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【南沙良×大西流星(なにわ男子)インタビュー】シリアスな芝居の合間に“癒し”も。映画『この子は邪悪』撮影裏話

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家族全員で交通事故に遭った一家、そのせいで脚に障がいが残った父、植物状態になった母、ひとりだけ無事だったことに罪悪感を抱える長女、火傷を負った顔をマスクで隠す次女……。不穏な空気がたちこめる“異質の謎解きサスペンス”、『この子は邪悪』で主人公の長女・窪花を演じた南沙良と、彼女の幼なじみ・四井純を演じた大西流星。予想をことごとく覆す展開の先に衝撃のラストが待ち受ける本作を、ふたりはどう受け止めたのか。作品について、撮影現場での出来事について、話を聞いた。

正解が分からないものだからこそ家族について考えたくなる

──まずは、演じる役柄について教えてください。

 花は家族全員で交通事故に遭い、心に傷を負ってしまった女の子です。しかも、自分だけが無事だった罪悪感を抱えていて。そういった心の傷や暗いものを、ふとしたときに表現できればいいなと思っていました。

(C)2022「この子は邪悪」製作委員会

大西 純くんも純くんで家族に問題を抱えていて、自分のお母さんの心が壊れてしまった原因を突き止めようとしています。そうしている中で、幼なじみの花ちゃんに再会して。名前のとおり純粋な子で、僕も見習わなくちゃなぁと思うくらい真っ直ぐですね。年齢は16歳ですけど大人っぽくて、尊敬する部分がたくさんありました。

(C)2022「この子は邪悪」製作委員会

──そんな花と純の再会に前後し、窪家では不穏な出来事が進行していきます。

大西 現実離れした物語であると同時に、どこか共感できる部分もあったりして。登場人物ひとりひとりのキャラクターが濃く、視点を変えて見ていただけると捉え方も変わります。人間のちょっとした生々しさやリアルな恐怖が描かれていて、新しいサスペンスなのかなとも感じました。僕らの日常でも、もしかしたら起こり得るのかなぁって。

 基本的には、家族の物語ですしね。家族の形がいろいろと複雑化している中で、こんな家族の形や愛の形もあるんだなと感じました。いろいろな形があり、正解が分からないものだからこそ家族の定義について考えたくなりますし。そういったリアリティを、お芝居でしっかり表現したいなとも思っていました。

初共演で抱いたお互いの印象。撮影以外での意外⁉なエピソード

──今回が初共演のおふたりですが、撮影現場での互いの印象は?

大西 撮影はもう1年前のことで……。

 (答えるのが)難しいですね……。

大西 難しい!?(笑)

 いや、一緒のシーンがそこまで多いわけではなかったので(笑)。でも、台本の読み合わせで最初にお会いしたとき、台本にたくさんの書き込みがあって。すごく真面目な方だなという印象を受けました。

大西 ありがとうございます(笑)。僕は南さんってすごく大人っぽい方だなと思っていました。かと思えば、急に笑い出したりもしてツボが面白い。あと、お菓子をよく食べていたのを覚えていますね。

 恥ずかしい……(笑)。

──お芝居を交えたシーンでの印象はいかがでしたか?

 純くんの純粋さを受け止めることができましたし、だからこそ花として自然に応えられました。

大西 本番になったら、すぐに花ちゃんとして存在してくださるんです。なので、素直な気持ちで会話することができましたね。順番どおりの撮影ではなかったんですが、気持ちをしっかり作ってきてくださったので戸惑うことはありませんでした。花ちゃんに対する純くんの気持ちの変化も、いい形で表現できたと思います。

──カメラの前以外でお話しする機会はありましたか?

大西 う~ん。あっ、目薬のさし方を教わりました。普通、上を向いてさすじゃないですか。南さんは正面を向いたままさすんです。

──目薬がこぼれますよね??

