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ぴあ 総合TOP > ぴあ映画 > レコードデビュー50周年! 俳優生活も50周年! 主演4作品 配信開始! 今こそ観たい“映画俳優・郷ひろみ”の魅力

レコードデビュー50周年! 俳優生活も50周年! 主演4作品 配信開始!

今こそ観たい“映画俳優・郷ひろみ”の魅力

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日本を代表するスーパースター、郷ひろみが今年2022年、レコードデビュー50周年を迎えた。甘いマスク、華麗なパフォーマンス、観る者を瞬時にトリコにする圧倒的なカリスマ性……長年に渡って最前線で活躍を続け、いまなお現役。昭和、平成、令和のすべてにおいて彼はトップスターであり続けている。

そんな郷は、歌手であると同時に数々のドラマ、映画で活躍した俳優でもある。いまこそ改めて“映画俳優・郷ひろみ”の魅力を再発見したい! そう思っていたタイミングで、彼が出演した映画4作品のデジタル配信が開始となった。多くの人の心を捉え続ける郷ひろみの俳優としての側面を、この4作品で見つけられるはずだ。

日本を代表するスーパースターは“映画俳優”でもあった!

1955年に福岡で生まれた郷ひろみは、62年に東京に転居し、高校生の時にスカウトされて芸能界に入った。精悍なルックスと一度聴いたら忘れない歌声、観客の視線を自然と集めてしまうスター性は唯一無二で、瞬く間にトップアイドルとして人気を集める。

そんな彼は今から50年前の1972年8月にレコードデビューを果たすが、同年の1月にはNHK大河ドラマ『新・平家物語』で俳優デビューしている。つまり、2022年は彼のレコードデビュー50周年であると同時に、“俳優生活50周年”でもあるのだ。

デビュー当初から歌手活動と並行してドラマに出演していた郷は、1974年に『急げ!若者 TOMORROW NEVER WAITS』で銀幕に初登場。続く、1976年公開の『さらば夏の光よ』では主演を務め、愛した女性と、友情の間で揺れ動く主人公の青年を好演。映画と同名の主題歌も担当している。

同年には、幸田文の小説を日本を代表する名脚本家、水木洋子が脚本化した文芸映画『おとうと』に出演。市川崑監督が1960年に手がけた同名作のリメイクだが、市川版は日本映画史に残る名作として語り継がれており、郷が若くして「映画ファンの期待が注がれている作品」に起用される俳優だったことがわかる。

その後も着実にキャリアを重ね、愛らしい少年期から青年期を経て、大人の俳優、アーティストへと成長を遂げていく。

多くの映画賞に輝く名作『瀬戸内少年野球団』に出演し、続く1985年には、このたび『さらば夏の光よ』『鑓の権三やりのごんざ』『さらば愛しき人よ』と共にデジタル配信が開始になった『聖女伝説』に主演。アウトローの世界でのし上がっていく男を描いた作品で、熾烈なアクション、大人の恋愛が大スケールで描かれた。

この頃、彼は芸能活動を一時休止して渡米。世界の文化やエンタテインメントの要素を吸収し、そのパフォーマンスをさらにパワーアップさせることになるが、同時期に篠田正浩監督の『鑓の権三やりのごんざ』に出演。本作が1986年度のベルリン映画祭で銀熊賞に輝いたことで、彼のステージは日本だけでなく世界へ。各国の映画ファンがスクリーンで“俳優・郷ひろみ”と遭遇することになった。

その後も、オールスターキャストと言っても過言ではない超豪華キャスト共演による原田眞人監督のアウトローサスペンスアクション『さらば愛しき人よ』や、日本とドイツの合作映画『舞姫』に出演。ヒット曲を数多く持つ人気歌手でありながら、名監督たちからも信頼を集める“映画俳優”として活躍した。

いま改めて言いたい! スーパースター郷ひろみは、日本映画の歴史に名を刻む俳優でもあるのだ!

