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リーグワン横浜Eに南ア代表SHが加入! デクラーク「ビッグタックルを披露したい」

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ファフ・デクラーク(横浜キヤノンイーグルス)

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今季も世界のスーパースターがやって来る。2年目となる『ジャパンラグビー リーグワン』でさらなる躍進を目指す横浜キヤノンイーグルスに南アフリカ代表SHファフ・デクラークが加入。7月21日、『ラグビーワールドカップ2019』で世界一に輝いた思い出の地・日産スタジアムで入団記者会見が実施された。登壇した永友洋司GM、沢木敬介監督、デクラークは次のようにコメントした。

永友GM「本日の入団会見に50名近いマスコミの方に来ていただき、(この後のトークショーには)800人以上のファンから応募があり、本当にうれしく思う。『RWC2019』準々決勝(・日本戦)で優秀選手(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)に選ばれたデクラーク選手がイーグルスの仲間になってくれるとは、夢のような気分。数々のトッププレイヤーが『リーグワン』に来ているが、未来のこどもたちに夢を与えるような活躍をしてほしいと願っている」

沢木監督「世界のトップレベルのSHが入団してくれて、プレーはもちろん、いろんなところでチームにいい影響を与えてくれると思う。イーグルスはまだトップカテゴリーで所属して10シーズンほど、これからチームカルチャーを育んでいかないといけないチームだと思っている。プレー以外でのラグビーへの取り組み、プロフェッショナルな姿勢はチームのロールモデルとなってくれると思っている」

デクラーク「こんにちわ。永友GM、沢木監督、お集まりのマスコミのみなさん、今日はありがとう。イーグルスの一員となり、本当に光栄に思う。『RWC2019』で優勝できたスタジアムにまた戻って来られてうれしく思うし、ワクワクしている。このチームでトロフィーを勝ち取っていきたいし、世界でもベストチームと呼ばれる存在になりたい。イーグルスのコーチ・メンバー全員が一丸となれば可能だと思っている。みなさんが誇れるパフォーマンスを見せたいし、プレーだけではなく、若手、ファンにいい影響を与えていきたいと思っている」

GMはデクラーク獲得の狙いをこう説明した。
「デクラーク選手は世界一のタイトルを取った選手。勝ち方を知っている選手だし、勝者のメンタリティをチームに植え付けてくれると期待している。横浜キヤノンイーグルスは若いチーム、5・10年後を見据えたチーム作りが必要だと思い獲得に動いた」

『リーグワン』の印象、横浜Eを選んだ理由を問われると、デクラークはこのように答えた。
「『リーグワン』ではワクワクするようなラグビーが繰り広げられている。ランがあり、スピーディで運動量が豊富。日本のラグビーは年々スタンダードが高まっているし、若手も育っているとも思う。
僕がチームを選ぶ時、チームの過去の成績、パフォーマンスを見るが、イーグルスは目を見張るほど成長しているし、友人のジェシー・クリエルからコーチ、スタッフ、住む場所、すべてにおいていい話を聞いていた。『リーグワン』にはたくさんいいチームがあるが、横浜という街も決め手のひとつ。このチームには大きなポテンシャルがあると思ったので、ぜひこのチームでやりたいと思った」

今季の目標を質問されると、こう返答した。
「まずしっかりチームに馴染まないといけない。チームメイトの顔や特性、特徴を学んで覚えてといけない。イーグルスはエキサイティングでワクワクするラグビーを展開しているので、早くその一員になりたいし、今季トライをたくさん取りたいと思っている。昨年6位、より良い成績を終えられるように積み重ねていきたい。早くチームメイトに会いたくてウズウズしている。早くグラウンドで自分のパフォーマンスを発揮したい」

沢木監督は今季のターゲットを明確に示した。
「まずトップ4に必ず入る。トップ4に入らないと優勝の可能性はないし、トップ4に入れば優勝の権利が手に入る」

デクラークはスプリングボクスの盟友であり、横浜EでチームメイトになるCTBクリエルから監督の評判も聞いたと言う。
「すごくタフなコーチ。そしてフェアで、スタンダードを高めることを大事にし、ひとりひとり選手の能力を引き出すのがうまいコーチだと聞いている。自分のパフォーマンスが足りないのならば指摘してほしいし、自分の能力をより引き出してくれることも望んでいる」

なぜ多くの南アフリカ代表の選手が日本でプレーするのか聞かれると、以下のように見解を述べた。
「なぜみんなが日本に魅了されているかと言うと、ファン・サポーターの応援が温かいという声を聞く。日本ではチーム状況がどうであれ、勝敗にかかわらず、コーチも信頼して使ってくれて、ファン・サポーターも応援してくれる。欧州だと成績が振るわないと、辛辣なことを言われるが、日本ではそういうことがないのも魅力。南アや欧州と比べて試合数が少ないので、いいコンディションで試合ができる。また日本のカルチャーも素晴らしく、多くの南アの選手が魅了されて再契約していると聞いている」

『リーグワン』で対戦が楽しみな選手には南アのHOを挙げた。
「スプリングボクスの選手が多く日本に来ているので、対戦するのが楽しみ。自分の得意な相手が嫌がるプレーをしたい。仲のいいマルコム・マークス(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)にたくさん嫌がらせをして、キレさせたい(笑)」

