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VIDEOTAPEMUSIC×CKB、片想い×三田村管打団?×二階堂和美が熱演繰り広げたカクバリズム20周年公演

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横山剣(Vo / クレイジーケンバンド)とVIDEOTAPEMUSIC。(撮影:廣田達也)

カクバリズムの20周年記念イベント「KAKUBARHYTHM 20years anniversary special」の第2回が8月27日、第3回が28日に東京・よみうりランド遊園地 日テレらんらんホールで開催された。

「KAKUBARHYTHM 20years anniversary special」はレーベルの設立20周年を記念して企画されたもの。初日の「VIDEOTAPEMUSIC presents “棕櫚”」はお互いの作品への参加や、ライブでの共演などを通して親交の深いVIDEOTAPEMUSICとクレイジーケンバンドのツーマンライブとして行われ、2日目の「片想い presents “片想インダランド”」には片想いを軸に、三田村管打団?、二階堂和美といった面々が集結した。本稿では2公演の模様をレポートする。

DAY1:VIDEOTAPEMUSIC presents “棕櫚”

DJを務めた長谷川陽平が韓国産のレアグルーヴを中心とした選曲でフロアをひとしきり盛り上げたのち、お馴染みのSEが会場に鳴り響き、真っ赤なライトがステージを照らす中クレイジーケンバンドが登場。この日のイベントタイトルにもなっている楽曲「棕櫚」で颯爽とライブの口火を切る。2曲目の「タオル」でさわやかな夏の雰囲気を作り上げたかと思えば、続く「路面電車」では、タイ東北部の大衆歌謡モーラムを下敷きにしたイナたくも湿度の高めなサウンドを繰り出すなど、CKBは巧みなパフォーマンスで序盤から場内の空気を見事にコントロールしていく。

MCで横山剣(Vo)は、VIDEOTAPEMUSICやceroといったカクバリズム所属アーティストとの交流を振り返り、「カクバリズムの角張渉社長には足を向けて寝られません」とレーベルの20周年を祝福する。そして「人前で演奏するのは今日が初めて」だという、ニューアルバムからの新曲「ドバイ」「The Roots」を立て続けに披露。スペシャルな選曲で観客を大いに喜ばせた。小野瀬雅生(G)が奏でる泣きのギターとともに代表曲「タイガー&ドラゴン」の演奏がスタートすると場内のボルテージは最高潮に。熱気渦巻く場内に、横山の情念ほとばしるエネルギッシュな歌声が響きわたった。

韓国・ソウルのカジノを舞台にした「ウォーカーヒルズ・ブーガルー」では楽曲の終盤で新宮虎児(G, Key)がハングルで流暢なナレーションを披露して観客の拍手を誘う。シュガー・ベイブ「DOWN TOWN」のカバーを披露したのち、CKBは「また音楽でアジア方面に行きましょう」という横山のMCを合図にメンバーのコミカルなステップも楽しい「混沌料理」、グルーヴィなアップチューン「スージー・ウォンの世界」といったアジアンフレイバー漂う楽曲を次々と届けていく。最後は横山の「デザート代わりにこの曲をお届けしたいと思います」という紹介から、スモーキー・テツニ(Vo, Cho)とアイシャ(Cho)がロバータ・フラック&ダニー・ハサウェイの「Where Is The Love」をデュエットでカバー。涼しげな雰囲気を残してCKBはステージをあとにした。

“華僑モノ”のエキゾな音源をメインにした長谷川のDJを挟み、2番手のVIDEOTAPEMUSICが、エマーソン北村(Key)、潮田雄一(G)、松井泉(Perc)、mmm(flute)といったサポートメンバーとともにステージに登場。オープニングナンバーの「August Mood」がプレイされると、海辺の風景などをコラージュした映像がステージ後方に投影されノスタルジックな雰囲気が場内に広がる。VIDEOTAPEMUSICは、浮遊感漂う「棕櫚の庭」、夏の薄曇りの気分を曲にしたという「Speak Low」など、ゆったりとしたサマーチューンを序盤に演奏して会場を心地よい雰囲気で満たした。世界中の料理の音をサウンドにちりばめた「Funny Meal」、mmmのボーカルをフィーチャーした「Cocktail Moon」といったビートの効いたダンサブルな楽曲が届けられると客席のテンションが徐々に高まっていく。続けて披露されたのはDub Master X & ピアニカ前田「東京狼少女」のカバー「東京狼少女 - Tokyo Luv Story」。演奏にはトークボックス奏者の鶴岡龍がゲスト参加し、メロウな音色で楽曲にアーバンな彩りを添えた。

