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金色のグラデーションで人々を魅了『蔵出し蒔絵コレクション』9月10日より開催

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重要文化財《春日蒔絵硯箱》日本・室町時代 15世紀 根津美術館蔵

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日本と東洋の古美術の充実したコレクションを誇る東京・南青山の根津美術館で、9月10日(金)から10月16日まで、「蒔絵(まきえ)」に焦点をあてた企画展が開催される。漆で描いた文様に、金や銀の金属粉を蒔(ま)きつけて装飾した華麗な蒔絵作品が約70件並ぶ、豪華な展覧会だ。

1941年に開館した根津美術館の礎を築いた実業家・根津嘉一郎がコレクターとして一躍脚光を浴びるきっかけになったのは、1906年、室町幕府8代将軍・足利義政が愛用したと伝わる蒔絵の名品《花白河蒔絵硯箱(はなのしらかわまきえ すずりばこ)》の売立に際し、破格の高値で落札して世間を驚かせたこと。
その後も蒐集を続け、特に晩年には、同館の蒔絵コレクションを代表する優品の数々を手中におさめた。『蔵出し蒔絵コレクション』と題する同展は、嘉一郎が蒐集した蒔絵作品の粋をまとめて紹介する初めての機会。重要文化財4件を含む約70件には、蒔絵史において重要な作品も数多く含まれ、また今回が初公開の作品もある。

同展の魅力のひとつは、文房具や仏具、香道具、飲食器、装身具など、バラエティに富む作品が堪能できること。また、足利義政遺愛の品である重要文化財《春日山蒔絵硯箱(かすがやままきえ すずりばこ)》や、徳島藩主・蜂須賀家伝来の《百草蒔絵薬箪笥(ひゃくそうまきえ くすりたんす)》をはじめ、由緒ある旧蔵者の存在も興味深い。

表されたモチーフの様々な意味を読み解くのも楽しいが、複雑な工程を要する多彩な蒔絵技術にふれられるのも大きな見どころだ。丁寧な解説により、技法の豆知識も豊富に提供されている。そして何より見逃せないのは、繊細かつ精緻な表現を生み出す超絶技巧だ。お持ちであれば、単眼鏡を持参されると、その数々の技巧をよりつぶさに堪能できることだろう。

また、「陶片から学ぶ-日本陶磁編-」と、季節の茶道具を取り合わせた「清秋の一服」のテーマ展が同時開催されている。秋が訪れた涼やかな庭園の散策と合わせて、様々な日本の美に親しみたい。

飯塚桃葉(初代)作《百草蒔絵薬箪笥》日本・江戸時代 明和8年(1771) 根津美術館蔵
《雪華蒔絵箱》日本・江戸時代 19世紀 根津美術館蔵
原羊遊斎作・酒井抱一下絵《雪月花三社蒔絵朱盃》日本・江戸時代 19世紀 根津美術館蔵
銘 梶川作《御簾葵蒔絵印籠》日本・江戸時代 19世紀 根津美術館蔵

【開催概要】
『蔵出し蒔絵コレクション』
会場:根津美術館
会期:2022年9月10日(土)~10月16日(日)
休館日:月曜(9月19日、10月10日は開館)、9月20日(火)、10月11日(火)
時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
料金:一般1300円、大学1000円
※オンライン日時指定予約
公式サイト:https://www.nezu-muse.or.jp/

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