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花守ゆみり&東山奈央が語る“大人の定義”「私は一人じゃないんだと身をもって知ること」

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左から東山奈央、花守ゆみり 撮影:友野雄

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山梨県や静岡県を舞台に、女子高生たちの日常やキャンプをする姿が描かれたアウトドア系ガールズストーリー『ゆるキャン△』(芳文社)。原作コミックスは累計700万部突破、TVアニメは続編として『SEASON2』まで制作された人気作品であり、昨今のアウトドアブームをけん引している。

そしてこの夏、最新アニメーションとなる映画『ゆるキャン△』が全国の劇場へーー。

原作者・あfろ監修の完全オリジナルストーリーである今作は、なんとTVアニメの数年後が舞台。TVアニメ第1作目最終話では主人公の一人・各務原なでしこ(以下、なでしこ)の妄想で大人になったキャラクターたちが描かれていたが、今度は“本当に大人になったキャラクターたち”が登場する。

なでしこは東京のアウトドア用品店に、もう一人の主人公・志摩リン(以下、リン)は名古屋の出版社で編集者として働くなど、おなじみのキャラクターたちがそれぞれの道を歩んでいた。なでしこを演じる花守ゆみりとリンを演じる東山奈央は台本を読む前、原作にも描かれていないキャラクターたちに驚きと期待と少しばかり戸惑いもあった。しかし、台本を読むとそんな不安も吹き飛んだと笑顔で語る。

花守「たしかにこういう未来が来るかもしれない!という説得力がありました。彼女たちが高校生から大人になるまでの時間を私たちが演じることはなかったのですが、セリフの端々にその間の時間を感じ取ることができて。それが寂しくもあったのですが、成長した彼女を演じられるなんてすごく光栄なことだと思いました」

東山「今作では大人になったキャラクターたちが、みんなで一緒にキャンプ場をつくるという大きなプロジェクトに取り組んでいきます。その姿がとても楽しそうで、第二の青春を味わっているようでした。充実している人を見るとこちらまで楽しくなれるんだなって。台本を読んでとても勇気をもらえましたし、幸せな気持ちになりました」

花守「大人になるとは、“一人じゃない”と身をもって知ること」

左から東山奈央、花守ゆみり

今作でのキャラクターたちの一番大きな変化はなんといっても“年齢”と“立場”だろう。10代だった彼女たちは20代になり、高校生から社会人へと変化した。その一方で変わらない部分ももちろんある。なでしこの持ち前の明るさは健在だし、リンは相変わらずバイクでツーリングに行っている姿が描かれていた。

花守「なでしこ、とってもカッコよくなっています。変わらず人を動かしていく力があると感じる一方で、大人になったなでしこは自分が楽しむ側であるだけでなく、楽しさを与える側になっていたんです。成長を感じたと同時に、私たちアニメーションをつくる側にも通じるなとすごく心に響きました。時間が経過したことでの変わらないところと変わっていくところが、今作で一番感じていただけるのではないかと思います」

東山「学生時代はマイペースだったリンも、社会人になって会社と上司としっかりコミュニケーションを取っていたり、朝まで仕事を頑張っていたり、順風満帆とはいかないときもやりがいを感じていたり……そういうシーンを見ると否が応でも大人になったことを感じます。だけどやっぱりみんなで集まれば高校生の時と変わらない表情でおしゃべりをしている。そういうシーンを見て私自身もホッとしました」

“大人になる”ことが今作の一つのテーマでもあるが、大人の定義というのはとても曖昧なようにも思う。成人したとて、社会人になったとて、イコール大人なのかと問われるとはなはだ疑問だ。そこで2人に“大人になるとは?”と質問をぶつけてみると、「どういうことだろう!?」と顔を見合わせた後、花守の口からぽつぽつと言葉が紡がれていった。

花守「小さい頃は、大人になる=書類をいっぱい持って高いヒールを履いてバリバリ働くお姉さんを想像していました(笑)。だけど実際この年齢になってみると、“私は一人じゃないんだ”と身をもって知ることが大人になることなんじゃないかと思います。自分一人でできることは本当に限られていて、だからこそ誰かと寄り添って支え合って生きていく。人の中で生きていくことを知ることが大人になることではないでしょうか」

この回答に東山は「私も同じ回答で……」と笑う。

東山「大人は強いんだと思っていたけど、経験を重ねていくことで逆にどんどん弱くなっていくと感じます。だからこそ、映画『ゆるキャン△』で大人になった彼女たちがみんなで一緒にキャンプ場をつくることで、“一人じゃない”と身に染みていると思うんですよね。一人じゃないから誰かから手を差し伸べてもらえることもあるし、逆に一人の問題じゃないからこそつらくても踏ん張って頑張らなきゃいけない場面もある。今のゆみりちゃんのお話は今回のテーマにピッタリ合っているので、私から言えることは何もございません!(笑)」

(C)あfろ・芳文社/野外活動委員会

東山「パンケーキを食べながら熱い演技論を語り合います」

TVアニメ第1作目『ゆるキャン△』が放送された2018年から約4年、収録時から約5年も共演してきた花守と東山。なでしことリンのように違う個性を持ちながらも息ピッタリだ。
そんな2人に“お互いの尊敬するポイント”を聞いてみると、照れくさそうに、けれども愛おしそうにこう明かしてくれた。

花守「何から何まで尊敬しています。奈央さんはとにかく相手のことをよく見て、相手が何を望んでいるかを考えて、そこに向けて突き詰めていく、とても気遣いの方なんです。しかも、この人は同じ人間なのだろうか?と思うくらい、それを自然とやられるんですよ。5年前の収録で目の当たりにして驚いたことを今でも覚えています。奈央さんの気遣いは才能でもあり努力でもあると思うのですが、私が両親にお願いされて努力しても奈央さんのようになるには100年以上かかるだろうなって(笑)。

