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インナージャーニー “名刺代わりになる”1stアルバムが完成。結成3周年ライブを控えた今の心境を語る

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4ピースロックバンド・インナージャーニーが1stアルバム『インナージャーニー』を完成させた。

バンドの知名度を高めた代表曲「グッバイ来世でまた会おう」、オムニバス映画『THEATERS』エンディングテーマ 「映写幕の向こうへ」、ライブペインティングパフォーマー / 画家の近藤康平とのコラボMVも話題の「深海列車」、myeahnsの逸見亮太が楽曲提供した「とがるぺん」などを収めた本作。

カモシタサラ(G / Vo)が生み出す叙情性と凛とした意志を併せ持った楽曲、そして、本多秀(G)、とものしん(B)、Kaito(Ds)によるエモーショナルなバンドサウンドなど、1stアルバムに相応しい、瑞々しい可能性に溢れた作品に仕上がっている。

10月1日(土) には、インナージャーニー結成3周年ライブ『インナージャーニーといっしょ vol.3 -内旅編-』(東京・duo MUSIC EXCHANGE)の開催も決定。バンド名を冠したアルバム『インナージャーニー』によって、4人のストーリーはさらに大きく動くことになりそうだ。

――1stアルバム『インナージャーニー』がリリースされます。バンド結成から3年で辿り着いた作品ですが、手ごたえはどうですか?

カモシタサラ(以下、カモシタ) 「やっと形になった」というのが大きいですね。ライブでずっとやってきた曲も入ってるし、(収録曲は)メンバーと話し合って厳選したんですけど、とにかくアルバムを出すことがバンドの目標だったので。

カモシタサラ(G / Vo) Photo:笑子

とものしん それほどリリースペースが早いバンドではないんですけど、ずっとアルバムを出したいねという話をしていて。1stアルバムにしてベストというか、名刺代わりになる作品が出来たと思っています。

Kaito 3年前にバンドを結成したときから、アルバムを作りたいというのはメンバーの共通した思いだったんですよ。いろんなことがありましたけど、どうにか形にできて。今の等身大の姿が示せたアルバムだと思いますね。

本多秀(以下、本多) やっと区切りが付けられたし、「ここまで来れたな」と。ここからまた、新しいことをやっていける気がしています。

――収録曲のなかで、いちばん最初にレコーディングした曲は?

本多 「エンドロール」(Album mix)ですね。

本多秀(G) Photo:笑子

とものしん 1st EP(『片手に花束を』)に入ってる曲だから、リズム隊のレコーディングは2019年の10月。「エンドロール」は結成して3曲目くらいに作った曲ですね。レコーディングの“イロハ”もまったくわかってなかったし、とりあえず録ってみたというか。今聴くと「下手くそだな」と思うけど(笑)、同時に「今、こういう感じを出すのは難しいだろうな」ということも感じて。自分でいうのもアレですけど、初期衝動というか。「こういうアレンジにしよう」とか「この曲はこんな感じで表現しよう」みたいな合理的な考えが一切なかったので。

とものしん(B) Photo:笑子

Kaito ドラマーとしてどういう音を出したらいいか、どういう曲にしたらいいかもよくわかってなくて、かなりフワフワした状態でした。確かに何もわかってなかったけど(笑)、この4人で音を出すこと、ライブをやることが気持ち良くて。そういう初々しさみたいなものが「エンドロール」にもあるんじゃないかなって。とものしんも10代だったよね?

Kaito(Ds) Photo:笑子

とものしん ギリギリ10代だった(笑)。

Kaito 若さというか(笑)、良くも悪くも勢いや粗っぽさがあって。レコーディングは、そのときの等身大が出るものだと思ってるので、この曲が1stアルバムに入っているのも意味があるなと。

本多 3年前はギターを始めたばかりで、曲の全体像なども掴めてなかったんですよ。「とにかく録るしかない」という勢いがあるし、今聴いても面白いなと思います。その後、2nd EP(『風の匂い』)、アルバムの制作を重ねるなかで、どうすれば曲を盛り上げることができるか、歌に寄り添えるかという視点も得られるようになって。以前はもっと歌が主体だったんですけど、今回のアルバムはギターサウンドも前に出ていて。ギターロック的なアプローチも出来たのかなと思います。

彼女の歌に惹かれているのは、全員に共通していると思います(とものしん)

――なるほど。カモシタさんはバンド結成当初、「こういうサウンドにしたい」というイメージはあったんですか?

