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玉城ティナや山崎まどかが推薦、哀しいほどこっけいな女の逃避行描く「WANDA」

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「WANDA/ワンダ」ポスタービジュアル

7月9日に封切られる「WANDA/ワンダ」より、玉城ティナら著名人による推薦コメントが到着。あわせてオリジナル予告の復刻版がYouTubeで公開された。

本作は、アメリカ社会の崖っぷちで生きる女性ワンダの姿を描いたロードムービー。夫と別れ、子供も職も有り金も失ったワンダは、酒から酒へと渡り歩き夜の街をさまよう。寂れたバーで小悪党の男と知り合い、犯罪計画を手伝うハメになった彼女の悲しいほどこっけいな逃避行がつづられる。

バーバラ・ローデンが監督、脚本、主演を兼任。ローデンの夫で「エデンの東」で知られる映画監督のエリア・カザンが制作協力に名を連ねた。映画は1970年にヴェネツィア国際映画祭の最優秀外国映画賞を受賞。1971年にはカンヌ国際映画祭でも上映されたが、本国アメリカではほぼ観ることができず“失われた傑作”と名高い1本だ。このたび日本国内で初めてロードショー公開される。

玉城は「これは1人の女の美しい怠惰な物語ではない」と切り出し、「ワンダの表情が本当にここにいていいのかと聞いてくるように頼りなく、優しく、淡々と時間が流れる。必要とされたいという気持ちで行動を起こせる彼女の素直さ、削られたセリフやストーリーから人間の拙い欲求が浮かび上がってくる。私たちはただ、一人の人間として見られたいだけなのだと」と感想をつづる。

コラムニストの山崎まどかは「バーバラ・ローデンは名もなき女に『ワンダ』という名前を与え、侘しい人生から生命の輝きを掬い取って、わたしたちにくれた。彼女から手渡されたその小さな光は永遠に消えない」と推薦。翻訳家の岸本佐知子、アンスティチュ・フランセ日本 映画プログラム主任の坂本安美によるコメントも下記に掲載した。

「WANDA/ワンダ」は東京のシアター・イメージフォーラムほか全国で順次ロードショー。

玉城ティナ コメント

これは1人の女の美しい怠惰な物語ではない。ワンダの表情が本当にここにいていいのかと聞いてくるように頼りなく、優しく、淡々と時間が流れる。必要とされたいという気持ちで行動を起こせる彼女の素直さ、削られたセリフやストーリーから人間の拙い欲求が浮かび上がってくる。私たちはただ、一人の人間として見られたいだけなのだと。

山崎まどか コメント

バーバラ・ローデンは名もなき女に「ワンダ」という名前を与え、侘しい人生から生命の輝きを掬い取って、わたしたちにくれた。彼女から手渡されたその小さな光は永遠に消えない。

岸本佐知子 コメント

世界のどこにも居場所のない、ひたすら下降していくワンダ。広大な瓦礫世界を一人でとぼとぼ歩いていく彼女は、なんだか生の最小単位みたいで、いじらしくて、強くて、神聖ですらある。

坂本安美 コメント

ワンダから目が離せない。ボタ山を歩く彼女、カーラーをつけても一向に巻き髪にならず、強盗をしている男から櫛を借りて髪を梳かす彼女、あんなに怖がっていたのにピストルを素早く奪う彼女。そして底なしの深い哀しみを湛えてこちらを見つめるあの眼差しは、ワンダの生きる世界が私たちの世界とひとつづきであることを突きつける。

(c)1970 FOUNDATION FOR FILMMAKERS