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加藤和樹、初の本格コメディ挑戦! 真面目な弁護士ポールは「やればやるほど自分と似ている」

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加藤和樹 撮影:You Ishii

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“喜劇の王様”と呼ばれ、日本でも根強い人気を誇る劇作家ニール・サイモン。1963年に初演された彼の初期の傑作にして、ロバート・レッドフォード&ジェーン・フォンダ主演で映画化もされた『裸足で散歩』が加藤和樹、高田夏帆、本間ひとし、松尾貴史、戸田恵子の出演で上演される。舞台は真冬のニューヨーク。新居のアパートにやってきたポールとコリーの新婚カップルだが、住人はちょっと風変りだし、天窓からは雪が降りこんでいるし、なんといっても最上階の彼らの部屋まで昇る手段は階段しかない。コリーはこの部屋を楽しんでいるようだが真面目なポールは馴染めずにいて……。日常と地続きのキュートなこのラブコメディで、真面目な新米弁護士・ポールを演じるのは加藤和樹。意外にも“コメディ”と銘打つ作品への出演が初めてだという彼に、作品の魅力などを聞いた。

コメディをやっているぞという感覚はない

――コメディは、お好きですか?

舞台作品はそんなに見ていないですがコメディ全般は好きです。なかなかお話がないので、挑戦してみたいとはずっと思っていました。

――具体的に好きな作品や作家はありますか?

三谷幸喜さんの映像作品もよく観ていますが、舞台では福田雄一さんの作品を数多く観ています。ミュージカル『モンティ・パイソンのSPAMALOT』(2012年初演)を初めて観た時は衝撃でした。腹を抱えて笑うってこのことか、というくらい笑いました。福田さんの場合はキャストの魅力と、演出家と俳優の信頼関係があって成り立つ笑いだと思うし、『裸足で散歩』とは笑いのタイプが違うとは思うのですが、今回、翻訳を息子さんである福田響志君がやっているので、ちょっと面白さが通じるところもあります(笑)。

――では今作『裸足で散歩』はどういうタイプのコメディでしょう?

僕の中のイメージは『フルハウス』(1987年~'95年に放送されたアメリカのドラマ)。『フルハウス』は大好きでずっと観ていたのですが、リアクションだけで面白いじゃないですか。間をずらしたり、受ける芝居も面白い。これもそういったタイプの、いわゆるホームコメディ。瞬発的な笑いを取る“ザ・コメディ!”というのとは少し違う、ベースにお芝居がきちんとあって、描かれているのは人間ドラマです。それぞれのキャラクターにきちんと心情の流れがあるので、実は演じている今、あまりコメディをやっているぞという感覚はないんです。新婚カップルの日常にありがちなドタバタが面白いので、演じる側が「お客さんを笑わせよう!」とやりすぎてしまうと、物語の軸がブレてしまう。真剣に物語を向き合い、結果「すごく笑える、ハートフルなコメディだったね」となったら一番いいのかなと感じています。

まわりに翻弄されるポール
「すでに他人とは思えません」

――演じるのがポール。真面目な弁護士ですね。まわりに翻弄される役、というのは加藤さんは得意そうです(笑)。

たしかに彼が一番この作品の中で翻弄されていますね(笑)。お母さん(バンクス夫人)もそういうところはありますが……。コリーが散らかしたものを、几帳面に一個ずつ片付けたり、というのは……自分でもやっていて「いつものやつだな」と思ったりもします(笑)。

――ポールの可愛いところは?

やればやるほど、自分と似ているなと思うところばかりで、すでに他人とは思えません。なんだかんだ言ってコリーのことが大好きで、本当はケンカもしたくないんだけど、強がりを言うし、意固地というか頑固というか頭でっかちというか……。そういうところが「ああ、わかるな」と思うし、すごく愛しいです。彼の真面目さをきちんと真面目に作り上げるほど、コリーとのコントラストが出て面白くなると思うので、その笑いをきかせるためにもしっかり真面目なポールを作っていきたいです。

――コリー役は高田夏帆さん。高田さんは初舞台とのことですがお稽古をしていて、どんな印象ですか?

可愛らしいです。見ていて癒される反面、女性らしい強さ、譲らない部分などはコリーそのもの。今回初舞台ということで、彼女なりの意気込みや気合いがあると思うのですが、その食らいついていく感じが、「何が何でも自分の意見は譲らない」というコリーらしさに通じるところもある。もうね、僕ら、全然噛み合わない夫婦なんです(笑)。それでもお互いがお互いのことを大好きで、愛し合っているんだなというのが伝わるような夫婦になっていけたらいいですね。

――高田さんと一緒にテーマ曲も歌っていらっしゃいます。ストレートプレイでテーマソングがあるのも珍しいですが、あれはどういう経緯で……?

