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中村倫也と遠藤憲一の因縁の謎、深まる 『ドロ刑』に張り巡らされた伏線を紐解く

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リアルサウンド

 突然の別れのメッセージを最後に、すっかりバーに顔を出さなくなった煙鴉(遠藤憲一)。これまでも何度か連絡取れないことがあったと言いながらも、その期間の長さに心配そうな表情を浮かべる斑目(中島健人)。そんな中で、煙鴉を執拗に追い続けている皇子山(中村倫也)は煙鴉の自宅に潜入。自殺関連の書籍や睡眠薬としても用いられるバルビツールという薬品の瓶を発見する。

 11月24日に放送された日本テレビ系列土曜ドラマ『ドロ刑 -警視庁捜査三課‐』第7話。これまでのように13係の面々のポンコツな活躍とプロの窃盗犯との対峙という方向性はかろうじて維持されながらも、物語の主たるものは病院内に渦巻く手術ミス隠蔽を暴くという、三課が担当する案件から大きく逸脱したもの。完全におまけエピソードのように思っていたが、蓋を開けてみるとこれまでのエピソードで少しずつ紐解かれてきた、皇子山と煙鴉の“因縁”に結びつく伏線がふんだんに張り巡らされた回となっていた。

 病院を狙った窃盗事件を捜査するために潜入捜査に乗り出す13係の面々。斑目は看護師になり、変装の達人として知られる宝塚(江口のりこ)は医師になりすます。他の面々も思い思いの格好で潜入するものの、見事なポンコツぶりで何の役にも立たず、結果的にあっけなく斑目が窃盗の現場を目撃。追っていた犯人を現行犯で逮捕する。しかし、その犯人が盗み出したパソコンに残されていたのは、外科部長の手術ミスを告発する文書。斑目と宝塚、皇子山の3人は管轄外だとわかりながらも独自に真相を暴き出すために捜査を始めるのだ。

 その管轄外捜査の根底にあるのは、刑事らしい「正義」という信念。本ドラマの当初の方向性のひとつでもある13係のチームワークがそれなりに強くなっていることが見受けられる中で、それを支えているものが「正義」だと改めて理解することができよう。とくに皇子山と宝塚の2人に関しては、少し風変わりな部分も否めない一方で、強い正義感を持ち合わせ、自身の持つスキルを存分に活かすこともお手の物ときた。

 今回の捜査の過程で皇子山は、潜入した病院で働く知り合いから情報をもらう。そこでの会話で、皇子山が執拗に煙鴉を追う理由として以前話に出た、“大切な人の命を奪った”という事柄が結びつく。そう、今回のエピソードで「病院」や「隠蔽」という要素が登場したことや、厳重にロックされた「セキュリティルーム」の存在。皇子山と斑目がかわす「入ると2週間出てこられなくなる」という話もまた、ひとつの伏線だったというわけだ。

 そして最後の最後に明らかになる、煙鴉の消息。別の病院に忍びこみ、あるデータを盗み出した煙鴉は、次の出られるタイミングまで2週間をそこで過ごしていたというのだ。そこで彼が調べていたのは「カルテ改竄問題について」と書かれた文書。それを書いた人物の名前は「皇子山真里」。自殺したとされる皇子山の“大切な人”に関わる資料をなぜ煙鴉は盗み出したのか。さらに2人の間にある“因縁”の謎は深まるばかりだ。(文=久保田和馬)