Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > 阿部サダヲ×間宮祥太朗『ツダマンの世界』上演決定 作・演出は松尾スズキ

阿部サダヲ×間宮祥太朗『ツダマンの世界』上演決定 作・演出は松尾スズキ

ステージ

ニュース

ぴあ

『ツダマンの世界』出演者一覧

続きを読む

COCOON PRODUCTION 2022『ツダマンの世界』が、11月よりBunkamuraシアターコクーンにて上演されることが決定した。

『ツダマンの世界』は、日本の昭和初期から戦後を舞台に「ツダマン」こと津田万治を中心とした小説家たちの愛憎劇を描いた作品で、作・演出をシアターコクーン芸術監督の松尾スズキが務める。就任後、20年ぶりのミュージカルとなる『フリムンシスターズ』(20) を手掛け、『シブヤデアイマショウ』(21) では総合演出、『パ・ラパパンパン』(21) では作家・藤本有紀とのタッグで豪華出演者と共にミステリーコメディに挑んだ松尾が、今度は濃密な人間ドラマを描く。

物語の主人公で弟子に翻弄される小説家・津田万治を演じるのは、シアターコクーンには『フリムンシスターズ』以来の登場で、映画『死刑にいたる病』で主演を務めた阿部サダヲ。自己愛と名声欲の強い弟子・長谷川葉蔵は、現在公開中の映画『破戒』で主演を務め、シアターコクーン初登場となる間宮祥太朗、今作の語り部となる女中・オシダホキは、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に出演し、シアターコクーンの舞台でも個性を発揮してきた江口のりこが演じる。また葉蔵の世話係・強張一三を大人計画の村杉蝉之介、ツダマンの友人の小説家・大名狂児を松尾からの信頼厚い皆川猿時が演じる。そして、津田万治の妻・津田数は、主演舞台『ザ・ウェルキン』が現在上演中で、松尾スズキの舞台作品には今回が初出演となる吉田羊が務める。

そのほか、劇団員で歌手志望の津田の愛人・神林房枝には『フリムンシスターズ』での絶大な歌唱力とコミカルな演技が記憶に新しい笠松はる。葉蔵と関係を持とうとする謎の文学少女・兼持栄恵には今作が初舞台となる見上愛。さらに町田水城、井上尚、青山祥子、中井千聖、八木光太郎、橋本隆佑、河合克夫ら実力のある舞台俳優らが集結した。

■松尾スズキ コメント
昭和の文豪たちの逸話を読むたび“この人たちやってること滅茶苦茶だな”と思うのに、今では人から許され、愛され、尊敬されている。そうやって近代文学というジャンルを切り開いたパイオニアたちが、コンプライアンスという概念がない時代に、意外と狭い世界でもつれあい周囲を巻き込んで愛憎を繰り広げる悲喜劇姿にはエモさを感じるんです。そんな彼らの生き様を、文学に憑りつかれたエリートたちに巻き込まれた名もなき人々への鎮魂の意味も込めて描いていきたい。

また、個人的には自分の父親が佐賀県にいて原爆のキノコ雲を目にしていたりして、年齢的に戦争というものと地続きのところにまだ自分はいると感じられる今だからこそ、ここで少し戦争の話を書いておきたいという考えもありました。期せずして、まさに戦争が身近に感じられるタイミングになってしまったわけですが。とはいえ、実はちょうど現在のこの紛争が起こった当初、自分はギックリ腰になってしまっていて、それはそれで大変な時期だったんです。個人の中の宇宙とは、現実の戦争に匹敵するほどのカオスでもある。そういうことも今回、書きたいと思っています。実際に戦時中も、まったく関係のないことばかりをのんきに書き綴っていた作家もいて、そういう人たちの中の個人的な宇宙では、きっと戦争はまた別の世界線という認識で捉えられていたはず。とにかくそれぞれの人間の中に広がる宇宙というものは、どでかいんです。振り返ると結局、自分はこれまでそういうことばかり書いている気もしますけど。

今回、阿部に演じてもらう津田万治という男は、周囲の人たちがみんな極限状況で、直情的に気持ちを表す中、一人だけちょっと何を考えているかわからない、不気味な空洞のような人物。彼に関わる人がみんな、抱く印象がそれぞれ違ってくるような不思議な人物像で、その彼の世界をいろいろな人が口々に語るような話になると思います。

僕が芝居を作る時にいつも思うのは“人間の頭の中は何があろうと自由だ”、ということ。そして同時に“劇場の中も常に自由でありたい”、ということ。今回はそれを上回り、“日常生活にまで自由が溢れ出してしまっている”、そんな人たちの頭の中を覗ける劇体験をぜひとも味わっていただきたいと考えています。

<公演情報>
COCOON PRODUCTION 2022『ツダマンの世界』

作・演出:松尾スズキ

【出演】
阿部サダヲ / 間宮祥太朗 / 江口のりこ / 村杉蝉之介 / 笠松はる / 見上愛 / 町田水城 / 井上尚 / 青山祥子 / 中井千聖 / 八木光太郎 / 橋本隆佑 / 河井克夫 / 皆川猿時 / 吉田羊

【東京公演】
2022年11月23日(水・祝) ~12月18日(日) Bunkamuraシアターコクーン

■チケット一般発売:10月1日(土) 10:00~

問:Bunkamura
03-3477-3244(10:00~18:00)
https://www.bunkamura.co.jp/

【京都公演】
12月下旬予定 京都ロームシアターメインホール

問:キョードーインフォメーション
0570-200-888(11:00~18:00 / 日曜・祝日は休業)