のっちはゲームがしたい! 第12回 「モンスターハンター」のボイス収録に挑戦!あの肉焼きの声も「上手に録れました~」
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左からのっちさん、アイルー。
ゲームが大好きなPerfumeののっちさんが、ゲームに関わるさまざまな人々に会いに行くこの連載。今回はカプコンの専務執行役員で「モンスターハンター」シリーズプロデューサーである辻本良三さんにお会いし、2021年のゲームソフト販売本数ランキングで1位になった「モンスターハンターライズ」、およびその超大型拡張コンテンツとして6月に発売された「モンスターハンターライズ:サンブレイク」についていろいろなお話を聞いてきました。
さらに今回はモンハン開発チームの皆さんが、のっちさんにキャラクターボイスの収録を体験させてくれることになりました。声優は好きなものの、自分でアフレコをするというのはほとんど経験したことがないのっちさん。果たしてどんなボイスになるのでしょうか……?
※この取材・撮影は感染対策を講じたうえで実施しました。
取材 / 倉嶌孝彦・橋本尚平 文 / 橋本尚平(取材後記は除く) スチール撮影 / 高橋榛名 動画撮影・編集 / 宮田航輔 ヘアメイク / 大須賀昌子 題字 / のっち
目次
ゲームキャラのボイス収録に初挑戦
カプコンは大阪に本社を構えていますが、この日のっちさんがやってきたのは東京・西新宿の高層ビル群の中にある東京支店。ちょうど辻本さんが東京に来ているタイミングで、お時間を作っていただけることになりました。
エントランスには、カプコンから発売されたゲームの市販されているグッズなどがたくさん飾られていますが、その中でも種類と数が豊富なのがモンハン関連のもの。ネルギガンテやリオレウスなどの精巧でリアリティのあるフィギュアに、「すごい!」「カッコいい!」と言いながらのっちさんは見入っていました。
フィギュアがリアリティを追求する一方、ぬいぐるみは元の面影を残しながらもディフォルメされ、凶暴さゼロのキュートな見た目に。マガイマガドやオサイズチのぬいぐるみを見ながら「えー! あれがこんなにかわいくなっちゃうんだ!」と思わず笑ってしまったのっちさん。至福の表情で「かわいい!」と連呼していました。
こちらはギターメーカーのESPとのコラボで制作された、リオレウスの大剣をモチーフにした「炎剣リオレウスギター」。2014年から2015年にかけて期間限定で、税抜230万円で受注販売されました。もちろん実際に弾くことができます。のっちさんは「いいなあ。私もギターが弾けたらなあ」とうらやましげにしていました。
支店といえどもオフィスは広く、のっちさんは社内を歩きながら「むちゃくちゃしっかりしてるんですけど(笑)。これで支店なら大阪本社はどんなことになってるんだろ」と驚きます。案内された先にあったのは、東京支店に最近できたばかりだという、「ミックスルーム」というゲーム中の音を調整するスタジオ。社員さんから「すごく狭いんですけどすみません……」と恐縮されながらスタジオ内に入ったのっちさんは、予想外の広さに「全然狭くないです! 大阪どんだけ広いんですか!」と笑いました。
今日はこのスタジオで、ゲーム内で使われているボイスをのっちさんに演じてもらい、その声を録音。そしてすぐ、実際にゲームに実装して遊んでみます。それを聞いて「えっ! それってそんなに簡単にできることなんですか?」とビックリするのっちさんに、この企画のために大阪から来ていただいたサウンドスタッフの皆さんは「メチャクチャ大変です。僕ら昨日寝てないです(笑)」と優しい笑顔で答えてくれました。
