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欅坂46 志田愛佳、突然の卒業発表 グループの土台を作った“クール”と“ピュア”の側面

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リアルサウンド

 欅坂46(以下、漢字欅)とけやき坂46(以下、ひらがなけやき)が、11月15日よる7時から生放送される『ベストヒット歌謡祭2018』(読売テレビ・日本テレビ系)に出演する。「欅坂46×けやき坂46 史上初のコラボ」と題されている今回。単に合同ではなく、あえて“史上初のコラボ”という形での発表は、いったい何を意味しているのだろうか。

(関連:欅坂46は今、“21人の絆”から変化するとき 菅井友香&守屋茜の本音から感じたこと

 改めて漢字欅とひらがなけやきの関係性をおさらいすると、2015年8月21日に“欅坂46”が誕生。一方、特例で結成後に遅れて加入した長濱ねるが、一人だけ制服の色が違うアンダーグループ“けやき坂46”のメンバーとして活動をスタートさせた。同時に新メンバーが募集され、12人体制のひらがなけやきが誕生する。漢字欅をサポートしつつ、ひらがなけやきも一つのグループとして単独ツアーを開始。2017年4月6日、『欅坂46 デビュー1周年記念ライブ』でひらがなけやきメンバー追加オーディションの開催が発表され、同年8月に9名の2期生が加わり、21人の大所帯となる。その後、長濱が漢字欅の専任となったことで、漢字欅とひらがなけやきを結ぶパイプがなくなり、結果的に20人の妹分的なグループとなった。

 漢字欅は平手友梨奈を中心にクールでエモーショナルなパフォーマンスを繰り広げるのに対し、ひらがなけやきは「ハッピーオーラ」をモットーに明るく元気なパフォーマンスで色の違いを見せる。両グループが良いバランスを保つなか、ひらがなけやきはライブの空気を変えるアクセントとして存在感を発揮していた印象だ。漢字欅が築いた道があるからこそ、一番近くで見ていたひらがなけやきの成長は早い。漢字欅が不安定な時期には、武道館公演からの単独アルバムをリリースするなど、前を走る漢字欅を追い上げるような活躍ぶりを見せた。ひらがなけやきの脅威は、漢字欅の意識改革にも繋がり、平手が欠席した漢字欅単独公演の『欅坂46 2nd YEAR ANNIVERSARY LIVE』を成功に導いた一つの要因になったとも言える。

 そんな2組の合同曲は、各メンバーのユニット曲を除けば、「W-KEYAKIZAKAの詩」と「太陽は見上げる人を選ばない」の2曲。初めて漢字欅とひらがなけやきのメンバー総勢32名で歌唱した「W-KEYAKIZAKAの詩」は、2016年12月24日・25日に有明コロシアムで行われた欅坂46の初ワンマンライブのために用意された曲だ。メンバーの絆が綴られた歌詞に、MVのダンスでは過去の曲の振り付けも見られる。全力で駆け抜けた1年間を凝縮した彼女たちのアンセムと言われ、メモリアル的な楽曲でもある。

 だからこそかつて「W-KEYAKIZAKAの詩」は、ライブの締めとして歌われることが少なくなかった。最近は両グループとも単独での公演がほとんどとなり、同曲を歌う姿をあまり目にしなくなった印象だ。そんな中、平手がアクシデントで途中退場した『欅坂46 夏の全国アリーナツアー2018』最終日のアンコール最後に、同ツアーでは歌われていなかった「W-KEYAKIZAKAの詩」が披露された。ステージに戻ってきた平手をみんなで迎え入れるという感動的なシーンは、メンバーはもちろん観客もまた今までの色んな思い出が頭の中を過ぎったはずだ。劇的で最高のエンディングとなった。

 「太陽は見上げる人を選ばない」は、1stアルバム『真っ白なものは汚したくなる』のType-Aに収録されている楽曲。〈境界線なんていつの日か消えて行く〉といった平等や共存を綴った歌詞が印象的である。漢字欅とひらがなけやきが境界線をなくし、一緒に歌うからこそ意味がある平和ソングではないだろうか。『欅共和国 2018』では、「W-KEYAKIZAKAの詩」に代わって「太陽は見上げる人を選ばない」を合同で歌っている。

 この件に関して石森虹花は「ひらがなちゃんが登場するのが日が落ちてくる時間帯だったので、そこにマッチするのは、今回やった(もう1つの合同曲の)「太陽は見上げる人を選ばない」だったのかなって個人的には思ってます。ステージ上で全員で半円をつくる時に、ひらがなのキャプテンの(佐々木)久美ちゃんと、漢字のキャプテンの菅井友香が両端から走って交差するっていう演出がすごく感動的で、(中略)「太陽は見上げる人を選ばない」のほうが一体感が出るし、お互いのいい部分っていうのが出るのかもしれないと思いました」(引用:「TOKYO POP LINE」8月12日配信)と見解していた。漢字欅とひらがなけやきが横一列に並んで歌う姿は、以前よりも特別感が増し、『欅共和国』の意味を感じさせる場面の一つになったように思う。

 当初ひらがなけやきは、漢字欅のアンダーとして活動していた。そんな経歴がある中で、今回コラボという言葉が使われているのは、それだけひらがなけやきが一つのブランドとして成長し認められた証でもある。ファンにとっては地上波での共演は久しぶりなので楽しみだろう。ゴールデンタイムで漢字欅とひらがなけやきの違いを見せる最高のチャンスでもある。ただ漢字欅のアイコンである平手が出演するのかが重要になってくるように思う。それによってコラボの意味合いは、だいぶ変わってくるだろう。欅坂46というグループの魅力の一つとして予想ができない面白さが挙げられるが、今回もまた何が飛び出すかわからない。

 現段階では出演者の中で唯一披露する曲が発表されていないので、合同曲かそれぞれの代表曲かそれともまた違う曲なのか……様々な展開が期待される。(文=本 手)