でも自分にはない部分だからこそ、奈央さんを魅力的に感じるのだろうなとも思います。正反対とまではいかないけれど、お芝居に対する向き合い方を含めてところどころ違うことで、会話が生まれて新しい気づきを得ることができて、いろんな人に伝えるお芝居ができるんですよね。奈央さんと一緒に『ゆるキャン△』をつくることができて、本当に良かったといつも思っています」

東山「ゆみりちゃんの尊敬するところはいっぱいあるんですけど、職人気質なところと人懐っこいかわいいワンコちゃんのようなところですかね。まずお芝居に対してすごく熱くて! 2人で仕事終わりにご飯を食べに行くくらい仲良くさせてもらってるのですが、例えばパンケーキを食べているだけなのに深夜の居酒屋さんのような熱い芝居論を話し合ったり(笑)。ゆみりちゃんはお芝居に対するアンテナを高く持っているから、ほかの人が悩まないことで悩んだり周りをよく見ていたりする印象もあります。その上で自分がどう振舞うべきかを考えている。そんな自分の信念を強く持っているから、最初にお話した時に『この人は信頼できる人だ!』と思ったんですよね。歳は少し離れていますけど、同い年のように、時にはお姉ちゃんのように、すごく頼もしい存在です。

だけど、好きな人には何かプレゼントしたくなっちゃう可愛らしくて。今日も取材前に『奈央さん、和菓子あげる!』って和菓子をくれました(笑)。私にもそんなことをしてくれるなんて!って嬉しくなっちゃいますし、お仕事をしているときとのギャップがあるところがすごく魅力的だなと思います」

(C)あfろ・芳文社/野外活動委員会

花守「なでしこと友だちになりたい!」東山「リンとお酒を酌み交わしたい」

TVアニメシリーズ第1作目『ゆるキャン△』に続き、2020年にはショートアニメ『へやキャン△』と実写TVドラマ『ゆるキャン△』、2021年には続編となる『ゆるキャン△ SEASON2』と同じくTVドラマ『ゆるキャン△2』が制作されるほど、本シリーズは高い人気を博している。

スローライフなストーリーに癒されたり、アウトドアの楽しさに共感したり、さまざまな魅力が内包されている中、演じ手である2人は“『ゆるキャン△』という作品の魅力”をどのように捉えているのだろうか。改めてうかがうと、花守は「誰でも入ってこれるところ」、東山は「自分も一員になれるところ」と話してくれた。

花守「お手紙やSNSを見ていると、老若男女いろんな方たち、そして家族でも『ゆるキャン△』を楽しんでいただけているなと感じています。以前、お子様がいる方からのお手紙で『子どもとタオルと棒で頑張ってテントをつくって、リンちゃんとなでしこごっこをしている』というお話を見ました(笑)。お子様にとっても『ゆるキャン△』という作品がキャンプ沼への入門書のようになっているんだなと。それがとても嬉しくて、同時にこの作品は誰もが楽しんで共感できる作品なんだなと感じました」

東山「制作スタッフさんが実際にロケハンに行って、計算し尽くした緻密な描写によって、画面越しであっても本当にキャンプを体験しているかのような気持ちになれるところですね。そして、『ゆるキャン△』と聞くと一番に“キャンプ”を思い浮かべるかと思いますが、実はかなりの“飯テロ”アニメでもあって! 収録中はマイクの前でお腹を鳴らさないようにするのが大変なくらい……(笑)。五感でいろんなことを体験できるのが魅力なんですよね。よりキャラクターたちのお互いを尊重し合う関係性って、見ているこちらも居心地の良さを感じるんです。『ゆるキャン△』メンバーの一員としてキャンプをしているような気持ちになれる、みなさんに癒しを感じていただける昨品になっているのではないかと思います」

(C)あfろ・芳文社/野外活動委員会

現在、原作コミックスは連載中。まだまだ『ゆるキャン△』という作品は終わらないが、アニメは映画化を迎えることである意味一つの節目とも考えることができる。貴重なタイミングだからこそ、約4年間演じてきた自身のキャラクターに向けて伝えたいメッセージを最後に聞いた。

花守「私とも友だちになってほしい! 一緒にキャンプしたい! 焚火を囲みながらいっぱいお話したい! 私もなでしこもかしましいタイプだと思うので、話しているうちに日が暮れていつの間にか『火を消す時間です』と言われそうだけど(笑)。話せば話すほど自分の帰る場所になっているような安心感がなでしこの不思議な魅力だと思っています。その包容力に包まれてみたいです」

東山「なでしこに悩みを相談したら『ゆみりちゃんがどんな選択をしても応援しているからね! 頑張ってね!』って言ってくれそうだよね」

花守「そんなこと言われたら彼女のこと、忘れられなくなっちゃう……! そんな妄想をしてみました(笑)」

東山「あはは(笑)。私は映画で大人になったリンに、飲みに行こうよ!と言いたいですね。『考えとく……』って言われるだろうけど、絶対に来てくれるはず(笑)。今作でお仕事をして輝いているリンを見て、私が思っている以上に頑張り屋さんなんだって新たな魅力を発見しました。キャンプ場でお酒片手にお酒に合う料理を食べながら、お互いに悩みを打ち明け合ったり『お互い頑張ろうね』と英気を養い合ったりしたいです。素敵に酌み交わせるのではと思います」

取材・文:阿部裕華 撮影:友野雄

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