最初に収録したのは、「ライズ」の新要素である攻撃アクション、鉄蟲糸技(てっちゅうしぎ)を繰り出すときにプレイヤーハンターが言う決め台詞。今回は双剣の技である螺旋斬をのっちさんの声で録ることになりました。マイクの前に立ったのっちさんに、「ライズ」「サンブレイク」のサウンドディレクター・田中浩介さんが「休みてえ!みたいな愚痴でもなんでもいいので、今思っていることを叫んでみてください」と演技指導。
しかしのっちさんは「レコーディングしたりしゃべったりは慣れてるんですけど、叫ぶのは初めてかもしれない……」「私いつも、振付をしてもらって曲を書いてもらって、言われるがままにやってるので……」と自信なさげ。田中さんはそんなのっちさんを「今日はいちクリエイターとして、MIKIKO先生や中田ヤスタカ先生の手を離れて自由に自分を表現してください」と励まします。
緊張気味ののっちさんでしたが、プレイヤーハンターの動きに合わせて「のっちはゲームがしたい!」と渾身のシャウト。録音したボイスを聴き返して「心からゲームがしたそう!」と、その出来に満足した様子でした。
ちなみに、このときのっちさんがボイスを入れたハンターはこちら。のっちさんが来るということで、このレコーディングのために開発チームがのっちさん風のキャラメイクを用意してくれていました。これを見てのっちさんは「すっごい似てる(笑)。前髪もあって髪短くて、高校生のときの私のマンマです」と嬉しそうにしつつ、「でも、私がこれを作ってオンラインでやってたら『のっちだ!』ってバレちゃいそう」と笑っていました。
さらにこの調子で、ガンランスの鉄蟲糸技「フルバレットファイア」のボイスも収録することに。今度はただセリフを言うだけでなく、スタッフの間で「気合い声」と呼ばれているうなり声もあり、ハンターになりきって気持ちを声に出さなければいけないので演技の難易度が上がります。のっちさんは「せっかくならカッコよく叫びたい!」と意気込みながら録音を開始しました。
「よっこいしょ! よいしょ! えーっと……ガンファイアー!」
決め台詞なのに、技の名前を一瞬忘れて言葉が詰まってしまうという痛恨のミス。しかも正しくは「ガンファイア」ではなく「フルバレットファイア」です。しかしこの、のっちさんらしさあふれるボイスに「これはこれでいいんじゃない?(笑)」と辻本さんも太鼓判。
さらに続いて人気キャラクター、アイルーのボイス収録にも挑戦。なんとこちらも、開発チームがのっちさんの愛猫・にあちゃんそっくりにキャラメイクをしてくれました。「すごい! かわいい! こんなに似せられるの!?」と喜びながら、のっちさんは今度はにあちゃんになったつもりで猫の鳴き声を真似します。20秒というこれまでよりも長尺のレコーディングだったため、最後に一瞬素に戻ってしまったのか、明らかに人間の声が混じってしまいましたが、見事にネコの声を演じきりました。
そして最後に、モンハンのボイスといえばコレ。肉焼きセットを使ってこんがり肉をうまく焼けたときの声「上手に焼けました~」も収録してもらいましょう。
ちなみにこの声、もともとは声優が録ったものではなく、カプコンの社員さんが仮で録音したボイスを当時のディレクターが「これいいじゃん」と気に入り、本番テイクとして採用されたんだとか。それもあって、力を抜いてわざとゆるく言うのがモンハンっぽくなるコツなんだそうです。このアドバイスを参考にのっちさんがボイス収録をしてみたところ、リラックスしすぎたのか少々イントネーションに広島弁が混じってしまいました。
セロリを折って手応え十分
さらに今回はボイス収録だけでなく、フォーリーサウンドの録音にも挑戦してもらいます。フォーリーとはもともと映画の技法で、映像を観ながらいろいろな小道具を駆使して、足音、衣擦れ、海の波音などさまざまな音を表現するというもの。のっちさんは当連載の第2回で「FGO」こと「Fate/Grand Order」の武器の打撃音を作る体験をしましたが、今回はオロミドロの尻尾が動く音を作ることになりました。
