半数以上が日本初公開! 権力とともにあった芸術の歴史を振り返る『ボストン美術館展 芸術×力』7月23日よりついに開幕
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増山雪斎《孔雀図》(左幅)江戸時代、享和元年(1801)Fenollosa-Weld Collection © Museum of Fine Arts, Boston
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すべて見る新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2020年に中止となった『ボストン美術館展 芸術×力(げいじゅつとちから)』が7月23日(土)より東京都美術館にて開催される。
古代エジプト、アジア、ヨーロッパ、アメリカの美術をはじめ、古代から現代までの作品約50万点を所蔵。そのコレクションの質の高さと百科事典的な幅の広さで知られているボストン美術館。
同展では、世界有数のコレクションのなかから「芸術と力」をテーマに約60点を紹介。エジプトのファラオやヨーロッパの王侯貴族など大きな「力」をもった古今東西の権力者たちが自らの権力を誇示するためにつくらせた彫刻や肖像画、世界各国の宮廷を彩った装飾美術、日本の大名が自ら描いた花鳥図などを通し、芸術作品が古来から担ってきた役割について紐解いていく。
なかでも注目すべきは、奈良時代に活躍した学者・政治家である吉備真備の活躍を描いた《吉備大臣入唐絵巻》と、平安時代末期の上皇派と天皇派の対立を背景に起こった平治の乱を描いた、合戦絵巻の最高傑作のひとつに数えられる《平治物語絵巻 三条殿夜討巻》。いずれも「日本にあれば国宝」とも言われる二大絵巻が揃って里帰り。《吉備大臣入唐絵巻》は全期を通して、4巻揃って公開される。
また、同展のために修復された、増山雪斎(ましやま・せっさい)の《孔雀図》も初めての里帰りを果たす。伊勢長島藩主であった増山雪斎は、書・画・囲碁・煎茶などに秀でた文人で大名だった。《孔雀図》は雪斎が数多く取り組んだ画題で、代表作と言える質の高さを誇る名品だ。
さらに、世界で最も裕福な女性のひとりとされたマージョリー・メリウェザー・ポスト(1887-1973)が所蔵していた大粒のエメラルドが施されたブローチや、元ファーストレディのアクセサリー、ナポレオンの最初の妻ジョセフィーヌ所縁の磁器など、女性たちに愛された作品も出品される。
大きな力をもった人々が、時に政治や外交に利用し、時には自らたしなみ、集め、育んだ芸術作品。権力とともにあった芸術の歴史を、半数以上が日本初公開となる作品群で振り返る。
すべてボストン美術館蔵All photographs (c)Museum of Fine Arts, Boston
【開催概要】
『ボストン美術館展 芸術×力』
会期:2022年7月23日(土)〜2022年10月2日(日)
会場:東京都美術館
時間:9:30~17:30、金曜は20:00まで(入室は閉室30分前まで)
休室日:月曜(8月22・29日、9月12日・19日・26日は開室)、9月20日(火)
料金:一般2,000円、大学1,300円、65歳以上1,400円
展覧会公式HP:https://www.ntv.co.jp/boston2022/
※日時指定予約制
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