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校條拳太朗×杉江大志×佐々木優佳里(AKB48)舞台『WORLD ~Run for the Sun~』がついに始動!「劇場で、衝撃の事実の目撃者になって」

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左から)佐々木優佳里(AKB48)、校條拳太朗、杉江大志 撮影:川野結李歌

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菅野臣太朗脚本による舞台『WORLD ~Run for the Sun~』がついに始動する。2013年に初演され、2016年、2021年とリメイクを重ねてファンを掴んできた“ジェットコースターサスペンス”。今回の新作は、前作『WORLD~Change The Sky~』の続編として上演される。前作から続いて主演の校條拳太朗と、杉江大志、佐々木優佳里(AKB48)に舞台への思いを聞いた。

物語のその先を演じることができて嬉しい

──校條さんが前作で演じられたのは、18年前の奥多摩孤児院殺人事件の関係者を狙い、連続殺人犯しとなり逃亡中の三上龍司役ですね。続編で再びこの役に臨むにあたって、いまの思いをお聞かせください。

校條 前作『WORLD~Change The Sky~』はひとつの作品として完結したものですが、その結末は三上龍司が求めていたものとは違うものだったと思いますし、純粋に物語のその先を知りたかった。前作を通して、龍司がどう変わっていったかというところを演じることができるのは嬉しいです。

──校條さん、杉江さん、佐々木さんが演じられる若者は、18年前の事件に対してそれぞれに強い思いを抱いていますね。

校條 龍司はすごく真っ直ぐな人間です。自分が信じる正義に基づいていろいろな選択をしてきたけれど、真っ直ぐであるがゆえに殺人を犯してしまった。殺人犯という役柄は初めてでしたから、この作品を経験したことで考え方が少し変わりました。殺人事件のニュースに触れた時、殺人は絶対的な悪だけれど、殺人を犯した人にとって、その動機はどんなところにあったんだろうと考えるようになりました。

杉江 僕が演じる相沢顕示は、龍司に殺人を実行するための情報を流して、殺人教唆の罪で捕まる──というところで前作が終わっています。顕示も、龍司とともに奥多摩の孤児院で育ち、同じ事件に居合せた。ふたりとも殺された保育士の先生のことをすごく慕っていたし、真っ直ぐな龍司は事件のことを18年間ずっと抱えてきたけれど、顕示はもう少し複雑。復讐の思いに囚われずに生きたい、自分の幸せは壊したくないと思いながら、心の底にあるもやもやを払拭しきれずにいたんです。

佐々木 私が演じる飯島久留美は、奥多摩の殺人事件で大切な姉を亡くし、ずっと闇の中をひとりで歩いてきたけれど、ある日龍司と顕示に出会い、希望を見つけました。前作では凄く悲しい結末となりましたが、今回のタイトル、“~Run for the Sun~”という言葉を見たとき、明るいものが見えるのではないかと感じたんです。

──皆さん、それぞれの役にどのようにアプローチされていたのですか。

校條 怒りや復讐心のもととなるような感情を、自分の生活の中で少しずつ蓄積させて、稽古場にもっていくようにしていたんです。たとえば駅のホームで、わざと避けないでぶつかってくる人っているじゃないですか。そういう時の感情ですよね。演技のことを思えば、ぶつかられても「これ、ありがとうございます!」ってなりました(笑)。

杉江 犯罪を犯す気持ちは、そうした出来事の延長線上にあるのかも。非現実的なものかもしれないけれど、意外と現実と隣り合わせにあるように思います。

佐々木 私の場合、前作では姉を殺されるシーンが何度も出てきて、側で見ているのがとても辛かった。その中で復讐心が次第に生まれてきたし、自分から動かないと何も変わらないと強く感じたりもしました。でも、私自身とは性格も全然違うし、サスペンス系のお芝居も初めてのことでしたから、いろんな方からアドバイスをいただいたり、「こういう捉え方もあるんだな」と気づくこともできたり。この続編ではもっとパワーアップした久留美を見ていただきたいと思っています。