名匠・名優たちを魅了! 作品によって自在に“顔”を変える俳優・郷ひろみの魅力

煌びやかなステージでパフォーマンスを披露する、明るく、情熱あふれる姿が郷の一般的なイメージかもしれないが、俳優の彼は作品によって自在に表情や印象を変え、観る者を魅了してきた。

『さらば夏の光よ』で郷が演じたのは、親友と同じ女性を好きになってしまい、愛と友情の間で揺れ動く青年・宏。当時、トップアイドルだった郷が演じただけあり、女性にも気後れすることなく気軽に話しかける行動的な青年像は当時のイメージにピッタリだが、アイルバイトを探す中で出会った女性・京子(秋吉久美子)に、親友の文平(川口淳)も恋をしているとわかったことから複雑な関係に。

親友・文平の京子の熱く一途な想いを知った宏は自分の想いを胸に秘めたまま、文平と京子の恋を成就させようと奔走。郷は言葉に出せない想いを表情やちょっとした身体の動きで見事に表現しており、俳優としてのキャリアの初期から単なる“モテるイケメン”ではなく、屈折した想いを抱える複雑な役どころに挑戦しているのも興味深い。郷ひろみはキャリアの初期から、ステージでの華麗なイメージからは予想もつかない役を演じてきたのだ。

『聖女伝説』や『さらば愛しき人よ』では、刑務所から出てきたばかりの青年など、彼の“アウトロー”な顔を堪能できる。あの流麗でアクロバティックなステージングを見ればわかる通り、郷ひろみの身体能力は極めて高い。その才を生かし、これらの映画ではハードなアクションにも挑戦している。さらに、いつ命を失ってもおかしくない状況の緊迫感、上昇するためなら手段を選ばない非情な表情、さらに危険な状況下で描かれる愛のドラマも郷はダイナミックな演技で描写していく。

名匠・篠田正浩監督が近松門左衛門の世界を描いた大作『鑓の権三やりのごんざ』での郷ひろみが演じた主人公は、まさに日本が世界に誇る美男子。主人公・笹野権三は、器量が良くて槍さばきも流麗で茶の道にも通ずる男性。そのあふれる魅力によって権三は、夫婦になることを約束した女性、茶道の師の妻、その娘らの嫉妬や目論見に巻き込まれていく。時代劇の様式的な美しさを見事に体現する一方で、先の読めない波乱に満ちた状況で翻弄される郷の姿は必見だ。

俳優としての郷ひろみは、苦境に追い込まれたり、緊迫感のある状況に追い込まれてしまう“人間くさい”役どころを見事に演じきっている。その成果は多くの映画監督、同業の俳優たちをも魅了しており、山根成之監督の『さらば夏の光よ』では人気作家・ジェームズ三木が脚本を手がけ、秋吉久美子と共演。村川徹監督の『聖女伝説』では岩下志麻、三船敏郎、岩城滉一らと共演し、『男と女』『ある愛の詩』などで知られる巨匠フランシス・レイが初めて日本映画の音楽を担当している。

さらに、詩人・小説家・文芸評論家としても名高い富岡多恵子脚本による篠田正浩監督作『鑓の権三やりのごんざ』では、日本映画界が誇る名撮影監督、宮川一夫が撮影を、日本を代表する現代音楽家・武満徹が音楽を担当。そして原田眞人監督の『さらば愛しき人よ』では、気鋭のバイオリニストにして作・編曲家の中西俊博が音楽を担当。映画・音楽界の“レジェンド”たちの仕事を堪能できる。

俳優・郷ひろみの出演映画をいま改めて観ることで、歴史に残る日本映画史の一端を垣間見ることができるはずだ。

いますぐ配信ページへGO!
“映画俳優・郷ひろみ”の魅力あふれる4作品を紹介

『さらば夏の光よ』(1976年)

監督:山根成之/脚本:ジェームス三木/原作:遠藤周作
出演:郷ひろみ 秋吉久美子 川口厚 仲谷昇ほか
©1976松竹株式会社

南条宏(郷ひろみ)と野呂文平(川口厚)は、アルバイト捜しで立ち寄ったファーストフード店で、美しい店員・戸田京子(秋吉久美子)に心惹かれる。宏はアルバイトに採用され、京子との距離を縮めるが、ある時、文平が京子に恋をしていることを知る。文平の情熱に心を打たれた宏は、ふたりの恋を成就させようと奔走。文平と京子は同棲を始めるが……。

