木村拓哉、東映70周年作品で織田信長役　総製作費20億円を投じる『THE LEGEND ＆ BUTTERFLY』23年1月公開！

東映70周年記念を飾る新作映画『THE LEGEND ＆ BUTTERFLY』（読み：レジェンド・アンド・バタフライ）の製作発表会見が6月21日、都内で行われた。激動の時代を生きた織田信長と濃姫の軌跡を描く大型時代劇。信長役で主演を務める木村拓哉、濃姫を演じる綾瀬はるか、脚本を手がける古沢良太、大友啓史監督が会見に出席し、総製作費20億円を投じた一大プロジェクトに参加した感想を振り返った。映画の公開は2023年1月27日。

木村が信長を演じるのは、1998年に放送されたドラマ時代劇以来で、「すごく名誉なこと。個人的な話ですが、木村家の家紋と、織田家の家紋が同じなので、幼少期から特別な親近感があり、歴史を知っていく中で、非常に惹かれる部分が多い」と思い入れは格別だ。

京都撮影所をメインに、国宝級の建造物での撮影も敢行。「衣装や甲冑など、熟練のスタッフの皆さんが胸を張って、すごいモチベーションで作業してくださった。京都という特別な空間でしか、実現しない撮影でしたね」と敬意を表し、「スタッフさんから『絶対、ふすまには傷をつけないでください』って厳しい目が向けられたのも覚えています」本作ならではの出来事も振り返った。

改めて、信長像については「悲しい終わり方をしたが、世の中への疑問に高らかに声をあげ、その行動で責任を果たした人物」と評し、「今を生きる僕たちの遺伝子に、必ずつながる部分を感じ取り、受け取ってもらえれば」と真摯にメッセージ。「当たり前の毎日のありがたさ、そばにいてくれる人の存在の大きさを感じてもらえれば」と世界情勢が混迷する中での映画公開に思いを寄せた。

綾瀬はTBSドラマ『南極大陸』以来となった木村との共演で、「ものすごいモチベーションの高さと気力のパワーをお持ちで、こちらが不安に思っても『あっ、大丈夫だ』と安心できた」と全幅の信頼。政略結婚で信長と結ばれる正室・濃姫（別名：帰蝶）という役どころで、初の夫婦役が実現し「楽しかった」と笑顔を見せ、「戦国時代を生きたふたりの生きざまが、ひとつになっていく。そんな人生が描かれていて、心を持っていかれた」と夫婦愛にスポットを当てたストーリーをアピールした。

木村も「夫婦としてぶつかり合い、慰め合い、見つめ合うのはもちろん、共演のないシーンでも僕の中では、濃姫の存在が非常に大きかった。綾瀬さんで助かりました」とこちらも厚い信頼感。「見た目はおっとりしたイメージですけど、動いたらハンパない。『これは難しいんじゃないか』という監督の要望にも、笑って応えていた」と綾瀬の身体能力を称えていた。

昨年9月にクランクインし、今年の1月にクランクアップ。大友監督は「とにかく、早く見てもらいたい！」と自信のコメントだ。木村、綾瀬とは初タッグとなり、「（自分が）生きているうちに撮りたいと思っていたおふたりを、この作品で撮れた」と手応えも十分。現場では、その手応えの大きさからか、大友監督の声が響き分かることも多々あったようで、木村は「最終作業として、監督ご自身の声を消す必要がありますね（笑）」と舞台裏を明かしていた。

脚本の古沢氏は、本作の着想について「以前から戦国時代の政略結婚に興味あった」と明かし、「夫婦の物語であれば、カリスマの裏側にある人間・信長を描けるんじゃないかと。それがモチベーションになった」と回想。本能寺の変の撮影現場にも足を運び「木村さんは、信長が乗り移っているようで、すさまじかった」とその熱演に震えていた。

【ストーリー】
尾張の織田信長は格好ばかりで「大うつけ」と呼ばれていた。この男の元に嫁いできたのは、「マムシの娘」と呼ばれる美濃の濃姫だった。権威を振りかざして尊大な態度で濃姫を迎える信長と、男勝りの臆せぬ物言いで信長に反抗する濃姫。敵対する隣国同士の“政略結婚”という最悪の出会いで始まったふたりの夫婦生活は、互いの寝首をかこうと狙う一触即発な毎日だった。

そんな水と油の夫婦の前に、強敵・今川義元の大軍が攻めて来る。信長は圧倒的な戦力差に絶望しかけるが、そんな信長を奮い立たせたのは、覚悟を決めた濃姫の言葉だった。ふたりはともに戦術を練り、激論の末に奇跡的な勝利を収める。この出来事を境に、真っ向から対立していたふたりは次第に強い絆で結ばれ、誰も成し遂げたことのない天下統一という夢に向かっていくのであった。

取材・文・写真＝内田涼

『THE LEGEND & BUTTERFLY』
2023年1月27日全国公開