カモシタ いや、全然なかったですね。私はもともとソロで活動していて、「バンドの音でやりたい」というところからインナージャーニーを結成して。最初のころはすごく仲がいいわけではなかったし(笑)、「バンドがやりたい」という一心で、目指すべき音も特になかったんです。ただ、出来上がったものを聴いて「カッコいい」と思っていたし、手探りで制作を続けるなかで、だんだんインナージャーニーっぽさが出てきたのかなと。

――アルバムの楽曲のなかで、「これはインナージャーニーっぽいな」と思う曲は?

カモシタ うわあ……。“せーの”で言う?

――(笑)カモシタさんからお願いします。

カモシタ 私は「深海列車」ですね。いちばん「詰まってるものがいっぱいあるな」というか、メンバーそれぞれに見せ場があって、ライブでも「インナージャーニーだなあ」と思いながら歌っているので。

――メンバーの音がしっかり詰まってることが、インナージャーニーらしさだと。

カモシタ はい。そんな気がしますね。

とものしん 僕は「少女」ですね。僕らは名前(バンド名)も拝借しているし、andymoriフォロワーとして見られることが多くて。実際、好きなバンドではあるし、そういわれるのもありがたいんですけど、「それだけじゃなくて、こういう曲もできるよ」というのが「少女」なのかなと。僕らは今のところ、バンドサウンド以外の音を1回も入れたことがなくて。

――鍵盤やストリングスが入ってないですよね。

とものしん そうなんです。メンバーが誰もやれないから入れてないだけなんですけど(笑)、リズムパターンや音色、フレーズなどで個性を出していて。「少女」はそれがすごく出ているし、今のシーンのなかで、こういう曲を作れるのは僕らだけじゃないかなと。

Kaito 僕はアルバムの最後に入っている「Walking Song」かな。「会いにいけ!」(3rdデジタルシングル)、「クリームソーダ」(1stデジタルシングル)、あとは「Fang」(ミニアルバム『風の匂い』)もそうなんですけど、アップテンポで、ちょっとゴリッとした音で。メンバーがそれぞれ好きなようにやってるのもいいなと。

――自由に演奏している?

Kaito そうですね。自分のことで言うと、ドラマーを始めた当初はラウドやメタルの影響を受けていて。その感じをインナージャーニーというバンドで表現できているのが、「Walking Song」みたいな曲なのかなと。この曲、最後のサビはメンバーみんなで歌ってるんですよ。ライブでも一体感を生み出せるだろうし、みんなでワイワイ演奏できるんじゃないかな。

本多 僕はサラと同じで「深海列車」ですね。考え方としてはKaitoとはちょっと違って、楽しむというより、やりたいことをコントロールした先に表現があると思っていて。「深海列車」はまさにそういう曲だし、インナージャーニーらしさがしっかり出ている楽曲だと思います。

――考え方やアプローチは違っても、“歌が真ん中にある”というのは共通しているのでは?

とものしん それがブレたことはないと思いますね。3年前に学校の後輩だったサラから「ベース弾いてほしい」とLINEが来て。彼女が歌ってることも知らなかったし、最初は何だろう?と思ったんだけど(笑)、「グッバイ来世でまた会おう」のデモ音源を聴いたときに、「これを逃したら後悔するだろうな」と思って。彼女の歌に惹かれているのは、全員に共通していると思います。

――カモシタさんのソングライティングもバンド結成当初に比べて変化している?