実はオロミドロが尻尾を動かすときのメキメキという音は、セロリを折って作られていました。フレッシュなほどいい音が鳴るそうで、冷蔵庫から取り出したばかりのよく冷えた新鮮なセロリがのっちさんの手元に。たまたまサロペットを着ていたため、セロリを持つ姿がまるで野菜を収穫しているようで、のっちさんは鏡に映る自分を見て「あ、すっごい似合うんですけど!」と笑っていました。
録音する際はマイクとの距離も自分で調節。迫力を出したければマイクを寄せて、近すぎるかなと感じれば離す、という微調整をしながら何テイクも収録します。オロミドロの映像を見ながら、気合を入れてセロリを折るのっちさん。しかし本人が思ったよりはうまく鳴らなかったようで、「普通にセロリが折れた音がしました(笑)」と苦笑いしていました。そこで「1回バキッと折った状態で、そこからねじったりするといい」との助言を受けて再チャレンジすると、今度は完璧なオロミドロの音に。田中さんや辻本さんから「めちゃめちゃうまいです! こういう仕事やってました?」と褒められ、のっちさんも「このメキメキですね!」と手応えを感じていたようです。
このあと、のっちさんは自分のボイスを実装したゲームを少しだけプレイさせてもらいました。のっちさんのボイス収録の様子や、そのボイスが流れるゲーム動画はこちらのYouTubeでチェックしてみてください。
そして最後に、マガイマガドの狩猟曲など「ライズ」「サンブレイク」のさまざまな曲を作っているリードコンポーザーの堀諭史さんに、カプコンが開発したRE ENGINEがどのようにサウンドを制御しているのか、「サンブレイク」の開発画面を見ながら簡単に紹介していただきました。
狩猟が始まると流れるBGMは、プレイヤーハンターがモンスターから離れていくとだんだん小さくなり、“バトル”の曲から“チェイス”の曲へと同じテンポでシームレスに切り替わります。そして“バトル”の曲は一旦完全に聞こえなくなっても、そのモンスターに再び近付くと、曲が終わったところからまた始まるようになっています。どのモンスターにおいても、それぞれ専用の“バトル”の曲と“チェイス”の曲がきれいにつながるように、1つひとつ調整されているんだそうです。
堀さんはこれについて「やり直したときに曲が最初から始まると、ゲームが一旦中断したような気分になってしまうので、前回中断したところから曲が始まることで、ゲーム内で時間が続いている感覚になって没入感が高まるんです」と説明。のっちさんは「確かにそうだ!」と、気付かなかったBGMのこだわりに感心していました。
「ライズ」の世界観が和風だったのに対して「サンブレイク」は西洋をモチーフにしているため、音楽もバンドネオンや、昔のフルート、ハープなど西洋の古い楽器を使って「ライズ」とはまた違う雰囲気のものを制作。実際に海外のオーケストラを迎えて生音をレコーディングし、バンドネオンは国内のバンドネオンの第一人者である小松亮太さんが演奏しています。三味線などの和楽器により演奏された「ライズ」の音楽とは質感が大きく変わっていますが、「サンブレイク」と「ライズ」は自由に行ったり来たりできるため、それぞれに共通のサウンドを残しているんだそう。「音楽を聴くだけで新しいモンハンを触ってる感じがします。晴れやかな曲で、聴いていてむっちゃ気分いいですね」と、のっちさんは「サンブレイク」の曲をとても気に入っているようでした。
次のページからは、のっちさんが辻本さんにインタビュー。今回もいろいろなお話をたっぷり聞いてきました。
私は「ライズ」のことを「令和のモンハン」って言ってるんです
のっち まだ体験版しかプレイできてないんですけど(※取材は「モンスターハンターライズ:サンブレイク」発売前の2022年6月に実施)、「サンブレイク」面白かったです! メル・ゼナがカッコよかった!
辻本良三 ありがとうございます。のっちさんはいつからモンハンをやっているんですか?
