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黒人映画の“無視された傑作”が1日限りの限定上映、主演はダニー・グローヴァー

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「This is Charles Burnett チャールズ・バーネット セレクション vol. 2」ビジュアル(イラスト:牛島章雄)

ニューヨーク・タイムズから“アメリカでもっとも知られていない偉大な映画監督”と評されたチャールズ・バーネットの上映企画が開催決定。1990年の日本未公開作「トゥ・スリープ・ウィズ・アンガー」が10月1日に東京・ユーロライブで上映される。

ハリウッドとは異なる視点で主に労働者階級に生きる黒人の生活と心理を描いた“LAリベリオン”と呼ばれる映画運動の1人として活躍したバーネット。1977年の長編デビュー作「キラー・オブ・シープ」はベルリン国際映画祭の国際批評家連盟賞を受賞した。短編やドキュメンタリー、テレビ映画を含め30を超える作品を発表し、現在も精力的に活動を続けている。2018年の第90回アカデミー賞ではアニエス・ヴァルダらと並んで名誉賞を受賞した。

「トゥ・スリープ・ウィズ・アンガー」は、南部からやってきた旧友ハリーを迎え入れた黒人家庭を舞台にした物語。陽気で人当たりのいいハリーはすぐに一家に溶け込むが、やがて一家の父親が謎の病に倒れてしまう。いっこうに去る気配のないハリーは、次第に別の顔を見せ始め、一見平和な家庭にくすぶっていた緊張関係が露呈していく。

「リーサル・ウェポン」シリーズで知られるダニー・グローヴァーが主演と製作総指揮を兼任。ハリーのキャラクターはアフリカ系アメリカ人の民話「Hairy Man」から着想を得ており、黒人民話や南部の口頭伝承がたびたび暗喩的に示される。サンダンス映画祭の審査員特別賞や全米映画批評家協会賞の最優秀脚本賞を受賞。インディペンデント・スピリット賞では監督賞、脚本賞、主演賞、助演賞の4冠を獲得した。

2016年にSlant Magazineは「アフリカンアメリカンシネマの無視された傑作」と評価。その後、アメリカ国立フィルム登録簿に永久保存登録されたほか、2019年にはバーネット自ら監修した4Kデジタルレストア版のBlu-rayがクライテリオンから発売された。

「トゥ・スリープ・ウィズ・アンガー」は、After School Cinema Clubが主催する「This is Charles Burnett チャールズ・バーネット セレクション vol. 2」で計2回上映。チケットは学生1500円、一般1800円で明日9月3日12時よりPass Marketで販売される。なお「キラー・オブ・シープ」も音楽映画祭「Peter Barakan's Music Film Festival 2022」の1本として、9月10日に東京・角川シネマ有楽町で上映を控えている。