カモシタ だいぶ変わったと思います。3年前は思い付いたものを何でも曲にしていたところがあって。今も「そうあるべきだな」と思うんだけど、始めたばかりの頃の曲を聴くと、「こいつ、何も言ってないな」と思うこともあって(笑)。最近はしっかり練りながら歌詞やメロディを書いているので、そこはだいぶ変わってきてるのかなと。歌詞にしても、「この言い方でいいのかな?」と考えるようになりました。

――なるほど。たとえば1曲目の「わかりあえたなら」は他者とのディスコミュニケーションがテーマになっていますが、カモシタさん自身の経験と社会の状況がどちらも反映されていて。

カモシタ 確かにどっちもありますね。家の猫たちがずっとケンカしていたり(笑)、友達との関係を思い浮かべながら書き始めたんですけど、メロディや歌詞を練っているうちに「世の中のことにもつながっているな」と思って。

――価値観の違いって、いろんな場面で実感しますよね。

カモシタ このバンドもそうかも(笑)。

とものしん 価値観はだいぶ違うよね(笑)。

カモシタ (笑)でも、分かろうとしなくなったら、そこで終わりなので。分かり合う努力が大事だなって、よく考えますね。

たくさんのファンのみなさんの前で“ただいま”って言いたい(カモシタ)

――10月1日(土) には、インナージャーニー結成3周年ライブ 『インナージャーニーといっしょ vol.3 -内旅編-』(東京・duo MUSIC EXCHANGE)が開催されます。記念碑的なライブになると思いますが、意気込みを聞かせてもらえますか?

カモシタ アルバムをリリースすることで、インナージャーニーの音楽を聴いてもらえる機会も増えると思っていて。会場に来てくれた方に「ライブだとこんな感じになるんだ?!」と感じてほしいし、音源を超えるようなものを届けたいですね。渋谷のduoは3年前、この4人で初めてステージに立った会場なんですよ。(バンドコンテスト)『未確認フェスティバル2019』のセミファイナル審査だったんですけど、たくさんのファンのみなさんの前で“ただいま”って言いたいし、気合いはめちゃくちゃ入ってます。

とものしん 初めてduoでライブをやったときから3年経って、セルフタイトルの1stアルバムを出して。またあの場所に戻れるのはすごくうれしいですね。プレッシャーもあるんですけどね。「インナージャーニー」というアルバムはすごくいい作品になったと思っているし、ライブでもしっかり表現したいので。今年、まだ2回しかライブをやってないんですよ。

Kaito そうだね(笑)。この3年はすごく目まぐるしかったし、いろんなことがあったんですけど、とにかく4人で音を鳴らし続けてきてメンバーが言ってるように、3年越しで作ったアルバムを引っ提げてduoでワンマンライブをやれるのは感慨深いです。

――ライブの内容も固まってきてますか?

Kaito はい。アルバムを作ったことでセトリも組みやすくなって。いつもギリギリまでセトリが決まらないんですけど(笑)、今回は早めに決めて、演出やグッズなどもみんなで考えて。

本多 音はもちろん、演出やステージングも大事なので。ファンのみなさんの期待値も高いと思うし、それに応えたいという気持ちはすごく強いです。

Kaito バンドの第1幕の締めくくりを示したいし、次のステージに向かうきっかけになると思っていて。意味のあるライブになると思います。

――次のビジョンも既にある?

カモシタ 外(野外)で有観客ライブをやってみたいです。フェスにもたくさん出たいし、がんばります!

Photo:笑子

Text=森朋之

<ライブ情報>
結成3周年記念ワンマンライブ 『インナージャーニーといっしょ vol.3 -内旅編-』

2022年10月1日(土) 東京・duo MUSIC EXCHANGE
開場 17:00 / 開演 18:00
チケット代:4,000円(+ドリンク代)

チケットはこちら:
https://w.pia.jp/t/innerjourney-3/

<リリース情報>
インナージャーニー 1stアルバム『インナージャーニー』

2022年9月7日(水) リリース
価格:3,000円(税込)

インナージャーニー『インナージャーニー』ジャケット

関連リンク

公式HP:
https://innerjourneytheband.wixsite.com/officialsite

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