のっち 初めて知ったのはテレビCMだったと思います。いろんな芸能人が出てきて「前作のプレイ時間:何百時間」って表示されるやつ。「この忙しそうな人たちがそんなにハマるゲームがあるのか」と思いました。それからゲーム好きな友達が「一緒にやろうよ」って誘ってくれて「ダブルクロス」を初めて買ったんですけど、私、人と一緒にやるゲームがあまり得意じゃなくて……(笑)。1回だけカラオケに集まってみんなでやったんですけど、あとはずっと1人でプレイしてましたね。ほかに「ワールド」もちょっとやったんですが、一番やりこんだのはスマホアプリの「エクスプロア」(※2020年11月にサービス終了)です。
辻本 なんと! ありがとうございます! 「エクスプロア」のスタッフが喜びます(笑)。
のっち それまでモンハンに触れたことがない初心者にとって、モンスターの動きが覚えられなくて「当てようと剣を振ったところにもうモンスターがいない」というのはストレスだったんですけど、アプリはボタンを押したら全部の攻撃が当たるんですよ。あとは、課金すればするほどいい素材が多くもらえるというシステムが本当に気持ちよくて(笑)、かなりハマってハチャメチャに課金してました。
辻本 サービス再開せなあかんな(笑)。
のっち 「ライズ」を作ることになったとき、まずどんなゲームにすることを目指したんですか?
辻本 ひさびさに携帯機で遊べるモンハンなので、手軽に遊んでもらえるような設計をテーマにしました。「寝る前に、ベッドに入って15分で1クエストだけやろう」みたいな気軽さやスポーティな部分を重視して。
のっち 「いろんな面で遊びやすくなったな」と思ったんですよ。個人的に苦手だった機能が全部なくなって、ガルクのおかげでフィールド移動も速くなって。あとこれは「ワールド」からですけど、ペイントボールもなくなりましたよね。あれも苦手で、いつも当たらない当たらないって言ってるうちにやられちゃってました。モンスターが最初からフィールドマップに表示されるのも「ライズ」からですよね? 「ワールド」にもモンスターの痕跡の匂いを覚えるというのがありましたけど。
辻本 最初からモンスターの位置がこれだけはっきり見えるのは「ライズ」からです。あれはクエスト開始時にハンターが飛ばす、フクズクという鳥が教えてくれてるんですよ。
のっち 確かに最初に飛ばしていますね! あの子が全部見てくれてるんだ。私は「ライズ」を人にオススメするときに「令和のモンハン」って言ってるんです。「今はもう“令和のモンハン”になってるから! やってみて!」って。
辻本 令和のモンハン(笑)。そうですね。プレイヤーが肉を焼くこともあんまりなくなってきましたし。
のっち あ、確かに。なくなりましたね。
辻本 そこらへんも「モンスターハンター」というものを全体的に見直した結果ですね。
のっち それって毎回やってるんですか?
辻本 毎回やります。開発期間が長いタイトルは見直す期間もあるので、「ライズ」ではひさしぶりの携帯機で遊べるモンハンですし、特にやりましたね。作ってる途中でゲーム自体の仕様をガラッと変えちゃうときもあるので。
のっち ドンガラガッシャンと。それってめちゃくちゃ大変な話ですよね?
