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犬飼直紀主演の「光の指す方へ」公開決定、ロケ地は木造建築の映画館シネマネコ

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「光の指す方へ」ポスタービジュアル

2021年に青梅にオープンした東京で唯一の木造建築の映画館・シネマネコをロケ地とした映画「光の指す方へ」の公開が決定した。

本作の主人公は、将来が見えずにいる浪人生・晴斗。歳の離れた姉がオープンさせた映画館で働く映写技師・圭吾や昔なじみの常連客たちと出会い、晴斗は希望を見出していく。「14の夜」の犬飼直紀が晴斗を演じたほか、松崎映子、伊藤悌智、安達真由、西山咲子、戸張美佳、酒井麻吏、植吉がキャストに名を連ねる。主題歌は指田フミヤの「ひかり」。監督と脚本を「きみとみる風景」の今西祐子が担当した。

実際にフィルムの切り替えにチャレンジした犬飼は「フィルムが走行していく音は予想以上に大きく、大声でないと会話ができませんでした。また映写機から出る光は柔らかく、まっすぐで、どこか温かみがありました」と撮影を振り返る。本作にインスパイアされ楽曲を制作した指田は「迷いながらも自分の道を切り開いていく主人公の姿を重ね合わせながら自分を含め、現代を生きる人々の切なさと希望を歌詞と楽曲で表現しました」とコメント。今西は「思い詰めると周りが見えなくなる。そんなひとに、逃げ道、回り道は大切だという思いを、この作品に込めました」と述べている。

「光の指す方へ」は11月18日からシネマネコにて先行上映。冬より東京・ユーロスペースほか全国で順次公開される。

※松崎映子の崎は立つ崎(たつさき)が正式表記

犬飼直紀 コメント

フィルム上映に映写機を2台使うことがあるのをご存じでしたでしょうか? フィルム上映に慣れ親しんだ世代の方にとっては常識なのかもしれませんが、実は僕は脚本を読んで晴斗と同じタイミングで初めて知りました。2時間程の映画の場合でもフィルムは5~10巻になり、フィルムが終わりそうになると映写技師が次のフィルムをセットした2台目の映写機に切り替え、それを繰り返して物語を繋げていくそうです。フィルム映画の右上に出る丸いマークは、この切り替えのタイミングを示すものだったのですね。
晴斗が映写技師の圭吾に切り替えを教えてもらうシーンは、実際に本物の映写機を使わせてもらっての撮影だったのでとても印象に残っています。フィルムが走行していく音は予想以上に大きく、大声でないと会話ができませんでした。また映写機から出る光は柔らかく、まっすぐで、どこか温かみがありました。
晴斗は大学受験に失敗しており、学生でも社会人でもない人生の狭間で迷子になっています。そんな晴斗が、映写機の切り替えで物語を繋げる練習をしたり、姉のまどかと支え合ったり、映画館で出会う人たちと関わったりする中で成長していく様をご覧頂けたら嬉しいです。また映画館は実際に青梅にあるシネマネコさんを使わせて頂いたのですが、スタイリッシュでありながら温かく落ち着いた雰囲気がこの作品とマッチしていてとても素敵なのでぜひご注目ください!

指田フミヤ コメント

今回「ひかり」という楽曲を書き下ろさせていただきました。
コロナ禍になってから楽曲提供などはさせていただいていましたが、
自身で唄う楽曲はなかなか生まれず自分でも歯痒い思いをしていた時に、
この映画の主題歌のお話をいただきました。
今作「ひかり」はこの「光の指す方へ」という作品がきっかけになり、
もう一度自分自身と見つめ合う事で生まれた楽曲でもあります。
迷いながらも自分の道を切り開いていく主人公の姿を重ね合わせながら
自分を含め、現代を生きる人々の切なさと希望を歌詞と楽曲で表現しました。

「光の指す方へ」の映画版とリリース版ではアレンジが少し違っていて
映画の方では世界観に合うよう音数を少なくしたり歌詞をほんの少し変えてみたりしています。
そんなところも映画と合わせて楽しんでいただけたら嬉しいです。
また自分自身メジャーデビューしてからいつの間にか10年が経過していた事もあり
10年音楽の世界にいる自分を振り返りながら僕の中でもすごく特別な楽曲になりました。

今西祐子 コメント

ここ数年続いている制限の多い暮らしの中で、自覚していなくても不安やストレスが澱のように溜まっていき、息が詰まりそうに感じている人は多いのではないでしょうか。

そんな時、日常で起きるほんのささいなことが、気持ちを楽にしてくれる時があります。
例えば、不安に押しつぶされそうになった夜、朝が来てカーテンの隙間から日差しを感じた時だったり、誰とも話をしなかった翌日に、ふいに心を許せる人と何気ないコトバを交わした時だったり。
もしかしたら、その日の夜にはまた不安が押し寄せるかもしれません。
でも、朝の光を感じた午前中は、昨夜よりも気持ちが楽に過ごすことができたり、くだらない話をして笑い合っただけで、心が安らいでいくことを実感できる。
それがかけがえのない日々であり、人生なのだと思うのです。

でもそれは、忘れてしまいそうなくらいに小さな出来事で、私はそんな瞬間を忘れたくないと思い、この映画をつくりました。

主人公の晴斗が抱えていることは、他人から見れば特別大きなことではなく、誰もが経験する小さな挫折にすぎないかもしれません。
でも私は、器用にそれを乗り越えることができる人よりも、小さなことにもがき、気持ちが晴れずにいる人に、魅力を感じるのです。

思い詰めると周りが見えなくなる。そんなひとに、逃げ道、回り道は大切だという思いを、この作品に込めました。

(c)Itoo office inc.