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友近「あらゆることで五社イズムを取り入れている」 『没後 30 年 五社英雄 情念の軌跡 in 新文芸坐』イベントレポート

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『没後 30 年 五社英雄 情念の軌跡 in 新文芸坐』

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『鬼龍院花子の生涯』、『吉原炎上』などを手がけた、日本映画界の鬼才・五社英雄監督の没後30年を記念して、今年4月にリニューアルされた新文芸坐で、8月27日(土)から9月6日(火)まで、五社監督作品・全10作品の特集上映が行われる。初日となる8月27日(土)には『鬼龍院花子の生涯』、『吉原炎上』上映後、熱烈な五社監督ファンとして有名な友近がスペシャルトークに参加した。

友近は『吉原炎上』の世界観そのままの赤い襦袢を身にまとって登場。『吉原炎上』メインテーマと共に花魁道中そのものの優雅な足遣いで、1分近くかけてステージのセンターへ歩を進めた。友近は、五社監督ファンになったきっかけや思い入れについて、「最初のきっかけはテレビを見て。祖母が愛媛県道後で働いていて、そのあたりに遊郭や客引きがあったのを知り興味を持つようになった。映像がきれいな『吉原炎上』、ストーリーならば『鬼龍院花子の生涯』、他に『薄化粧』や『櫂』など、五社作品はいずれも大好き。借金のかたに売られてくる過酷な運命の女性が描かれていて、「自分だったらどうするだろう?」と考えながら作品を観ていた」と語った。さらに「自分の単独ライブでは、いつも『吉原炎上』のサントラを使用したり、水谷千重子の「五月雨道中」は『吉原炎上』のイメージでとオーダーして出来上がった楽曲だったり。あらゆることで五社イズムを取り入れている。」と五社作品からインスパイアを受けていることを明かした。

続いて、スクリーンに投射された五社監督作品の“このシーンがスゴい!”映像を見ながら、その魅力をマシンガントーク。友近は、『鬼龍院花子の生涯』から、つる(佳那晃子)と少女時代の松恵(仙道敦子)が、どちらが嘘をついたかで叩き合うシーンをチョイス。「ふたりの叩き合いを見つめている仲代達矢さんの表情が好き。子供なのに仙道敦子さんが殴られるのを見て、ひどい!と気持ちがグッと入ってしまう。」とコメント。また、当日、一緒に登壇予定だったが、コロナ陽性のために欠席となってしまったマツコ・デラックスは、『鬼龍院花子の生涯』から、母の歌(岩下志麻)が病疫で亡くなる前に、松恵(夏目雅子)に許しを乞うシーンを選んでいた。友近は「マツコ(デラックス)さんとは、今回五社作品について、仁支川峰子さんのシーンなどメールでやり取りして、このイベントに臨む予定だった。」と明かし、マツコが選んだシーンについては、「見ると勇気をもらうシーン」と語った。

友近は「今では、大好きな五社作品に出演した人たちとお会い出来たり、仕事が出来たりするのがとても嬉しい。かたせ梨乃さんとはTVで共演を果たし、仁支川峰子さんにはラジオのゲストにお越しいただき、佐々木すみ江さんとはお食事を誘ってくれるメル友になり、名取裕子さんとは山村紅葉さんと3人でトーク番組(『ボクらの時代』)でご一緒し、その後水谷千重子のステージにも出演いただいた」と五社作品がきっかけで交友関係も広がったことを明かした。

さらに、「五社監督ファンと言い続けていたら、『花宵道中』という遊郭を舞台にした映画で、女将役のオファーが来た。かつて五社作品に登場した女将役の女優さん達をイメージしながら、演技した。劇中では「股開かざるもの食うべからず」という五社イズム溢れる名セリフをいただき、自分の宝としている。ただし、4歳の姪が真似するのは困った」と語り、会場を笑わせていた。

次に五社作品の名セリフクイズが行われ、『吉原炎上』出だしで、岸田今日子がナレーションしている、「さてこの花の吉原への道は2つあると言えるでしょう。男が通う極楽道 女が売られる地獄道」が出題。しかし友近はステージに登場してすぐの挨拶でこのセリフを既に口にしており、簡単だった様子。「このセリフは、映画本篇では岸田今日子さんが語っているけれど、予告編やCMでは来宮良子さんが同じセリフを語っている」と、五社マニアぶりを発揮していた。

最後は亡くなって30年が経つ五社監督を偲び、監督の自署コメント「映画は賭けだよ、らくにいこうぜ」が入ったおちょこで献杯した。

なお、このイベントは、『没後30年 五社英雄 情念の軌跡』と題したプロジェクトのひとつで、他に未だパッケージ化されていない『牙狼之介』、『御用金』、『人斬り』など9作品が、DVDもしくはBlu-ray化され、東映チャンネル・日本映画専門チャンネルでは特集を組んで作品が放送されるなど、今後も様々な展開が予定されている。

『没後30年 五社英雄 情念の軌跡 プロジェクト』
【新文芸坐 五社英雄監督特集上映】
8月27日(土)~9月6日(火) 
池袋・新文芸坐:www.shin-bungeiza.com

9月2日(金):『鬼龍院花子の生涯』上映(1982年 / 主演・仲代達矢)、『吉原炎上』上映(1987年 / 主演・名取裕子)
8月28日(日)・9月5日(月):『御用金』上映(1969年 / 主演・仲代達矢)、『人斬り』上映(1969年 / 主演・勝新太郎)
8月30日(火)・9月4日(日):『極道の妻たち』上映(1986年 / 主演・岩下志麻)、『陽暉楼』上映(1983年 / 主演・緒形拳)
8月31日(水)・9月3日(土):『丹下左膳 飛燕居合斬り』上映(1966年 / 主演・中村錦之助)、『三匹の侍』上映(1964年 / 主演・丹波哲郎)
9月1日(木)・9月6日(火):『226』上映(1989年 / 主演・萩原健一)、『女殺油地獄』上映(1992年 / 主演・樋口可南子)

【未パッケージ化作品 DVD・ブルーレイ リリース情報】
2022年8月30日(火)発売
『牙狼之介』(東映、1966年公開、夏八木勲)
『牙狼之介 地獄斬り』(東映、1967年公開、夏八木勲)
DVD 4180円(税込) / 発売元:東映ビデオ 販売元:東映

『御用金』(フジテレビ / 東京映画、1969年公開、仲代達矢)
『人斬り』(フジテレビ / 勝プロダクション / 大映、1969年公開、勝新太郎)
『女殺油地獄』(フジテレビ / 京都映画、1992年公開、樋口可南子)
Blu-ray 5170円(税込) DVD 4180円(税込) / 発売元:フジテレビジョン 販売元:ポニーキャニオン

2022年DVD発売
『獣の剣』(松竹 / 俳優座、1965年公開、平幹二朗) 
『五匹の紳士』(松竹 / 俳優座、1966年公開、仲代達矢)
『十手舞』(松竹 / 五社プロダクション / 映像京都、1986年公開,石原真理子)
4180円(税込) / 発売・販売元:松竹

『出所祝い』(東京映画 / 東宝、1971年公開、仲代達矢)
4180円(税込) / 発売・販売元:東宝

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