辻本 大変ですね。そのときはみんなに「1回休んでゆっくりしてから考えようか」と声をかけます(笑)。
のっち でも、あんまり変えすぎても“モンハンらしさ”がなくなってしまいそうだし、そこの葛藤はありそうですよね。
辻本 「残さないといけない遊び」はなんとなく自分たちの中にあって、それ以外の要素から「今の人たちにとって本当に必要なのか」を見直してるんです。プレイヤーの方に「これモンスターハンターじゃないよね」と思われるのは絶対ダメなので、それだけは気にしてます。
のっち 私が驚いたのは、モンスターが弱ってきて捕獲できるようになったら「今なら捕まえられますよ」と表示されるようになったことで。それまではプレイヤー同士で「もういけるかな?」って会話しながら、結局捕獲できなかった、みたいなところにもモンハンっぽさを感じてたから、あれってすごく大きい変更だなと思って。基本的に1人で遊んでる私にとって、あの機能は助かるんですよ(笑)。
辻本 そうですね。今回はそこよりも、立体的なアクションをもっと楽しんでもらうのがテーマなので。ペイントボールをなくしてモンスターがどこにいるか最初からわかるようにしたのも同じで、モンスターを探すことに集中してもらうより、そこまでのルートをどう進むのかに集中してほしかったんです。一直線に向かってもいいですし、環境生物を取得しながら向かってもらってもいいですし。
のっち 確かに、寄り道すればするほど強くなるし。移動するだけで楽しいです。
辻本 そこにストレスをかけたくなかったというのもあって、翔蟲を使っての移動やアクションを導入したんです。
のっち ビューンって上に飛んでいったり、動きが気持ちよくて。まあ、うまく使えたらですけど(笑)。遊びやすすぎて、翔蟲のないモンハンはもうできないんじゃないかってくらいです。
私の課金もその一部になってるんですね……
のっち 今回の「サンブレイク」もそうですけど、モンハンって「モンスターハンター4」のあとに「4G」、「クロス」のあとに「ダブルクロス」、「ワールド」のあとに「ワールド:アイスボーン」みたいに、あとで新しくアップグレード版を出すじゃないですか。それってどの段階で決まってるんですか?
辻本 その時々によって違いますが、「ライズ」の場合、決まったのは開発が後半になってからですね。だから「ライズ」を作りつつアップデートの作業に入ってました。最初から決めているということはないです。
のっち それってどうしてですか?
辻本 アップデート版は、元となる“無印”のゲームをより深く遊んでもらうことがテーマの1つです。そのため評判だったり、どこを深掘りするといいのかなど、ある程度プレイヤーの意見も聞きながら作らなければいけないからです。とはいえカプコンはモンハンしか作っていないわけじゃないから、ほかのゲームの制作にも人を入れないといけないので、アップデートの実施もそんなに急には決められなくて。
のっち あらかじめ人員を確保しないといけないから、ある程度は先に決めておくってことですね。
辻本 そうなんです。「サンブレイク」も社内だけで多いときは250人くらい関わっていたので。
のっち ええっ! それ以外に外部の人もいるってことですよね? 社内だけで250人のプロジェクトってすごい!
辻本 だからエンディングのスタッフロールが長いんですよ。僕の名前がいくら待っても全然出てこなくて(笑)。
のっち ははは(笑)。それって、何をしてる人が多いからなんですか?
辻本 サウンドはBGMとSEで違うし、キャラクターもデザインする人、モデルを作る人、動かす人がそれぞれ別だし、プログラムもプレイヤー担当、モンスター担当、ステージ担当とそれぞれ分かれてるので、たくさんの人数になってしまうんですよ。
のっち それらを会社内でやってるんですね。ほかのタイトルを作っている人も合わせると、どれくらいの人数になるんですか?
辻本 この東京の開発は300人くらいで、大阪は開発だけで2000人くらいいるのかな? 本社ビルのほかに研究開発ビルが2棟あって、そこが全部埋まってるくらいですね。
のっち ええっ! すごい……私の「エクスプロア」の課金もそのビルの一部になってるんですね……。
辻本 ありがとうございます! みんなの給料になっております(笑)。
部位破壊はあんまり痛そうじゃないところですることが多いんです
のっち 「ライズ」は和風の世界観でしたけど、「サンブレイク」で洋風に変えたのはどうしてなんですか?
辻本 拡張コンテンツとはいっても、やっぱり新作が発売されたくらいの感覚で遊んでほしいので。あと、プレイしていて「これは『サンブレイク』だな」とわかりやすい雰囲気にしたかったんです。和のテーマを引き継ぐと、どっちなのかわからなくなるかもと思って、ガラッと変えちゃおうと。ただ残すべきところは引き継ぎたいので、日本の妖怪をモチーフにモンスターを作っていた「ライズ」に対して、「サンブレイク」では中心となる3体のモンスターを西洋の怪物をモチーフにしました。吸血鬼とか狼男とか。
のっち ああ、なるほど! 言われてみると「ライズ」のモンスターは妖怪モチーフですね! アケノシルムは唐傘おばけ?
