SCANDAL、自信作「MIRROR」携えたワールドツアー国内公演完走「みんなのことを手放したくない」
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SCANDAL「SCANDAL WORLD TOUR 2022 "MIRROR"」中野サンプラザホール公演の様子。(撮影:ヤオタケシ)
SCANDALのワールドツアー「SCANDAL WORLD TOUR 2022 "MIRROR"」日本公演が、6月11日に東京・中野サンプラザホールにてファイナルを迎えた。
1月に発表したアルバム「MIRROR」を携え、3月に神奈川・厚木市文化会館 大ホールにて開幕した「SCANDAL WORLD TOUR 2022 "MIRROR"」。国内公演は「MIRROR」の世界観を視覚的にも演出すべく、やわらかな雰囲気の豪華なセットやピンクベージュの衣装などメンバーのアイデアをふんだんに盛り込んで行われた。
開演時刻になるとステージを覆う紗幕に映像が映し出され、ミラーボールが反射する光が会場を駆け巡る中で4人が登場。クラッシュシンバルのカウントが鳴ると同時に紗幕が振り落とされ、シルバーのローブに身を包んだSCANDALが「MIRROR」の演奏を始めた。たくましいバンドサウンドと分厚いコーラスワークで観客を圧倒し、ローブを脱いだ彼女たちはHARUNA(Vo, G)の「騒げ! 東京!」の声を合図に「Flashback No.5」「EVERYBODY SAY YEAH!」を2曲連続で披露。クラップが巻き起こる中で、RINA(Dr, Vo)はパワフルなビートを刻み、MAMI(G, Vo)はノイジーなギターサウンドを鳴らす。TOMOMI(B, Vo)も楽しげにステップを踏みながら骨太なベースラインを奏で、オーディエンスはそれに応えるように手を掲げ、その場で高く飛び跳ねた。
冒頭3曲の観客の熱狂を受け、HARUNAは「今日はめちゃくちゃ熱い夜になりそうですね」と手応えを感じた様子。MCを早々に切り上げると、HARUNAが作詞と作曲を手がけた「MIRROR」の収録曲「夕暮れ、溶ける」を、ディストーションギターの効いたアレンジで届けた。続いて披露されたのは「MIRROR」より、RINAが作詞作曲を担当した「彼女はWave」。ダンサブルなビートとノイジーなギターサウンドが印象的なこの曲はアルバムの中でも異質な雰囲気を持った1曲で、RINAの抑制の効いたクールなボーカルがホールを静かに熱くさせた。最新アルバムの楽曲を経て披露されたのは、カオティックな構成と歌詞、トリッキーなサウンドが魅力の「STANDARD」、SCANDAL屈指のライブアンセム「テイクミーアウト」。新旧楽曲をバランスよく織り交ぜ、SCANDALの楽曲の幅広さを強く印象付けたブロックだった。
「MIRROR」はSCANDALが4人のパーソナルを色濃く反映させた自信作。HARUNAはアルバムに込めた4人の思いが強いからこそ、リリースツアーにあたる本ツアーの演出面もこだわり抜いたことを明かし、「自分たちが思い描いたビジョンに間違いはなかったと思えました。4人でこの内容を考えついて、たくさんの本数を回って来れたから、まだまだSCANDALには可能性があると思えたツアーだった。ものすごく意味のあるツアーを回れています」と国内ツアーを終える今の思いを述べる。そして「やりたいことをやったツアーに付いてきてくれるみんなことを思うと、絶対にみんなのことを手放したくないと思う。絶対にみんなのことを幸せにする! 今日だけじゃなくてこれからもSCANDALが続く限りずっとみんなのことを守っていく気持ちでこれからも音楽をやっていきたい」とファンへのメッセージも伝えた。
バンドは「MIRROR」よりTOMOMIが作詞作曲し、ボーカルも担当する、深い愛を歌ったナンバー「愛の正体」で演奏を再開。続いてMAMIがアコースティックギターを弾きながら歌う「アイボリー」で会場を温かな雰囲気で包み込んだ。「MIRROR」の中でもっともエモーショナルなナンバー「蒼の鳴る夜の隙間で」では、星空のようなライトの下でHARUNAの切ない歌声が響く。いなくなってしまった人へ思いを馳せる「蒼の鳴る夜の隙間で」から、別れから一歩踏み出すポジティブなナンバー「HARUKAZE」へとつなげると、会場にはより一層力強いクラップが響いた。
