超特急が10回目の8号車の日に見せた決意「負けたくない もっと強くなれる」
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超特急『BULLET TRAIN 10th Anniversary Tour 2022「Progress」』東京ガーデンシアター公演より 撮影:米山三郎 / 笹森健一
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すべて見る8月8日、超特急『BULLET TRAIN 10th Anniversary Tour 2022「Progress」』の追加公演が東京ガーデンシアターにて行われた。8月8日は8号車の日(8号車は超特急ファンの総称)。Twitter上では「#超特急へ8号車より愛を込めて」というタグがつけられたツイートが多く発信され、朝から盛り上がりを見せていた。そんな特別な日に行われた公演の模様をレポートする。
8号車の日に繰り広げられた熱い、熱い、パフォーマンス

3カ月以上に渡って行われた「Progress」ツアー。ツアー初日も4月だというのに夏日だった。しかし、それよりもずっと暑い、暑い、8月8日。そんな暑さも、「祭り」には持ってこいだ。
定刻。発車ベルが鳴り響き、開演を知らせる。オープニング映像が流れ、メンバーが映るたびに会場を埋め尽くす8号車のペンライトが揺れる。遊園地をイメージしたセット。ステージ上段に5人のシルエットが浮かび上がると、歓声の代わりに一層大きくペンライトが揺れた。リョウガの「8号車、会いたかったぜ!」の言葉と共に幕開けを飾ったのは「a kind of love」。オープニングからパワフルなのはもちろんのこと、メンバーの笑顔が弾け、自然とこちらも口角が上がる。
カイの「ハート作って、ハート作って!」に会場が応え、リョウガをユーキがギュッと抱きしめる場面も。楽しそうなメンバーの表情にグッと来る。2曲目は気合の入ったリョウガの変顔からスタートした「激おこスティックファイナリアリティぶんぶんドリームわ~るど」でテンションを上げていく。ダンスと歌声、表情で魅せる、ある意味、真骨頂。が、「Secret Express」では不意打ちでカッコイイ表情を魅せるからずるい。4曲目の「SAY NO」まで全開のパフォーマンスを魅せ、会場の一体感もばっちりだ。
MCでは「8号車の日、始まりました! 楽しんでますか!」とリョウガが呼びかけると、ペンライトが揺れる。おなじみの自己紹介のあとは、この日、WOWOWで生中継が行われているということで、画面の向こう側の8号車にもご挨拶。大切なこの日をできるだけたくさんの8号車と楽しもうという意気込みも伝わってくる。


「今日はみんなでお祭り騒ぎしよう!楽しむ準備できてますか?」
ユーキの「今日は絶対忘れられない1日にしましょう」という言葉のあとはメンバーカラーの衣装にチェンジし、「Beasty Spider」へ。大画面で抜かれるのはメンバーたちのセクシーな表情。赤と白が交わるスポットライトの中、ハードなダンスが展開される。感情が詰まったダンスは、観ている側の感情も揺さぶってくる。そこから「Four Seasons」を経て、怒涛のメドレーへ。
「Drive on week」でスタートしたメドレーはまさに夏まっさかり。タカシとユーキのダンスから始まる夏にぴったりな「Summer love」でハイテンションに攻め、「Kiss Me Baby」に。ユーキからスタート、と思ったらタクヤがカットイン。タクヤの「Kiss Me Baby」で始まり、途中、タカシの「Kiss Me Baby」に思わず、客席からはハッと息を呑む気配が。更に、「キズナアルゴリズム」「浮つきWAVES」と続き、サンバ調が印象的な「CALNAVAL」でメドレーを締めた。暑さだけではなく、かなりの運動量だということが見ていればわかる。エネルギッシュなステージに圧倒される。


続くMCではメンバーが口々に「夏過ぎる!」とコメント。リョウガが「ちょっとユーキさん、詰め込みすぎ!」と言うと、総合演出に携わっているユーキは「だって8号車の日だからね、みんなが全てを出し切らないと意味がないですから」とニヤリ。客席にも座って水分を摂るよう促しつつ、なぜか8号車が何を飲んでいるのかアンケートを取るなど独特なコミュニケーションをとったあと、3カ月以上にわたるツアーを振り返った。そして、話題は衣装のほか、遊園地をイメージしたセットについて。
「ホールツアー規模では豪華なセット」とタクヤが言うように、舞台上での存在感は抜群だ。ファンタジックな世界観を作り上げてくれている。また、セットの中にはウサギが11羽隠れているという遊び心も。ツアーファイナルということで、どこにウサギが隠れているか答え合わせを行うなどほのぼのとした時間が流れる。「今日でこのセットも衣装も見納め」としみじみと語りつつ、リョウガは「今日はみんなでお祭り騒ぎしよう、ということで、みなさん、楽しむ準備できてますか?」と改めて客席に声をかける。もちろん! と言わんばかりに客席が大きな拍手で応えると、次に登場したのは、「ぴょん特急」。