情熱的なラテンチューン「Kung-Fu Mambo」でフロアを盛り上げると、VIDEOTAPEMUSICは、この曲をCKBの横山剣が自身のラジオ番組でオンエアしたのがきっかけとなり2組の交流が生まれたことを観客に説明し、2人目のゲストとして横山をステージに呼び込む。「好きな曲ばかりで興奮しています」と言いながら登場した横山は、自らが歌詞を提供したVIDEOTAPEMUSICの楽曲「南国電影」をムーディに熱唱。色気のある歌声で会場を大いに沸かせた。

清涼感漂うラヴァーズロック調の「Fiction Romance」、mmmが穏やかなボーカルを聞かせた「Summer We know」を経て、VIDEOTAPEMUSICは最後に「夜の声」「煙突」をシームレスに演奏。切なさ漂うサウンドと打ち上げ花火の映像がシンクロして、夏の終わりの、そこはかとない寂寥感を絶妙に演出していた。

アンコールでステージに登場したVIDEOTAPEMUSICは「一発、元気な曲をやりたいと思います」と観客に告げ、「密林の悪魔」をプレイ。躍動感あふれるジャングルビートでフロアを揺らす。最後は再び横山を招き入れ、VIDEOTAPEMUSIC がリミックスを手がけたCKBのナンバー「南国列車」をセッション。初日公演は賑々しい雰囲気の中で終幕した。

DAY2:片想い presents “片想インダランド”

2日目の「片想インダランド」は、開場時に三田村管打団?の面々が日テレらんらんホールの入り口にずらりと並びファンファーレを鳴らして幕開け。場内ではオープニングや転換中、クロージング時のDJを務めるMOODMANが多彩な選曲でリラックスしたムードを演出し、会場に集まった観客を出迎えた。

MOODMANによる約1時間のDJプレイが終わり、定刻を迎えるとホール2階の脇から三田村管打団?が登場。彼らはステージがある1階まで練り歩きながらオープニングにふさわしい壮大な演奏を届けてオーディエンスの心をガッチリとつかんだ。そして1組目のライブアクトである二階堂和美がステージに現れると、客席からは大きな拍手が沸き起こる。彼女は三田村管打団?の演奏をバックに、「女はつらいよ」で熱のこもったボーカルを響かせて観客を圧倒した。ここで三田村管打団?は一旦退場し、二階堂のサポートメンバーとして片想いからMC.sirafu(G, Key, Tp)、伴瀬朝彦(B, Cho)が登場。二階堂は2人の演奏に乗せて、映画「かぐや姫の物語」の主題歌「いのちの記憶」や、NHK Eテレ「おかあさんといっしょ」に提供した「ぎゅーっ はかせ」を披露。最後は「あなたと歩くの」を軽やかに歌唱し、場内をさわやかな空気に染め上げた。

続いてステージに現れたのは、東京でのライブは約10年ぶりだという三田村管打団?。彼らはまず即興的に音を重ねていき観客たちの注目を引くと、「アザブランカ」で大所帯バンドならではの重厚なサウンドを会場に響かせた。MCではseizo(Tb)が三田村管打団?のリーダー・森本アリ(Tp)が不在であることを説明しつつ「いつも通りではないかもしれないですけど、このまま勢いでやってきたいと思います。よろしくお願いします!」と挨拶して、徐々に迫力を増す曲展開が印象的な「アルボラーダ」を届けた。ライブ後半には二階堂が合流して、二階堂と三田村管打団?のユニット・二×三(ニカケサン)のステージに突入。三田村管打団?の面々も歌唱に参加するBrotherhood of Man「Save Your Kisses for Me」のカバー「キスが欲しい」や、二階堂曰く、カクバリズムの社長・角張渉への愛を込めて作ったという「説教節」、ナット・キング・コールの名曲「L-O-V-E」のカバーが披露された。場内がハッピーな空気に包まれる中、三田村管打団?は元の編成に戻ると、結成から20年間ライブの最後に演奏しているという「キネンジロー」を届けてステージをあとにした。

