Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > 「卒業しても俺たちは仲間だから」DISH//が後輩たちに渡したバトン「EBiDAN THE LIVE 2022~EBiDAN AWARDS~」2日間ライブレポート

「卒業しても俺たちは仲間だから」DISH//が後輩たちに渡したバトン「EBiDAN THE LIVE 2022~EBiDAN AWARDS~」2日間ライブレポート

ニュース

続きを読む

8月20日、21日、「EBiDAN THE LIVE 2022~EBiDAN AWARDS~」が東京ガーデンシアターにて行われた。
恵比寿学園男子部、通称EBiDANが一堂に会する年に一度の“お祭り”。3年ぶりの開催ということで、会場の期待もMAXだ。更に、今回の「EBiDAN THE LIVE」をもってDISH//がEBiDANを卒業することが発表されている。EBiDANにとっても、ファンにとっても忘れ難い時間となった2日間の模様をレポートする。

2日間のお祭りがスタート!

会場は開演時間前から音楽に包まれていた。オープニングアクトとして、1日目はCZ’22、えびぽん、ONE LOVE ONE HEART、2日目はZeBRA☆STAR、EDAMAME BEANS、STA*Mが登場。

CZ’22
えびポン
ONE LOVE ONE HEART
ZeBRA☆STAR
EDAMAME BEANS
STA*M

場が盛り上がったところで、本編がスタート。ステージ中央から、EBiDAN NEXT、BUDDiiS、原因は自分にある。、ONE N’ONLY、さくらしめじ、SUPER★DRAGON、M!LKが登場。グループの名前がコールされるたびに会場を埋め尽くすペンライトが大きく揺れた。それぞれがスタイリッシュなジャケットという装いに、グループによってはいつもと違う雰囲気を醸し出している。
超特急とDISH//は1階客席後方から登場し、ファンを喜ばせた。EBiDANを引っ張る両グループの存在感は抜群だ。
全グループがそろったところで披露されたのはEBiDAN『New day! New Wave!』。超特急のタカシの伸びやかなボーカルからスタートした楽曲、EBiDAN全員によるダンスは圧巻。これから始まるお祭りへの期待感を煽っていく。

フレッシュな歌声を披露 EBiDAN NEXT

EBiDAN NEXT

今年のEBiDAN THE LIVEはEBiDAN AWADSの発表と共に、受賞グループがそれぞれ楽曲を披露していく。
「Best Growth Group」を受賞したのはEBiDAN NEXT。著しい成長を見せたグループに送られる賞だ。1日目は『Sha na na』と『poolsaido romance』をshort ver.で披露したほか、「FAKE MOTION -卓球の王将-」で恵比寿長門学園のテーマソングとなっている『疾風迅雷』をタイトルコールすると、会場からは小さく歓声があがった。
2日目は『With you With me』のshort ver.、『Run on this my way』、『FAKE MOTION』のTV sizeと1日目とは異なるセットリストだ。

BUDDiiSが会場を黄色の光で染める

BUDDiiS

続いて、自分たちで確立したスタイルを大事にしている「Best DIY Group」を受賞したのはEBiDAN THE LIVE初登場となるBUDDiiSだ。メンバーのKEVINが作詞作曲した『YO HO』でまずはゴキゲンに会場にご挨拶。初登場ということもあり、メンバーそれぞれが自己紹介したあとは、デビュー曲『CLICK ME』。KEVINとMORRIEのハーモニーが心地よく響く楽曲だ。続いては『Under The Sea』。メンバーそれぞれの見せ場も多く、BUDDiiSというグループをしっかしりと会場に印象づけた。
2日目のパフォーマンスではガラッとセトリを変更。1曲目はKEVIN作詞作曲の『ENCHANT』を。FUMINORIの「ペンライト、よかったら黄色にしてみてください!」という呼びかけで会場は黄色の灯りで染まった。そんな中、『HOT CHEESE』、8月24日リリースの新曲『SM:)LE』を披露し、客席に笑顔を届けた。



常にグループの最高を更新を続ける原因は自分にある。

原因は自分にある。

「Best Avantgrade Group」を受賞したのは原因は自分にある。だ。前衛的なパフォーマンスが印象的な”げんじぶ”。エビライでのパフォーマンスも、ステージ上の大きなスクリーンを思う存分活用した、げんじぶカラーがしっかりと出たものになった。
『夢に唄えば』、『嗜好に関する世論調査』、『原因は自分にある。』、『キミヲナクシテ』、そして最新曲『原因は君にもある。』をメドレーで披露。杢代和人は撮影のため欠席だったが、杢代のパートは映像で。「二次元と三次元を行き来している」彼らだからこそ、その演出にも違和感がない。加えて、ツアー時よりもさらにキレが増したダンスで、会場を魅了。
2日目は1日目と同じくメドレーながら、前半の楽曲が代わり、『柘榴』、『シェイクスピアに学ぶ恋愛定理』、『0to1の幻想』を。映像による演出で奥行きのあるステージを見せた。
そして、2日目のステージではラストの曲『原因は自分にもある。』で欠席とアナウンスされていた杢代が急きょ登場。会場からは思わず歓声が起こったが、それ以上に杢代が登場した瞬間の6人の表情が印象的だった。