杉江 顕示は矛盾を抱えています。こんなことに関わらなければもっと幸せなところに行けたかもしれないし、龍司に「そんなことはやめろ」と言いながら、そうなるように仕向けていく。それを抱えたままお芝居するのは結構難しく、本番中も毎回毎回、違っていました。

佐々木 毎回、違うところがありました。作中はこの3人でやりとりする場面が多かったのですが、「今日はこうでしたよね!」って校條さんに話したこと、ありましたよね。

校條 臣太朗さんにも、「こうと決めないでください」と言われていましたし、その時々のお互いの受け取り方で、日々変化がありました。

杉江 そう。新鮮さを失ってしまったら、ただのサスペンスになってしまう。

自分の価値観がどうやってできあがったのか、向き合うきっかけになれば

──前作の現場の雰囲気はいかがでしたか。

校條 こういう重々しい作品ですから、和気藹々、という感じにはなかなかなりませんが、金山一彦さんが合間合間に明るく、楽しくしてくださっていましたね。今回もご一緒できるので、楽しみです!

──あらためて、このシリーズならではの魅力を教えてください。

校條 舞台を観ていただいた後に、自分の生活に対する見方が変わるかもしれないし、自分が知っている情報は本当は正しくないんじゃないかなと思ったりもするのではないかと思うんです。自分がいる世界とはかけ離れていると思っていた世界が、実は身近なものだったという、突如落ちていくような感覚──“ジェットコースターサスペンス”というのは、そういう意味でも捉えられるなと思っているんです。

杉江 いろんなことがわからず進んでいく中で、最後にどんでん返し──そのスピード感のある展開を純粋に楽しむこともできますが、この作品にはたくさんのメッセージがこめられていると思うんですよね。ここでは明らかにしないでいただきたいのですが(笑)、そのメッセージ全部に明確な答えがあるわけじゃないということも、この作品の魅力になるんじゃないかなと。

たとえば、人間って何だろうとか、正義って何だろうとか、いくら考えても確かな答えはない──それが世界。だから、考えることを諦めないでほしいということが、いちばん のメッセージかなとも思います。

佐々木 人それぞれに正義とか生き方があって、共感してもらえる部分もあるかもしれないですが、とにかく、物語の中で明かされる衝撃の事実、真実だったり、いろんな伏線が繋がっていくのを追う、サスペンスならではの楽しみ方もあると思います。今回の続編が発表された時、ファンの方からの反響が大きくて、「すごく面白い舞台だから絶対観にいく!」という声があがったのは嬉しかったです。

杉江 老若男女、あらゆる人たちに観ていただけたら。世代や性別によっても感じ方は変わると思いますし、その違いは、世界の捉え方の違いとも言える。でも、どれが正しい、間違っているとは言えないはずだし、自分とは違う考えをする人がいるということも知ってもらえたら。たとえば二十代前半の人たちにとっても、自分の価値観がどうやってできているのかなっていうことを考える、そのきっかけになったらいいなと思っています。

校條 ニュースで得られる情報って、何かしら答えが出ているように思えるし、そういったことにばかり頼りにしてしまいがち。この作品を観ていただいたら、物事の見え方とか、見聞きしていた情報に対する感じ方が、ちょっと変わるかもしれません。

佐々木 たくさんの方に観ていただきたいと思っています。同年代の方々はとくに、「面白い!」と受け取ってもらえるのではないかと思うんです。スピード感のあるお話で、どの瞬間も目が離せない。演出もすごくリアル。劇場で、衝撃の事実の目撃者になっていただきたいです。

取材・文:加藤智子 撮影:川野結李歌

舞台『WORLD ~Run for the Sun~』チケット情報はこちら:
https://w.pia.jp/t/runforthesun/

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