大西 こぼれないんですよ、なぜか。

 眼球にさすような要領で(笑)。

大西 ぶっさしてるんですよね! それを僕も習得して、メンバーの前でもやったら一躍ヒーローになりました。ありがとうございます(笑)。

 いやいやいやいや(笑)。

シリアスな芝居の合間で、ふたりにとって至福の時間だったもの

──役作りで大変だったことはありますか?

 花と私はすごく似ているところがあって。つらいことや苦しいことがあっても、自分の中で抑えたり、消化しようとするところが似ていたんです。なので、演じる苦労はあまりありませんでした。自分に近いものを感じたから、演じやすかったのかもしれません。

大西 ここまでシリアスなお芝居は初めてで。すごく新鮮でしたし、お芝居の新しい挑戦になりました。目の繊細な動きや表情も必要で、映画館のスクリーンからちょっと伝わるくらいの細か~いお芝居を試行錯誤しながらやっていましたね。あと、自転車で坂道を下るシーンがあって。僕は自転車に乗れないので、本番直前まで練習していました(笑)。

──印象に残っている撮影は?

 家族とのシーンは、楽しい雰囲気のところもシリアスな場面もすべて印象に残っています。あと、動物が大好きなので、うさぎと戯れる撮影は心の中でウキウキしていました。ウキウキする状況のシーンじゃなかったんですけど(笑)。

大西 楽しかったですよね。ハッピーな空気感の映画ではないけど、うさぎを抱っこしているときは幸せでした(笑)。うさぎちゃんの抱き方って、意外と難しいんですけど。抱き方を気にしつつ、お芝居にも集中しつつ。休憩時間にはおやつをあげたりもしました。

──かわいいうさぎが登場する一方、大西さんが先程おっしゃったようにサスペンスのテイストもあって。予想の斜め上を行く展開に突き進んでいきますし……。

 説明が難しい作品ですよね(笑)。自分の考えをどんどん壊される作品だなと、私は思っていて。いろんなところから飛んでくるパンチを楽しんでいただければ。

大西 ちょっとヒヤッとしますよね。物語のスピードがどんどん速くなって、後半に行くにつれて胸の中がゾクゾクする。そのゾクゾクも嫌なゾクゾクじゃなくて、観終わった後はある意味スッキリすると思います。本当に、予想を覆すストーリーなので(笑)。

「家族にはいろんな形がある」改めて考える自身の“家族”のこと

──その果てに見えてくるのが、“家族”というテーマですね。

大西 さっき南さんもおっしゃったみたいに、家族にはいろんな形があって、愛の形にもいろんなものがあって。いいものも悪いものもありますし。そんな中で、愛の伝え方や家族との距離感、家族の大切さを感じていただければ。

──おふたり人も“家族”について考えさせられましたか?

 撮影している中で、家族のことを思い出す瞬間はありました。(窪一家とは)全然違いますけど(笑)。私は母も父も大好きで、なにかあったらすぐに相談しますし、家が自分の居場所だなと感じています。ずっと一緒にいて、支えてくれるのが家族。つらいことがあったら楽しい場所に連れ出してもくれますし。すっかり甘えちゃっていますね。

大西 僕の実家は兵庫なので、お仕事で東京にいることが多い分、直接会う機会が減ってしまいました。でも、ちょくちょく電話していますし、実家で飼っている猫ちゃんの写真や動画を送ってもらったりしています。僕をいつも癒してくれるのが家族で、帰りたいなと常に思うくらい温かい場所が実家。この映画の家族とはだいぶ違いますけど(笑)、すごく仲のいい家族です。

取材・文:渡邉ひかる
撮影:川野結李歌

『この子は邪悪』
9月1日(木)より新宿バルト9他にて全国公開
Ⓒ2022「この子は邪悪」製作委員会

ぴあアプリでは南沙良さんのアプリ限定カットをご覧いただけます。ぴあアプリをダウンロードすると、この記事内に掲載されています。

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