SO田村優とのコンビについてもコメントした。
「本当に素晴らしい選手だと思う。日本代表でプレーする彼は怖いもの知らずで果敢にチャレンジする。彼がチームのスタンダードを上げる存在だとジェシーから聞いている。彼とはお互いにプッシュし、切磋琢磨したいと思っている。強いチームにはFWとBKをつなぐいいコンビネーションが必要だとも思うので、そうなれるようにしていきたい」

『RWC2023』の前年に生活環境を変える不安はないのか質問されると。
「『RWC2019』の際、10週間過ごしてここなら何年もプレーできると感じたし、南アの選手が何年もいて日本の生活を楽しんでいる。(南アの『スーパーラグビー』の)ライオンズ、(イングランドの『プレミアシップ』の)セール・シャークスで数年間戦い新たなチャレンジをしたいと思っていた。居心地のいいところにとどまっていると成長が止まるので、このビッグチャレンジにかけた。日本でいいプレーをすれば、監督も評価して南ア代表に選んでくれる。『リーグワン』は競争力が高いので問題ない。
テストマッチではキックが多く、あまりアタックをする機会はないが、日本ではアタックのチャンスがたくさんあると思うので、自分の活力やチャンスを見極める力、集中力を発揮して、チームに貢献したい。すべての局面で自分の持っているスキルを発揮したいし、日本で成長、改善できれば、テストマッチでも十分貢献できると思っている」

沢木監督も補足した。
「本当の一流選手はチームが変わっても、コーチが変わっても、環境が変わっても、しっかり対応して力を発揮できるもの。彼はそれを持っていると思うし、うちのスタイルにもすぐフィットすると思う。優勝しているチームの一員、ウィニングカルチャーも知っている。彼のプレーを見ていてもアグレッシブだし、自分の仕事に手を抜かないし、スマートでクレバー、勝つために必要なものをみんなに伝えてくれると思う」

指揮官の考えにデクラークも同意する。
「日本での適応もそこまで難しくないと思っている。セール・シャークスでもそういうスタイルでやっていたし、自分はもともとランが得意。両方のラグビーが体験できるのは大事なこと。さきほど監督が言われたようにチームのスタイルにアダプトすることが大事、キヤノンのスタイルに適応していきたい」

見せたいプレーはタックルだと言い切る。
「まず自分はタックルが好きだし、得意にしている。アタック面ではゲームのスピードをアップさせること、周りの選手にチャンスを作ってあげたい。周りの選手が活躍できるのは自分のパフォーマンスがいいことなので、周りを生かしていきたい。あとはビッグタックルを披露したい」

監督はオン・ザ・ピッチで期待することをこのように挙げた。
「見ていてSHらしくない力強さがあるし、キャリーもできるし、プレーの起点にもなってくれる。ディフェンスでもフィジカルな面を出してくれるし、9番からのコンテストボールの精度も高い。コーチからしたら戦術の幅が広がる選手。またSHはサポートプレーも大事。ラインブレイクした際、一番近いところにいてサポートに走るので、必然的にトライも増えていくのでは」

オフ・ザ・ピッチで期待することはこうだ。
「これでイーグルスの注目度は確実に上がる。ほかの選手も注目されるとがんばると思うし、いいコンペティションが生まれると思う。戦術うんぬんは彼ならすぐに対応してくれると思うし、彼の強みを戦術に取り込んでいかないといけないが、特別期待しているのは注目度が高まり、チームのみんながハングリーな気持ちを持つこと」

GMもデクラークの活躍を楽しみにしていた。
「私も同じポジションをやっていたので一番ワクワクしている。彼にはこどもたちに一番夢を与えてほしいと願っている。それが日本ラグビーの発展につながればと思っている」

デクラークはオフ・ザ・ピッチでの貢献も約束した。
「若手に自分の培ってきた経験を伝えていきたい。もちろん若手から学ぶこともあるだろう。行動で示したい。口で言っても行動が伴っていないと説得力がないので、まず自分がしっかり行動で示したい」

永友GMは契約年数や今後のスケジュールについて言及した。
「詳しい年数は言えないが、複数年契約でイーグルスにしっかり文化を作ってもらいたいと思っている。
この後、南アに戻って、『ザ・ラグビーチャンピオンシップ』への準備に入る。その後の秋のテストシリーズもあるので、(チームへの合流は)またこれから調整していくこと形になる」

記者会見の後には、700名を超えるファンを前で入団会見イベントが実施された。デクラークはパーソナルに迫った質問に答えた。

サラサラヘアーの秘訣は?
「シャンプーとコンディショナーをたっぷり使っている」

日本で食べたいものは?
「焼肉と和牛を食べたい。ラーメンも好き」

何と呼ばれたいか?
「ファフさん」

日本で行きたい場所は?
「沖縄へ行ったり、富士山に登ったり、スキーはやったらだめだと言われそうなので、雪の中で遊びたい」

最後にファンへメッセージを送った。
「今日は足を運んでくれてありがとう。試合会場に家族、友人と来てください。次、『リーグワン』で会えること、横浜の街で会えることを楽しみにしています。みなさんが誇れるプレーをすることを約束します」

『NTTジャパンラグビーリーグワン 2022-23』は12月開幕。横浜Eは東京サンゴリアス、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、コベルコ神戸スティーラーズ、グリーンロケッツ東葛、花園近鉄ライナーズとともにカンファレンスBに属す。対戦カード、試合日程の発表は8月下旬~9月上旬頃を予定しているとのこと。正式発表を楽しみに待ちたい。

取材・文・撮影:碧山緒里摩(ぴあ)

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