経緯……(笑)。プロデューサーが僕のコンサートを観にきてくださって、「やっぱり歌わせたい! 急いで曲を作るから歌って!」となった、みたいです。すごい勢いで響志君にも詞を書いてもらって。あっという間にレコーディングしてプロモーションビデオも撮りました。でもめっちゃ、いい楽曲になっています! この物語にピッタリ。きっとご覧になる方は「あの曲の感じを想像して観に来たら、すごいみんなケンカしてるじゃん……」と驚き、でも最後まで観たら「最終的にはこのテーマソングみたいになったね」と思ってもらえると思います。

舞台『裸足で散歩』テーマ曲「君と僕」PV

――さて、すでにお稽古も佳境とのことですが、稽古をしている今の心境は。

コメディは大変……というより、この作品自体が大変だなと感じています。今まで演じてきたストレートプレイ、『罠』や『暗くなるまで待って』はモノローグや説明台詞も多かったのですが、今回は完全に台詞の掛け合いで進行していきます。モノローグはほとんどない。会話をするって、難しいなと感じている真っ最中。会話って日常的にしているものなので、それをいかに嘘くさくなく、ちゃんと動きをつけ、アパートの中で生活している人たちの会話にできるかということが課題です。

「東京タワーも歩いて昇れちゃいました」

――例えば映像のお芝居も会話で進行していくものが主だと思いますが、それとも違う難しさですか?

全然違います、映像は途切れますが、舞台は動き続けなきゃいけない。ということは気持ちも動かし続けなきゃいけないんです。常に考えを巡らせて、しかもその動きは自然に出てくるものにしなければいけないので。その日常感をいかに出せるかは、稽古を重ね、身体に染みつかせていかないといけないなと思います。苦労しています。

――確かにコメディと言っても、意外と等身大の若いカップルのお話ですよね。

おっしゃるとおり、本当に日常を切り取ったようなリアルな作品。時代は60年代ですが、今にも通じる夫婦間のいざこざなんだろうなと思うし、観る方に「あるある、そういうこと」と思ってもらえる話だと思う。これは演出の元吉さんがおっしゃっていたのですが、観る方がポール派、コリー派って分かれるだろうって。どちらにも共感できるんですけれど、もし夫婦で観に来られる方がいたら「あそこでコリーが言ってることってこうだよね」とか、帰り道に討論するのも面白いんじゃないかな。……でも実はこの物語、最後に何も解決していないんです(笑)。そこが面白い点でもあるし、解決していないけれど一歩ずつ歩み寄った、というのは一番大きいメッセージになるんじゃないかな。日常のぬくもりを感じてもらえたら、いいですね。

――初の本格コメディ挑戦、楽しめそうですか。

だんだん楽しくなってきています! 最初はこの台詞量と動きを覚えるので頭がいっぱいで、段取りに追われていましたが、それが身体に馴染んでくると、会話が楽しくなってくるんです。次はどういうアプローチをしようとか色々試せていますし、たぶんこれ、日によっても見え方も違ってくると思う。共演の戸田恵子さん、松尾貴史さん、本間ひとしさんも、どうやったら面白くなるのかということを知りぬいていらっしゃる手練れの方々ですので、もう動き方、佇まいからしてずるいくらいに面白い。着々と今、面白さを積みあげているところです。

――楽しみにしています! ちなみに加藤さんは、階段は何階までなら歩いて昇りますか?

何階でも歩けますよ。東京タワーも歩いて昇りたいなと思って挑戦したら昇れました。というか、せっかちなので、エレベーターを待つのがイヤなんです。ちょっと来ないと「階段で行こっ!」となる(笑)。ただ、ポールを擁護すると、当時のニューヨークのビルの階段って螺旋だし、1階分も今の2階分くらいあったそうなので、彼らの新居は今でいうと10階分くらいなんですよ。それを毎日歩きで昇り降りすることを考えたら……まずその物件を僕なら選ばないですね(笑)。

取材・文:平野祥恵 撮影:You Ishii

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<公演情報>
『裸足で散歩』

2022年9月17日(土)~9月29日(木)
会場:東京・自由劇場

※プレビュー公演:2022年9月13日(火) 有楽町よみうりホール
兵庫、大阪、神奈川、東京多摩公演あり

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