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ユナクが藤原竜也も演じた“殺人者”を妖艶に演じる『殺人の告白』開幕

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舞台『殺人の告白』より、左から)堂珍嘉邦、ユナク、大林素子

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実際に起きた連続殺人事件からインスピレーションを得て韓国で映画として制作され、日本でも『22年目の告白 -私が殺人犯です-』というタイトルでリメイクされヒットを記録した『殺人の告白』が舞台化! 6月17日に池袋のサンシャイン劇場で開幕したが、これに先立って同日行われたリハーサルの模様が報道陣に公開された。

オリジナルの映画は韓国史上最悪の連続殺人事件と言われ、ポン・ジュノ監督の映画『殺人の追憶』の題材にもなった未解決事件「華城(ファソン)連続殺人事件」にインスピレーションを得て制作。時効を迎えた連続殺人事件の犯人を名乗る男が事件の内容を克明に記した告白本を出版し世間の注目を集め、事件を追い続ける刑事や被害者の遺族、TVをはじめとするメディアを巻き込んでの“犯罪ショー”へと発展していく。日本版リメイクでは藤原竜也と伊藤英明がW主演を務め、こちらも大ヒットを記録した。

今回の舞台版で、自身が連続殺人犯であると告白するイ・ドゥソクを演じるのは「SUPERENOVA(超新星)」のリーダー・ユナク。事件を執拗に追う刑事チェ・ヒョングを歌手としての活動に加え、俳優としても活躍するCHEMISTRYの堂珍嘉邦。さらに、物語の途中で登場する“真犯人”を名乗る謎の男“J”を前川泰之、事件の被害者の父親であるウリ物産会長チョン・ウヌを岡田浩暉が演じている。

舞台作品ではあるが、随所に映像表現を取り入れている演出が本作の大きな特徴。過去の殺害のシーンや、刑事ヒョングが犯人を追いかけるシーンなどが映画のように大きなスクリーンで映像として流されるのに加えて、人物の映像だけを舞台上の薄い幕に投影してホログラムのような形で、舞台上の生身の俳優と“共演”させる独特の表現も。

物語自体はオリジナルの映画に沿った形で、次々と何かが起こるドラマチックな展開、深まっていく謎、そして事件の真相がシンプルかつ力強く描かれる。

やはり注目は“殺人犯”ドゥソクを演じるユナク。なぜ今になって自分が犯人であると名乗り出たのか? という謎を呼び起こすミステリアスな男を見事に体現! オリジナルの映画ではパク・シフが、日本リメイク映画版では藤原竜也が演じたが、ユナクによるドゥソクは“妖艶”という言葉がぴったりの美しさと怪しげな雰囲気を併せ持っており、不気味ではあるが、ついつい引き込まれそうな魅力をも感じさせる(映像での表現がそれに拍車をかけている!)。

事件を追いかける刑事・ヒョングを演じた堂珍にとって、本作はこれまでのミュージカルや音楽劇とは異なるストレートプレイへの出演であり大きな挑戦となったが、やさぐれた雰囲気をまといつつ、事件に対しては異常なまでの執念を燃やす刑事・ヒョングを好演している。

ミステリあり、アクションあり、それぞれの立場で事件による喪失や哀しみに苦しむ人々の人間ドラマありの見応えたっぷりの舞台となっている。

舞台『殺人の告白』はサンシャイン劇場にて6月26日(日) まで上演中。

取材・文・写真:黒豆直樹

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