謎の5人組、ウサギ姿のぴょん特急。流れた映像では、世間を騒がせているニンジン大好き5人組ということだが……。ステージに現れた5人はウサギの耳とサングラス、もこもこの衣装を身に着け、おしりにはもふもふのしっぽが。7月31日に配信リリースされたばかりの「ウサギミック」をキュート&セクシーに披露。そのあとの自己紹介もぴょん特急仕様だ。「ここ東京にお前たちをひとり残らずきゅんきゅんさせにやってきた!」と“りょがぴょん”がきゅんきゅんビームを出して客席を“きゅんきゅん”させるという、会場一体型とも言えるパフォーマンスも(分かりやすく言うと、りょがぴょんからきゅんきゅんビームを向けられたらその場で順に倒れていく、ウェーブのようなものを想像していただくといいかもしれない)。
りょがぴょんによるきゅんきゅんビームで会場をメロメロにさせたあと、「Guilty」へ。とびきりキュートに振り切ったダンスは超特急の幅広さを実感させてくれる。シンプルに、かわいい。

続く「Добрый день(ドーブリジェン)」ではダンサー4人が歌唱。その間、たかぴょんは4人の後ろで餅つきをしている……はずなのだが、今回はたかぴょんひとりがステージ中央に残されることに。「踊られへんて! 踊られへん! WOWOWで醜態晒すことになる!」と叫ぶたかぴょんだったが、曲が始まると「やるしかないか」と腹をくくる。そしてガッツリ歌うだけでなく、踊れるのがさすがである。たかぴょんが踊れていることに焦った(?)4人が押しのけてパフォーマンスし、ユーモアたっぷりに盛り上げた。
続いては「Full moon」をしっとりと……と思いきや、「(誰かの)しっぽ取れてるぴょん」とたかぴょん。見るとステージセンターにぽつんとしっぽが。一斉に自分のしっぽを確認する4人に思わず笑いが漏れる(とれたしっぽはリョウガのものだったようだ)。ハプニングがありつつも、ぴょん特急なりの「Full moon」をパフォーマンスしてぴょん特急パートを締めた。

8号車から超特急への愛、気づけば10年が過ぎていた
キュートなぴょん特急から一転、黒を基調とした衣装に着替え、「Chill out @JP」を。街中でのホッと一息つけるような世界観は大人な超特急だ。曲の最後、ユーキが見せたのは遊園地のパンフレット。ここからはまた別の世界へと誘われていく。客席はペンライトを消し、紗幕を使ったパフォーマンスが展開される。舞台は遊園地。カーアクションゲームを楽しむタカシとカイ。お化け屋敷に入るリョウガとタクヤ。ユーキは画面と連動したアクションゲームを楽しむ。ユーモラスの中にも、それぞれの身体能力が高くなければできないパフォーマンスはつい見入ってしまう。さらに、紗幕越しに光も活用した演出でスタイリッシュなダンスも見せた。


ライブも終盤に差し掛かるが、ここからハイテンションに「超えてアバンチュール」「BREAK OFF」「バッタマン」「Don't stop恋」と畳みかけていく。パワフルなステージに、客席もキレのあるペンライトの動きでボルテージが上がる。
「本当に祭りですね」とかみしめるように言うリョウガ。そしてユーキも「最高潮でしょう。今までのツアー、千秋楽ということもあって今日イチが出ていると思いますよ」と力強い言葉を口にした。リョウガは「思い返せば、右も左もわからない状況からスタートさせていただいて、唯一無二を目指して、超特急というジャンルを確立させるために8号車の方々といろんな道のりを走ってきたわけですけども。なんですかあのトレンドは」と8号車からの想いが込められたタグについて触れた。5人からのお礼の言葉に会場から拍手が沸き起こる。「日々そういった、8号車から超特急に向けての愛というものをヒシヒシと感じることができて、気づけば10年過ぎて、もう11年目に到達させていただいていますけど、それも8号車のひとりひとりの気持ちのおかげでございます」とリョウガが言い、「10年の感謝の気持ちを込めて」と本編ラスト、8号車へ贈られたのは「クレシェンド」。タカシの透き通るような歌声と4人の想いのこもったダンスで8号車への「ありがとう」を届けた。