この日のトリを務める片想いはissy(Key, Cho)と遠藤里美(Sax, Cho)が欠席のため、サポートメンバーに野村卓史(Key / グッドラックヘイワ)とサトゥーくん(Sax / Hei Tanaka)を迎えて登場。1曲目、キラーチューン「Party Kills Me(パーティーに殺される!)」のイントロで会場がどよめく中、片想いは息の合ったアンサンブルを届けてオーディエンスの体を揺らした。片岡シン(Vo, 三線)は会場に集ったファンに感謝を伝えたのち、「ニカさん、三田村管打団?とご一緒させてもらうということで我々がおまけにならないようにがんばります(笑)」と挨拶すると、そのまま「Daily Disco」「カラマルユニオン」といった活動初期のナンバーをエネルギッシュにプレイし、そのキャッチーかつジャンルレスな音楽性を提示。その後は未発表の新曲「バタ供のうた」「R.I.P.」を続けて披露して観客を喜ばせた。ライブ終盤にはオラリー(Vo)が歌う「僕が泣いている理由なんてわからないだろう」のフレーズが印象的な代表曲「踊る理由」、メンバーと観客が一緒になってタオルを振り回すなど一体感のあるステージが繰り広げられた「棒切れなど振りまわしても仕方のないことでしょう。」が演奏された。

これで片想いとしてのステージは終了。片岡が三田村管打団?を呼び込み、ここからは片想いと三田村管打団?のユニット・両想い管打団!のパフォーマンスが披露されることに。すると森本に扮したissyが突如現れ、サポートメンバーの野村をキーボードから追いやるという寸劇を繰り広げる。ユーモアあふれる演出ののち、両想い管打団!は壮大な音の重なりがエモーショナルな空気を生み出す「管によせて」や、彩り豊かなサウンドに乗せて片想いの面々がキレのあるラップを披露する「スチール・ビート」などを続けて披露。続くミディアムチューン「すべてを」では、曲中にMC.sirafuが「すべての出演者が助け合って、とてもいいイベントになったと思います。こういうイベントを作り上げるのは大変だけど、苦労してでもがんばって続けていきたいと思いますので、カクバリズム共々今後ともよろしくお願いします」と客席に呼びかけると、オーディエンスから大きな拍手が起こった。そして最後は二階堂と野村が合流した“両想い管打団!×二×三”として「キネンジロー」「お別れの時」の2曲を届け、大盛況の中この日の公演の幕を降ろした。

カクバリズムは20周年記念イベント「KAKUBARHYTHM 20years anniversary special」の新規公演として、10月30日に宮城・Rensa、11月5日に大阪・なんばHatch、6日に愛知・DIAMOND HALL、23日に東京・立川ステージガーデンの4カ所でライブイベントを開催する。イープラスでは9月8日23:59まで、各公演のチケット先行予約を受付中。

KAKUBARHYTHM 20years special Vol.02 VIDEOTAPEMUSIC presents “棕櫚” 2022年8月27日 よみうりランド遊園地 日テレらんらんホール セットリスト

クレイジーケンバンド

01. 棕櫚
02. タオル
03. 路面電車
04. ドバイ
05. The Roots
06. Let's Go CKB~タイガー&ドラゴン
07. ウォーカーヒルズ・ブーガルー
08. DOWN TOWN
09. 混沌料理
10. スージー・ウォンの世界
11. Where Is The Love

VIDEOTAPEMUSIC

01. August Mood
02. 棕櫚の庭
03. Speak Low
04. Funny Meal
05. Cocktail Moon
06. 東京狼少女 - Tokyo Luv Story feat.鶴岡龍
07. Kung-Fu Mambo
08. 南国電影 feat. 横山剣
09. Fiction Romance
10. Summer We Know
11. 夜の声~煙突
<アンコール>
12. 密林の悪魔
13. 南国列車

KAKUBARHYTHM 20years special Vol.03 片想い presents “片想インダランド” 2022年8月28日 よみうりランド遊園地 日テレらんらんホール セットリスト

三田村管打団?

01. ojara2 ※開場時ファンファーレ
02. ハイライフ・ヒム ※本編オープニング

二階堂和美

01. 女はつらいよ(w / 三田村管打団?)
02. いのちの記憶
03. ぎゅーっ はかせ
04. On The Sunny Side Of The Street
05. あなたと歩くの

三田村管打団?

01. アザブランカ
02. アルボラーダ
03. キスが欲しい(二×三)
04. 説教節(二×三)
05. L-O-V-E(二×三)
06. キネンジロー

片想い

01. Party Kills Me(パーティーに殺される!)
02. Daily Disco
03. カラマルユニオン
04. バタ供のうた
05. R.I.P.
06. ひかりの中からこんにちは
07. 東京フェアウェル
08. 踊る理由
09. 棒切れなど振りまわしても仕方のないことでしょう。

両想い管打団!

01. 管によせて
02. tristeza de carnaval
03. スチール・ビート
04. すべてを
05. キネンジロー(両想い管打団!×二×三)
06. お別れの時(両想い管打団!×二×三)