リアルな恋愛感情を描いた「愛にならなかったのさ」「プリズム」を披露したあと、「eternal」が始まるとステージがスモークで満たされる。まるで雲の上で歌っているかのような演出の中で、4人は力強く、しなやかなバンドサウンドを奏でた。「夜明けの流星群」で始まった終盤戦では「瞬間センチメンタル」や「A.M.D.K.J.」「Image」とロック色の強い楽曲が続く。最後はHARUNAがギターを置いてハンドマイクで「one more time」を歌唱。MAMIとTOMOMIも軽快にステップを踏み、RINAも笑顔でドラムを叩く。「僕が笑うと君が輝く 愛のシンクロニシティ」という歌詞のように観客も笑顔で自由に踊った。
アンコールでHARUNAは「コロナ禍の自分たちが無駄じゃなかったと思えた」と充実した時間を振り返り、「同じ気持ちになって一緒に楽しいことができるのはすごいこと。奇跡的なことをやっていると感じて、温かい気持ちになったし、すごくうれしいです。これからも胸を張ってSCANDALのファンだと言ってください。みんながSCANDALを好きでいることを恥じない自分たちでい続けます」と力強く宣言。加えて「みんなのおかげでものすごいグルーヴに仕上がっているから自信を持って海外に行ってきます。みんなも日本でどっしりと構えて待っていてね」と海外ツアーへの意気込みを述べた。4人は「DOLL」「LOVE SURVIVE」を熱演し、最後はお馴染みの「SCANDAL BABY」でライブを締めくくり。名残り惜しそうにステージをあとにした。
SCANDALは7月9日(現地時間)にカナダ・トロントのQueen Elizabeth Hallで北米ツアーをスタート。7月26日のアメリカ・ダラスのLegacy Hall公演を終えると、一度帰国し、8月には「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022」や「サンクリ夏休み’22」といったイベントに出演する。9月にはヨーロッパツアーでベルリン、ロンドン、パリの3都市を回る。
SCANDAL「SCANDAL WORLD TOUR 2022 "MIRROR"」2022年6月11日 中野サンプラザホール セットリスト
01. MIRROR
02. Flashback No.5
03. EVERYBODY SAY YEAH!
04. 夕暮れ、溶ける
05. 彼女はWave
06. STANDARD
07. テイクミーアウト
08. 愛の正体
09. アイボリー
10. 蒼の鳴る夜の隙間で
11. HARUKAZE
12. 愛にならなかったのさ
13. プリズム
14. eternal
15. 夜明けの流星群
16. 瞬間センチメンタル
17. A.M.D.K.J.
18. Image
19. one more time
<アンコール>
20. DOLL
21. LOVE SURVIVE
22. SCANDAL BABY
SCANDAL WORLD TOUR 2022 "MIRROR" North America
2022年7月9日(土)カナダ オンタリオ州トロント Queen Elizabeth Hall
2022年7月11日(月)アメリカ ニューヨーク州ニューヨーク Sony Hall
2022年7月13日(水)アメリカ マサチューセッツ州ボストン Big Night Live
2022年7月15日(金)アメリカ ジョージア州アトランタ The Masquerade
2022年7月16日(土)アメリカ イリノイ州シカゴ House Of Blues
2022年7月18日(月)カナダ バンクーバー Imperial Vancouver
2022年7月20日(水)アメリカ ワシントン州シアトル The Neptune
2022年7月22日(金)アメリカ カリフォルニア州アナハイム House of Blues
2022年7月26日(火)アメリカ テキサス州ダラス Legacy Hall
SCANDAL WORLD TOUR 2022 "MIRROR" Europe
2022年9月22日(木)ドイツ ベルリン LIDO
2022年9月24日(土)イギリス ロンドン O2 Academy Islington
2022年9月27日(火)フランス パリ YOYO