫刻に込められています」とコメント。松坂は「鳥は文にとっても更紗にとっても“自由の象徴”だったんじゃないかと思います。いい質問をありがとうございます!」と述べる。

一方で本作を15回鑑賞したと言う観客からは、文の部屋に貼ってある紙について質問があった。「文がある紙を指でなぞるシーンがありますが、それは更紗が描いた紙なのではないかと想像しています」と声があると、松坂は着眼点に感心しつつも「この場で詳らかにするのもあまりよくない気がしてきました(笑)」とこぼす。李は「貼ってある紙の一部について話すと、ポー(エドガー・アラン・ポー)の詩の英訳やちょっとした絵、桃李くんが実際に描いたものがあります」と明かした。

最後に李は「松坂桃李くんの今の到達点だと思っています! 次の到達点も楽しみです。彼にしか文という役はできなかった。本当にありがとう!」と松坂に称賛の言葉を送る。松坂は「皆様の中に、この作品の登場人物の思いがいろいろな形で伝わっているといいなと思います。最後までこの作品を見守ってあげてください」とメッセージを送った。

「流浪の月」は全国で公開中。

(c)2022「流浪の月」製作委員会