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激動の20世紀を生き抜いた画家・猪熊弦一郎の多岐にわたる活動を展観『生誕 120 年 猪熊弦一郎展』9月17日より開催

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猪熊弦一郎《顔 80》1989 年 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館蔵 ©The MIMOCA Foundation

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20世紀日本を代表する画家・猪熊弦一郎の生誕120年を記念する展覧会が、9月17日(土)から11月6日(日)まで、神奈川県の横須賀美術館で開催される。少年時代を過ごした香川県丸亀市の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館の協力のもと、約70年に及ぶ創作活動を振り返り展観する。

1902年に生まれ、1993年に亡くなった猪熊は、まさに激動の20世紀を生き抜いた画家だ。
東京美術学校で藤島武二に師事し、具象的な洋画を発表して帝展で活躍。1936年には、新芸術の確立を目指す有志らと「新制作派協会」を結成する。1938 年に渡仏し、マティスやピカソらと交流するも、第二次世界大戦勃発後は、先輩画家の藤田嗣治らとともに帰国。戦中は、作戦記録画の制作にも携わった。

戦後の猪熊は、三越の包装紙のデザインや、慶應義塾大学や上野駅の壁画を手がけるなど、社会との関わりを強めていく。1955年、53歳で再渡仏を決意するが、途中で立ち寄ったニューヨークに魅せられると、アトリエを設け、20年にわたって同地で活躍。健康上の理由から帰国するも、以後は温暖なハワイと日本を拠点に精力的な活動を続けた。

同展は、こうした猪熊の各時代の作品を丁寧に紹介し、その画風の展開を明らかにするものだ。初期の伝統的な具象画から、新制作派協会展で発表したモダンな作品、マティスの助言により新たな展開を見せた滞欧作、ニューヨークで確立した抽象画、ハワイの影響で色彩のコントラストが鮮やかさを増した作品、そして晩年の「顔シリーズ」まで、代表作を多数含み見応えがある。

同展のもうひとつの見どころは、商業デザインやパブリックアートにも焦点をあて、絵画以外の仕事も手厚く紹介すること。雑誌の表紙絵や挿絵、本の装幀、また身近な素材でつくった小さなオブジェ群なども合わせて展示される。

「絵描きには定年がない。死ぬまで未知のものに向かって走り続ける」という言葉通り、生涯現役で仕事を続けた猪熊弦一郎。その多才な画家の全貌に迫る貴重な機会となる。

猪熊弦一郎《サクランボ》1939 年 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館蔵 ©The MIMOCA Foundation
猪熊弦一郎《マドモアゼル M》1940 年 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館蔵 ©The MIMOCA Foundation
猪熊弦一郎《三人の娘》1954 年 横須賀美術館蔵 ©The MIMOCA Foundation
猪熊弦一郎《驚く可き風景(B)》1969 年 東京国立近代美術館蔵 ©The MIMOCA Foundation

【開催概要】
『生誕 120 年 猪熊弦一郎展』
会期:2022年9月17日(土)~11月6日(日)
会場:横須賀美術館
時間:10:00~18:00
休館日:10月3日(月)
料金:一般 1,300円、大高・65 歳以上 1,100円 (11月3日は無料観覧日)
美術館公式サイト:https://www.yokosuka-moa.jp/

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