新メンバー発表 俺たちならどこまででも行ける
しかし、8号車の日はまだまだ終わらない。アンコールの「Burn!」では会場をバックにして歌うタカシが「超特急はもっともっと強くなりますから。だって諦めたくないんだから!」と絶叫。強い想いが伝わってくる。さらに「走れ!!!!超特急」では8号車との絆を確かめ合おうとしているかのように、力強いパフォーマンスを見せた。

そして、Wアンコールで、5人が生では初お披露目となる衣装で登場すると、ざわめきが起こり、会場の空気が少し変わる。緊張感というのだろうか。「8号車の方々はいろいろな意味で心待ちにしていることがあるんじゃないのかな、と思います」とリョウガ。ツアー初日に発表された新メンバーオーディション「超特急募」。その新メンバーの発表が行われた。
新メンバーは、4名。バックボーカルに11号車シューヤ、メインダンサーに12号車マサヒロ、13号車アロハ、14号車ハル。新たに号車と名前が発表されるたびに会場からはどよめきが。
緊張した面持ちの新メンバーが揃ったところで、それぞれが気合いを8号車に伝えた。シューヤが「僕は音楽番組でタカシくんの熱い思いを聞き、タカシくんの隣で歌いたい、と、そしてこの人を支えたいと思い、オーディションを受けました」と言うと、会場からは大きな拍手が。「今日、ここに立てることを本当に嬉しく思っています。今日までの超特急、10年間に感謝と敬意を持ち、東京ドームを目指して全力で走っていきます!」マサヒロは「今日、このステージを楽しみにしてきました。これから9人でパフォーマンスをしていきますが、8号車の皆様に勇気と元気を与えられるように全力でパフォーマンスをしていきます」。
そして「超特急に憧れて今の事務所に入りました」と言うアロハ。「こんな夢のようなオーディションに参加できて、いまこうしてメンバーになれたこと、本当に嬉しいです。10年間、築きあげてきたこの空気感を大事にしてこれからがんばっていきたいと思います」。最年少となるハルは17歳だ。「初心を忘れずに、周りの方々に感謝をして。まだ17歳ですが、この超特急というチームを引っ張っていくぞという気持ちで、これからもっともっとがんばりたいと思いますので応援よろしくお願いします」。