世界を魅了するONE N’ ONLYのパフォーマンス

ONE N’ ONLY

「Best World Wide Group」を受賞したのはONE N’ ONLY。今年の7月にはブラジルで行われた南米最大のアニメフェス「Anime Friends 2022」に出演。ついに海外で初のライブを成功させた、まさにWorld Wideなグループである。
1日目は『What’s Your Favorite』、『Breathe』、『Category』、『YOUNG BLOOD』をメドレーで披露。ワンエンらしいワイルドなサウンドの楽曲だけではなく、『Breathe』で大人の魅力も見せた。
打って変わって2日目は最新曲の『LUCKY』、『Video Chat』、『My Love』と爽やかでアップテンポな楽曲をメドレーで。1日目のクールな表情とは真逆の笑顔を見せ、改めてグループとしての振り幅を感じさせた。また、客席と一緒にできる振りも多く、一体感が高まる。『My Love』では、歌うTETTAにKENSHINがバックハグで「愛してるよ」と囁く場面も。メンバー同士の仲の良さ、チームワークの良さも垣間見られた。



DISH//への想いも感じられるさくらしめじのステージ

さくらしめじ

さくらしめじは「Best Matsutake Duo Group」を受賞。
1日目にまず披露したのは1stシングルの『いくじなし』。久しぶりにやったという楽曲だが、選んだ理由として田中雅功は「2016年のエビライで(北村)匠海くんがこの曲を超特急のタカシくんとやってくれて」。高田彪我は首にかけていたタンバリンを指さし、「ちょうど同じタンバリンを使っていた」と明かした。
2日目の1曲目は『ひだりむね』。イントロだけで、会場を埋め尽くす青と緑のペンライトが大きく揺れた。この曲もまた、DISH//にゆかりがある楽曲。2018年のエビライで矢部昌輝がやっていたという。そんな2曲を今回のエビライで演奏したというのは、ひとつのさくらしめじからDISH//へのメッセージにも感じられる。
そして、最新曲『辛夷のつぼみ』もまた偉大な先輩へ贈る曲。さくらしめじ2人の今の気持ちが詰まった曲に、会場も聴き入った。



今とこれからを感じさせるSUPER★DRAGONの現在地

SUPER★DRAGON

SUPER★DRAGONは「Best Powerful Group」を受賞。体に響くような重低音の楽曲のイメージが強いSUPER★DRAGONだが、1日目に披露したのは爽やかなナンバー。現在、毎月連続リリースを行っている彼らの新曲『Summer Party』、『Crusin’』、『Brand New Music』という夏の風を感じさせるようなセットリストで客席の意表を突いた。
しかし、2日目は『Pioneer』でスタート。会場を埋め尽くすBlueのペンライトが大きく揺れる。一転、真っ赤な照明の中での『WARNING』はBest Powerful Groupの名にふさわしいパフォーマンス。1日目のセットリストにもあった『Crusin’』に続き、大人っぽい雰囲気を纏って『My Playlist』を。
そしてラストには最新曲『So Woo』。ポップではあるが、激しさもあり、ダンスも高難度。もともとあるSUPER★DRAGONの魅力に、今年から垣間見せている新しいカラーが加えられているようにも感じられ、更なるグループの成長を予感させるステージとなった。

これぞ、アイドル M!LK

M!LK

「Best Prince IDOL Group」を受賞したM!LK。その賞の名にふさわしい衣装で登場した両日。1日目はメジャーデビュー曲『Ribbon』からスタート。キラキラとしたアイドルらしい楽曲で魅了したかと思えば、『君の知らない世界へ』ではクールで大人な表情を見せる。『サンキュー』披露前には衣装の早替えも。つい、アイドルと聞くと早替えを連想するが、それが4曲のセットリストに組み込まれているのがさすがである。
2日目は『HIKARI』から『かすかに、君だった』へ。この日は3曲の披露だったが、しっかり早替えも。1日目、2日目ともに、オリコン週間シングルランキング1位を獲得した最新曲『奇跡が空に恋を響かせた』で締めくくった。
2日間で全7曲。その中で、M!LKの魅力と自己紹介をぎゅっと詰め込んでいる。
2日目は、早替えで佐野勇人の衣装がなかなか脱げないという場面も。それを捌け際にメンバーがツッコみ、ハプニングを回収しているのもM!LKらしい。



