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女性アーティストの意欲作が集結!『OKETA COLLECTION「YES YOU CAN −アートからみる生きる力−」展』天王洲・WHAT MUSEUMで開催中

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会場に駆けつけた桶田俊二・聖子夫妻(2022年8月5日撮影) 近藤亜樹《ネバーランド》 2021 Aki KONDO, Neverland, 2021 Copyright the artist Courtesy of ShugoArts

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寺田倉庫が運営する現代アートのコレクターズミュージアム「WHAT MUSEUM(ワットミュージアム)」にて、『OKETA COLLECTION「YES YOU CAN −アートからみる生きる力−」展』が8月6日(土)に開幕。コレクターの桶田俊二・聖子夫妻が、約20年前より収集してきた骨董や現代アートのコレクションを展示する同展。好評を博した前期「Mariage −骨董から現代アート−」展に続き、後期は「YES YOU CAN −アートからみる生きる力−」をテーマに、桶田夫妻の現代アートコレクションの原点でもある草間彌生をはじめ、近年注目を集めている近藤亜樹やジャデ・ファドジュティミ、山下紘加などの若手作家を含む国内外の女性作家を中心に、36点の現代アート作品が展示されている。

ジュリア・チャン《YES YOU CAN》2019
釉薬、陶磁器、釘
(c)Julia Chiang
Courtesy of NANZUKA

桶田夫妻が作品をピックアップする際に大切にしているのは「一目ぼれ(Love at First Sight)」だという。その精神が示すように、会場には力強く生きるエネルギーに満ち、楽しさと鮮やかさにあふれた作品群が集結。ジュリア・チャンの作品から引用された展覧会のタイトル「YES YOU CAN」というメッセージには、不安定な社会情勢にありながら、自分を信じて前向きに生きていく女性アーティストたちの姿勢がはっきりと表明される。同時に、この作品で表現される9つの文字は繊細な陶磁器でもあり、希望と壊れやすさが表裏一体であることも示唆している。ちなみにチャンの夫は、現代アート界のスター的存在であるKAWS(カウズ)だ。

山下紘加《Red Mountain》2020
アクリル、油彩、キャンバス
(c)THE CLUB
山下紘加《菖蒲の夢》2019
アクリル、油彩、キャンバス
(c)THE CLUB

現在、岡山を拠点に活動する山下紘加の作品群は、西洋画に日本画の特徴的な画面構成を織り交ぜることで、色彩同士が透明に重なり合うという“日本的な儚さ”が特徴的。自然と人間との関係性、そこから生まれる命の営みや気づきがキャンバスに描き出される。山下と同世代のジャデ・ファドジュティミは、史上最年少となる27歳でテートのコレクションに作品が収蔵された注目のアーティストだ。自身の記憶や体験を投影したアブストラクトな要素で構成された、独創的で色彩豊かな画面。そこから浮かび上がるジャデ自身のアイデンティティの探求を間近で体験してほしい。

ジャデ・ファドジュティミ《A Bellyful》2019
油彩、アクリル、キャンバス
(c) Jadé Fadojutimi /
Courtesy of the artist and Taka Ishii Gallery
コロナ禍以降、新たな素材や技法に挑戦し、表現方法はさらに多彩に。
さらなるエネルギーと生命力にあふれているファドジュティミの作品
写真左が《I can’t erase my dreams》2021
(c) Jadé Fadojutimi /
Courtesy of the artist and Taka Ishii Gallery

長引くコロナ禍の影響で「この2年半ほど、海外に行けずにいる」という桶田夫妻だが、その間、国内アーティストのコレクションに注力した結果、2人が出会ったのが近藤亜樹の作品だ。本展覧会のメインビジュアルに起用された「ネバーランド」をはじめ、約227×545cmの大作「星、光る」など計5点を展示。まるで絵筆に導かれたような自由で衝動的な筆致が生み出す、想像力と生命力あふれる色鮮やかな世界が、見る者に希望と喜びといった“目に見えない栄養”を与えてくれるようだ。

近藤亜樹《星、光る》2021
アクリル、キャンバス
Copyright the artist.
Courtesy of ShugoArts.

もちろん、桶田夫妻がコンテンポラリーアートの本格的なコレクションに踏み出すきっかけをなった草間彌生の作品も大きな見どころ。およそ200号のサイズで見る者を圧倒する《南瓜》(2015年)をはじめ、《Infinity Nets TMPQ》(2012年)、《Infinity Nets SPQOC》(2014年)などを展示。また、ニューヨークでパフォーマンスをしていた1960年代の草間を、細江英公が撮影した貴重な写真作品も見ることができる。

清川あさみ《imma(identity)》2020
ユニーク
(c)Asami Kiyokawa

草間彌生、近藤亜樹、ジャデ・ファドジュティミ、山下紘加に焦点を当てた展示スペースに加えて、アイ・チョー・クリスティン、キャサリン・バーンハート、クレア・タブレ、川内理香子、鍵岡リグレアンヌ、清川あさみら異なる個性と視点を持ったアーティスト11名の作品を展示するグループショーも見応えたっぷり。「女性がこれまで以上に活躍し、力を発揮しやすい時代になった。ぜひ、そんな作品たちを見ていただければ」と語るのは妻の聖子さん。さまざまなバックボーンを背負いながら、時代を切り開こうと表現を追求し続けるアーティストたち。彼女たちが育む、前向きなエネルギーにぜひ直接触れてほしい。

展示風景より。キャサリン・バーンハートによる映画「E.T.」をモチーフにしたユニークな作品も
展示風景より。ジェネシス・ベランジャーの立体作品も

取材・文・撮影:内田涼

【開催概要】
『OKETA COLLECTION「YES YOU CAN −アートからみる生きる力−」展』
2022年8月6日(土)~10月16日(日)、WHAT MUSEUMにて開催
https://what.warehouseofart.org/exhibitions/oketa-collection_yesyoucan/

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