また、5人も、改めて今の想いを語った。タカシは「僕たち自身、誠心誠意、数えきれないほどたくさんいらっしゃった(候補生の)中で誰が一番僕たちと一緒にこの長い長いレールを突き進んでくれるだろうか、と、みんなとそしてスタッフのみなさんと考えて出して結論が今ここにあります。本当に人の人生を左右させることって初めてだったので、自分も押しつぶされそうになったりとかしたんですけど、でもいまこうやって、やっとこの9人で同じ舞台に立てているということが本当に嬉しい気持ちでいっぱいです」とオーディション中の思いを語った。「メインダンサーの方もすごくギラギラしてるし、ひとりひとりがめちゃくちゃ個性強いし、もう俺負けてられへんな、って思うぐらい歌声も素晴らしいし。だからもっと負けたくない、もっと俺は強くなれると思えるような新メンバーを選ばせていただきました」と、新メンバーへの言葉と共に決意も口にした。
ユーキは「僕はこうして9人になった瞬間、ここがスタートだと思っています。まだ始まったばかりですし、イチからの気持ちでこの9人でノンストップで超特急として駆け抜けていけたらいいな、と思っています」と言い、「10年って長いね、ほんとにね」と目を潤ませた。「長かったけど、まだあきらめてないんですよ、夢。8号車と一緒にまだまだ目指すところあるんで。絶対、東京ドーム、日産スタジアムも全て叶えてこのメンバーと8号車のみなさん、9号車のみなさんと一緒に進んでいきたいな、と思っています」。
タクヤは審査員としての目線について。「あきらめない気持ちだったり、僕たちの今まで大切にしてきている全力のパフォーマンスだったり、感動を届けられるかっていうところに重きを置いて、僕個人としては見ていました。その結果、この4名は最終オーディションですごく僕に感動を与えてくれました」と言い、「こいつらと一緒ならもっともっと夢の先に行けるんじゃないかな、って。8号車のみんなに寄り添って一緒に走っていけるんじゃないかな、と心の底から思いました」。そして、「4人のあいさつを聞いてもらえばわかると思うけど、めちゃめちゃいい子なので応援してあげてください!」と笑顔を見せた。
続いては、超特急募発表時に、「賛成でも反対でもない」と語っていたカイ。「(オーディションを)やっていく中で、候補生の人生が変わるのもそうだし、自分の人生も、8号車、9号車のみなさんの人生も、いろんな人の人生が変わるっていう大前提の中ですごく考えて悩んだんですけど。この4人と一緒に進んでいけたらな、という思いになっています」と率直に気持ちを伝えた。
一方で「僕はあまり嘘をつけるタイプではないので」と前置きし、本当にこの合格が正解だったのか、というのは今はわかっていません。正解にしていくべきだと思っているし、正解にしていくためには、今この瞬間を大事に積み重ねていって未来につなげていくことが大事だと思っています。僕たち超特急は、もっともっと上にいきたいと思っているし、もっともっと出会っていない8号車に会いたいと思っているけども、そのためには、今いる8号車、超特急に関わってくださった方々、だれひとりの想いも置いていてはいけないと思っています。その上で新しく8号車にも出会ってもっともっと上のステージに、まずここにいるみんなを連れていきたいと思っているので。僕を信じて一緒についてきてしてほしいな、と思っています」
そしてリョウガは「結成してから、いろんな歴史というものがありまして、最初の7人からひとりメンバーが変わってもう一度7人になって、6人、5人、そして今の9人があるわけで。この9人になることで今までの5人の超特急というものは一度終わってしまいますけども、超特急の歴史自体はこれからもどこまでも続いていきます。この9人、そして8号車の方々を合わせた俺たち超特急なら絶対に大丈夫です」。そして、「超特急、まだ1曲残っております」と言い、9人がステージに一列に並ぶと、会場がにわかにざわついた。リョウガが噛みしめるように「9人初めて披露する曲。俺たち超特急ならどこまでも行けます。レールのその先の先まで」。
ラストは9人の超特急で『gr8est journey」を披露した。ボーカル2人の声が重なり、今までとはまた異なる迫力がある7人のダンス。1曲だけだが、新しい超特急の可能性の片鱗を感じさせられた。


さまざまな感情をそれぞれが抱いていたであろう中での1曲を終えて、「自身を持って言えます。これから超特急の新しい歴史を作っていきましょう。君の笑顔が終着駅。いつまでもどこまでも一緒に走っていきましょう」とリョウガ言い、最後は全員揃って超特急ポーズで締めた。
ステージを去る際、「超特急はまだまだ諦めへんからな!」というタカシの言葉により強い、5人の想いが込められているように感じた。
ライブ終了後には、ニューシングル『宇宙ドライブ』のリリース、リリースイベント、年末のアリーナツアーが発表された。加速していく超特急。2022年8号車の日、新たな超特急が始まった。

取材・文=ふくだりょうこ
撮影=米山三郎 / 笹森健一
<イベント情報>
『New Single「宇宙ドライブ」リリースイベント in Zepp』
■2022年9月22日(木)【愛知】Zepp Nagoya
【1部】開場 13:00 / 開演 13:45
【2部】開場 17:30 / 開演 18:15
■2022年9月23日(金・祝)【大阪】Zepp Osaka Bayside
【1部】開場 12:00 / 開演 13:00
【2部】開場 17:00 / 開演 18:00
■2022年9月25日(日)【東京】Zepp DiverCity (TOKYO)
【1部】開場 12:00 / 開演 13:00
【2部】開場 17:00 / 開演 18:00
■2022年9月26日(月)【東京】Zepp DiverCity (TOKYO)
【1部】開場 12:00 / 開演 13:00
【2部】開場 17:00 / 開演 18:00
詳細はこちら:
https://bullettrain.jp/%3Fpost_type%3Dnews%26p%3D20366
『BULLET TRAIN ARENA TOUR 2022「新世界 -NEW WORLD-」』
■2022年12月24日(土)【東京】国立代々木競技場 第一体育館
開場 17:00 / 開演 18:00
■2022年12月25日(日)【大阪】大阪城ホール
開場 17:00 / 開演 18:00
詳細はこちら:
https://bullettrain.jp/news/news20342/
超特急 オフィシャルサイト:
https://bullettrain.jp/
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