郷ひろみが主演を務めた青春ラブロマンス作品。『沈黙』や『海と毒薬』で知られる作家・遠藤周作の小説を基にジェームス三木が脚本を執筆。監督の山根成之は本作で第19回ブルーリボン賞監督賞を受賞している。

『聖女伝説』(1985年)

監督:村川徹/脚本:塩田千種/音楽:フランシス・レイ
出演:郷ひろみ 岩下志麻 小野みゆき 岩城滉一
   山田辰夫 夏八木勲 成田三樹夫 三船敏郎ほか
©1985松竹株式会社

7年の刑務所暮らしを終えて出所した早瀬俊夫(郷ひろみ)は、刑務所仲間だった岡野(岩城滉一)のもとを訪ね、借金取り立ての仕事を手伝う中で、銀座のクラブを経営する妖艶な女・市川多恵子(岩下志麻)に出会う。強引に多恵子と関係を結んだ俊夫は、多恵子が開店した高級クラブの用心棒になり、そこで美しい女性・王麗花(小野みゆき)にひと目惚れする。やがて俊夫は彼女と愛を交わしながら、アウトローの世界でのし上がっていこうとする。

『最も危険な遊戯』や『野獣死すべし』などで知られる村川透が監督を務めたハードなアクションドラマ。危険な世界で成功の階段を猛スピードで上がっていこうとする野心あふれる青年を郷ひろみが見事に演じている。音楽は巨匠フランシス・レイが担当。

鑓の権三やりのごんざ (1986年)

監督:篠田正浩/脚本:富岡多恵子/原作:近松門左衛門
出演:郷ひろみ 岩下志麻 火野正平 田中美佐子
   津村隆 大滝秀治 小沢昭一 竹中直人ほか
©1986/2022 表現社/松竹株式会社

出雲・松江藩の笹野権三(郷ひろみ)は器量がよく、槍さばきが見事で、茶の道にも通じていた。主君にお世継ぎが誕生したことをきっかけに、権三が近隣の諸国一門に茶の湯を振る舞うことに。彼が茶の湯の極意=真の台子の伝授方を茶の湯の師の妻・おさゐ(岩下志麻)に懇願すると、おさゐは娘の菊(水島かおり)を貰ってくれと頼み、権三はお雪(田中美佐子)とやがては夫婦なると契っていたが、菊と夫婦になる道を選ぶ。しかし、おさゐは権三とお雪の関係を知ってしまい……。

篠田正浩監督が『心中天網島』以来の近松門左衛門原作に挑んだ大作。細部までこだわり抜かれた美術、名匠・宮川一夫のキャメラによる映像、武満徹のスコアも組み合わさり、圧倒的な映像世界が描き出される。第36回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品され、銀熊賞 (芸術貢献賞)を受賞した。

『さらば愛しき人よ』(1987年)

監督・脚本:原田眞人/原作:西岡琢也/音楽:中西俊博
出演:郷ひろみ 石原真理子 南條玲子 木村一八
   嶋大輔 安岡力也 大地康男 余貴美子 笹野高史
   佐野史郎 柄本明 原田芳雄 内田裕也 佐藤浩市ほか
©1987松竹株式会社/バーニングプロダクション

暴力団大東連合の若手幹部・早坂修史(郷ひろみ)は会長から目をかけられているが、抗争中の闘竜会との和平工作をすすめる兄貴分からは煙たがられていた。そんなある日、会長の娘の結婚披露宴が行われ、修史は幼なじみで、いまも忘れることのできない女性・海老沢ひとみ(石原真理子)から声をかけられる。一度は反射的に「人違いです」とその場を去るも、修史は激しい抗争の中、ひとみの元へ向かうが、そんな修史の姿を凄腕のヒットマンが追う。

後に『KAMIKAZE TAXI』や『クライマーズ・ハイ』など数々の名作・ヒット作を生み出す原田眞人監督が自ら脚本も手がけたサスペンス・アクション。緊迫感あふれる描写の連続で、主人公・修史の怒りと抑え込んでいた感情が爆発するクライマックスのアクションシーンは圧巻! 主人公を襲うヒットマンを佐藤浩市が演じているのも見どころだ。