1日限りのシャッフルユニット

GIRA GIRA★DRAGON

エビライならではのパフォーマンスと言えばシャッフルユニットだ。
1日目はSUPER★DRAGONの『Untouchable MAX』、超特急の『Dance Dance Dance』をこの日限りのユニットで披露した。
SUPER★DRAGONの『Untouchable MAX』は「GIRA GIRA★DRAGON」として志村玲於役をFUMIYA(BUDDiiS)、ジャン海渡をHAYATO(ONE N’ ONLY)、古川毅を武藤潤(原因は自分にある。)、飯島颯をKENSHIN(ONE N’ ONLY)、伊藤壮吾を山中柔太朗(M!LK)、池田彪馬をEIKU(ONE N’ ONLY)、田中洸希を田中雅功(さくらしめじ)、松村和哉を吉澤要人(原因は自分にある。)、柴崎楽をFUMINORI(BUDDiiS)が担当した。
吉澤が客席を煽り、雅功がヒューマンビートボックスにトライしようとする様子、FUMIYAとHAYATOが隣合わせで踊っているのも普段なら、なかなか見ることができない。EIKU、武藤潤らのボーカルも冴えわたり、いつもと違う音色を響かせた。

超快適

超特急の『Dance Dance Dancing!』は「超快適」としてカイ役を桜木雅哉(原因は自分にある。)、ユーキを塩﨑太智(M!LK)、リョウガをREI(ONE N’ ONLY)、タクヤを田中洸希(SUPER★DRAGON)、タカシをMORRIE(BUDDiiS)が務めた。
超特急カラーの衣装に身を包み、センターに立つのは塩﨑。なめらかなダンスで魅了する。カメラに抜かれると、唇に指を当て、カメラに向かって投げる仕草を見せる洸希とREI。桜木は少しはにかんだ笑顔が印象的だ。透明感のあるMORRIEの歌声で、新鮮な『Dance Dance Dancing!』となった。

HOT M!LK

そして2日目はM!LKの『恋がはじまる』をシャッフルユニットHOT M!LKが、DISH//の『サイショの恋~モテたくて~』をMASH↑↑が披露した。
HOT M!LKは佐野勇斗役を長野凌大(原因は自分にある。)、曽野舜太を飯島颯(SUPER★DRAGON)、塩﨑太智を大倉空人(原因は自分にある。)、山中柔太朗をNAOYA(ONE N’ ONLY)、吉田仁人をKEVIN(BUDDiiS)が担当。
ピンクの衣装を着ること自体、意外なメンバーもおり、普段の魅力と相まってステージに釘付けになる。普段はダンサーの颯の歌声も新鮮だ。少しぎこちなさもあるNAOYAのキュートなウィンクには会場も思わず湧いた。

MASH↑↑

MASH↑↑は北村匠海役をTETTA(ONE N’ ONLY)、橘柊生を曽野舜太(M!LK)、矢部昌暉を小泉光咲(原因は自分にある。)、泉大智を伊藤壮吾(SUPER★DRAGON)が担当。ギターを持つTETTAと小泉、元気に客席に声を投げる曽野、笑顔を弾けさせる伊藤……と全体的にかわいらしく、微笑ましい。最後はTETTAが「DISH//先輩!EBiDAN12年間お疲れさまでした!シャッフルができて嬉しいです!」と挨拶で締めくくった。

「5人」と「9人」で予感させる新しい超特急

超特急

後半戦に登場した超特急が受賞したのは「Best Entertainer Group」。そんな彼らのステージはメンバー5人を紹介する『OVERTUNE」からスタート。1日目の1曲目を飾ったのは『激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリームわ~るど』。しょっぱなからぶちあがり、『Don’t Stop 恋』、クールに『Kiss Me Baby』と続く。そして『Four Seasons』、『Summer love』、『超えてアバンチュール』と「今」の超特急を感じさせられるものだった。
2日目では全く違うセトリで会場の心を掴む。1曲目の『Booster』から会場のボルテージがグンッと上がる。『We Can Do It!』、『You Don’t Care』と曲が始まるたびに、ハッと客席が息を吞むのが分かる。
さらに突き刺すような強い照明の中で懐かしの楽曲『FLASHBACK』、『No More Cry』と続き、『No.1』へ。客席のペンライトが揃った動きを見せ、花を添える。どこか、同期であり、戦友のDISH//に送るセットリストのようにも感じられる。
両日共にラストの曲は『Burn!』。8月8日から新体制となった超特急。『Burn!』では新メンバーを加えた9人でパフォーマンスを。
これまでの、今の「超特急」を見せつつ、未来も感じられるステージとなった。



