可愛らしい宝物のような魅力に満ちたデミタスカップ約340点を紹介『デミタスカップの愉しみ』9月17日より開催
アート
ニュース
マイセン《貼り付け花鳥とスノーボール蓋付きカップ&ソーサー》1860-1880年
続きを読むフォトギャラリー(5件)
すべて見る「デミタス(demitasse)」とは、フランス語で「小さなカップ」のこと。濃いめのコーヒーを楽しむためのデミタスは、ヨーロッパのコーヒー・カフェ文化の浸透を背景に生み出された。この多様なデミタスカップを紹介する『デミタスカップの愉しみ』が、9月17日(土)より、八王子市夢美術館で開催される。
18世紀半ば、王侯貴族がたしなんだチョコレート飲料の携帯用カップが、その原型に近いとされるデミタスは、そのコンパクトなサイズ感や高級感から、最も小さな陶磁器として、上流階級の間で高い人気を博していった。そのため当初は、窯元が技巧をこらした1点ものとして作られることが普通であったが、産業革命により陶磁器の大量生産が可能になると、デミタスを楽しむ層は中産階級にまで広がっていく。
同じ頃、開国後間もない日本から輸出された欧州人好みのデミタスは、すでに流行していたジャポニスム(日本趣味)に相まって実用性と観賞性をあわせもつテーブルウエアとして人々に愛され、アール・ヌーヴォーやアール・デコのデザインへと発展した。
同展では、これら多彩なデミタスを、アンティーク・デミタスのコレクターとして知られる村上和美のコレクションを中心に、約340点で紹介する。ドイツのマイセンや、チェコのピルケンハンマー、イギリスのロイヤルウースター、京都の老舗・錦光山と、ヨーロッパや日本の名窯が生んだ選りすぐりのデミタスを見ることができる。驚きの超絶技巧や、繊細で華麗なデザイン、色鮮やかな絵付けなど、あらゆる技術がつまったデミタスカップの世界に、目を見張ることだろう。
【開催概要】
『デミタスカップの愉しみ』
会期:2022年9月17日(土)〜11月27日(日)
会場:八王子市夢美術館
時間:10:00〜19:00(入館は18:30まで)
休館日:月曜(祝日の場合開館翌日休)
料金:一般900円、大高・65歳以上450円
美術館公式サイト:https://www.yumebi.com/
フォトギャラリー(5件)
すべて見る
