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「長年僕が温めてきた大がかりな構想を形にした作品だ」 ジョーダン・ピール監督『NOPE/ノープ』メイキング映像公開

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『NOPE/ノープ』 (C)2021 UNIVERSAL STUDIOS

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絶賛公開中のジョーダン・ピール監督最新作『NOPE/ノープ』。このたび、謎に包まれた本作の撮影風景を収めたメイキング映像が到着した。

斬新な映像とアイディアで人種差別を鋭く描き、鮮烈な監督デビューを飾った『ゲット・アウト』、前作同様に深いテーマを提唱し大ヒットを記録した『アス』。自ら製作、脚本、監督をこなし、『ゲット・アウト』では第90回アカデミー賞で脚本賞も受賞したジョーダン・ピールの約3年ぶりの新作『NOPE/ノープ』。

田舎の広大な敷地の牧場経営で生計を立てる一家。長男オーティス・ジュニア(ダニエル・カルーヤ)は、家業をサボり市街に繰り出す妹エメラルド(キキ・パーマー)にウンザリしているところ、突然、空から異物が降り注ぐ。止んだかと思うも束の間、直前まで会話していた父親が息絶える。

オーティス・ジュニアは父親の不可解な死の直前に、雲に覆われた巨大な飛行物体のようなものを目撃したことを妹に明かし、やがて兄妹はその飛行物体の物的証拠を収める“バズり動画”を撮影することを思いつく。「絶対に見つめてはいけない」“ヤツら”の存在……彼らには想像を絶する事態が待ち受けていた。

日本に先駆けて公開を迎えたアメリカではランキング初登場NO.1を獲得。各映評でも高評価を得ており、日本でも熱い眼差しが向けられている。

このたび公開されたのは、謎に包まれた本作の撮影風景を収めたメイキング映像。



ピール監督が「長年僕が温めてきた大がかりな構想を形にした作品だ」と、今回の映像の冒頭で思い入れを語る本作。『ゲット・アウト』以来5年ぶりのタッグとなるオスカー俳優のダニエル・カルーヤをはじめとする実力派キャスト陣や、クリストファー・ノーラン監督作品の常連カメラマンとして知られ、『ダンケルク』でオスカーを受賞したホイテ・ヴァン・ホイテマを撮影監督に迎え、遂に完成に至った。

今回のメイキング映像では、謎に包まれた本作の撮影風景が少しだけ明らかにされ、プロフェッショナルなキャスト・スタッフたちの撮影の様子が垣間見える。

本作では現代で起こっている社会問題を引用し、深く掘り下げているが、その中には映画作りや映画業界に対して疑問視するメッセージも込められており、ピール監督は「自分たちの仕事を評価しつつも批判する作品にしたいと思っていた」と語っている。

それを象徴するのが、映像内でも登場する馬上の黒人を捉えた「The Horse in Motion」という名で知られるクロノフォトグラフィーがはじまった頃の写真。これはエドワード・マイブリッジによって1887年に作成され、歴史的な映像技術として永久貯蔵されており、馬の名前や馬主の名前は記録されているのだが、馬上の黒人の名前は一切残っていないのだ。

ピール監督はその解説本を読み、ハリウッドや映画業界全体を、業界に昔も今も内在する搾取もろとも解き明かしてみたいというスイッチが入ったようで、本作のストーリーでは、観客の脚光を浴びず、プロとして記憶に残る映像作りに貢献している“裏方の技術者”や、一定のブームがすぎると容赦なく使い捨てられていく俳優たちが抱える現実にもスポットが当てられている。

『NOPE/ノープ』
公開中