12年の想いを込めて DISH//、EBiDANラストステージ

DISH//

2日間の「EBiDAN THE LIVE 2022~EBiDAN AWARDS~」の大トリを務めるのは、DISH//だ。EBiDANを卒業し、「DISH//」として新たな道を歩む。1曲目は、そんな彼らの今にぴったりにも感じられる『DAWN』。「俺たちがNo.1だ!」という北村匠海の声と共に始まったのは『No.1』。超特急が『No.1』を披露した際にはタカシが「超特急がNo.1や!」と叫んでいたので、勝手ながら超特急とDISH//の関係性が感じられてグッと来てしまう。
MCでは、「本当に最後なんだな、って感じがしてる」と言う北村匠海。「12年間本当にたくさんの思い出、いい思い出、怒られた思い出、失敗したこともあったし、そういう思い出全部ここに吐き出せたらな、と思って」と言い、今の自分たちを観ている全ての人に届けたいと語った。
あいさつ代わりに、と披露された『猫』。『Get Power』、『B-BOY』、『Seagull』が力強いボーカルで届けられる。
ラスト。北村匠海は「今日はみんなと、EBiDANらしく、変顔でバイバイできたらと思ってこの曲を持ってきました」と『変顔でバイバイ!!』で締めくくった。



それぞれの新しい道へ

2日間の全てのパフォーマンスが終わり、全グループがステージへ。それぞれのグループから語られたのは、楽しかった2日間のこと、これからへ向けての新たな決意、そしてDISH//へのメッセージだった。
超特急タクヤからは「DISH//が卒業した途端、EBiDANグループみんなで売れようぜ! 売れてDISH//にやめなきゃよかったって思わせようぜ!」という愛と気合の入った言葉に会場が湧き、そんなメンバーたちへ、DISH//からもメッセージが送られた。
「EBiDANに入ってダメだったら北海道に帰るか、って話を家族としていた」という橘柊生。いろんなことを乗り越えて立っている今のステージ。「マジで信じられないです。袖に見切れるぐらいのところに立っていた僕が、今ドセンターに立っているわけですよ。本当に何が起こるか分からないEBiDANなんで、お前らがんばるんだぞ!」と後輩たちにエールを送った。

泉大智は「EBiDANに入って12年なんですけど、DISH//に入れたのもEBiDANがあったから、と言っても過言ではありません。これからより音楽に本気で向き合ってがんばっていきたいと思いますので、よろしくお願いします」と決意を語った。
「みんなのライブを裏で観てたり、ゲネプロは客席で観ていたんですけど、本当にみんなパフォーマンス力高いし、もっともっと上に行けるなって思いました」と矢部昌暉。そして、「卒業する僕らですけど、みんなのことを誇りに思いました。これからもがんばってください、ぼくらも負けないようにがんばります!」。

北村匠海は「終わっちゃうんだな、と思っているんですけど、僕は超特急をすごく誇りに思ったし、後輩たちも力強くて感激してました。後輩にも同期にも伝われ、って思ってライブをやったんですけど、この2日間すごくいい時間だったな、と思ってます」とかみしめるように語った。そして後輩たちにエールも。
「さくらしめじはこんな小さいとき(指でサイズを示しながら)から見ていたから、演奏はしめじちゃんに任せるし、M!LKとSUPER★DRAGONはこの先、絶対もっと、もっと刺激し合ってすげぇ2グループになってください。みんなにもっともっと大きくなってほしいし、これよりもっとすごい景色を見せてくれると思うので、僕らはもっとその先で待っててやるよ!」
そんな匠海の言葉を受けて、柊生も「ずっと背中を見せ続けましょう!」と力強く言った。

全メンバーでの『Believe Yourself』のパフォーマンスのあと、それぞれのグループが見送られ、ステージに残ったのは超特急とDISH//。2組だけで、卒業セレモニーが行われた。タカシから大智へ、ユーキから昌暉へ、タクヤから柊生へ、そして、カイから匠海へ贈られる卒業証書。それぞれのメッセージがつづられ、「会えないわけじゃない」と言いながらも、寂しさは隠しきれない。1日目から泣いていたユーキは涙を拭くために白いフェイスタオルを持参していたぐらいだ。

自身のパフォーマンスのあと、「超特急の『FLASHBACK』、『No More Cry』、『No.1』とか見てたんですよ。ヤバかった。グッときすぎて、いろんなららぽーとを思い出した」と言っていた匠海。2日間で超特急からも、DISH//からも何度も一緒に過ごした日々のことが語られた。それぞれにしか分からない気持ちも、観ていたファンにしか分からない気持ちもあるに違いない。
EBiDAN初の卒業。ここがまた新たなEBiDANのスタートになるのかもしれない。

取材・文:ふくだりょうこ 撮影:米山三郎、笹森健一、小坂茂雄