辻本 そうですね。あと、ヨツミワドウは河童、とか。
のっち 「ライズ」は和風というテーマがあるのでモチーフを考えやすかったのかなと思うんですけど、ほかのタイトルでは何をイメージしてモンスターを作ってるんですか?
辻本 いろいろとあるんですが、「作品のテーマ」「ゲームのどの段階に出てくるのか」「どのステージに出てくるのか」「どんな生態を持ってるのか」とかですかね。
のっち あー、ステージかー!
辻本 モンスターは架空の生物なんで、考えるのにものすごく時間がかかるんですよ。だからモンスターを作っているメンバーは、いろんな生物のデザインや動きなどについてすごく研究しています。あとゲームなので、もちろん強いモンスターだけではなく、そんなに強くないモンスターとかも考えないといけないので。
のっち そのへんにいる、攻撃してこないちっちゃいやつとか?
辻本 そういうのもだし、序盤で最初に出会うモンスターもそうだし。ある意味、全モンスターが強そうでカッコいいのはダメなんです。「これはどのレベルで出てくるモンスターなのか」というのを考えるのは、けっこう気を遣う作業なんですよね。
のっち そのバランスは確かに難しそうですね。めっちゃくちゃかわいいモンスターを考えちゃって「かわいそうだから斬れないよ……」みたいなこともありそう(笑)。
辻本 一応、そこらへんは制作サイドも気にしていて、部位破壊はあんまり痛そうじゃないところですることが多いんです。爪とか角とか。
のっち あっ! 確かにそうだ! 尻尾の先を切り落とされても、そんなにグロさはないかも。
辻本 意外とそこらへんのことも考えてるんです。
今めちゃくちゃ誘ってるんですよ
辻本 のっちさんは基本的に1人で遊んでいるとのことですが、「サンブレイク」ではNPC(ノンプレイヤーキャラクター)をパートナーにできる「盟勇クエスト」というシングルプレイ専用クエストがあるんですよ。
のっち えっ! 村の人とかと一緒にクエストに行けるんですか? 例えば誰ですか? お団子屋さんも連れていけるんですか!?
辻本 お団子屋さんは連れていけないですが、けっこういろんなキャラクターと遊べますよ。しかも連れて行くキャラが、クエスト中にけっこうしゃべるんですよ。同行するキャラクターが決まっている「盟勇同行クエスト」と、パートナーを自由に2人チョイスできる「重要調査クエスト」の2種類あるんですけど、連れていく2人の組み合わせによっては、掛け合いがあったりもして。
のっち うわっ、それ楽しい! しょっちゅう村の人たちと世間話をしてる私向けですね(笑)。
辻本 1人でプレイしている人も、にぎやかに遊んでもらえると思います。
のっち 「モンハンは人とやるもんだ」っていう認識があったから、1人でやるのってどうなんだろうと思ってたけど、1人でもずっと楽しかったですね。
辻本 そういう人にもちゃんと楽しんでもらいたいという思いがあったんです。昔は人数にかかわらず難易度固定だったので、1人でプレイするとすごく難しかったんですが、今は集会所も参加人数に応じて難易度が変わるようにしてありますし。まあ、それでもマルチでやったほうがクリアしやすいとは思いますけど。ちなみにPerfumeのメンバー同士で一緒にやったりしないんですか?
のっち ゆかちゃん(かしゆか)はモンハンが好きで、昔「モンハンラジオ」(モンスターハンターシリーズの公式Webラジオ)にもお邪魔したことがあるんですけど。
辻本 そうですよね。
のっち でも2人のハマってやってる時期が違うから、一緒にやったことは1回もなくて。だから今めちゃくちゃ誘ってるんですよ。「令和のモンハンだよ!」って(笑)。ゆかちゃんが使うのは太刀だったかな? なんか「尻尾を切る係なんだからちゃんと尻尾に当てて」って怒られるんだって言ってましたね(笑)。
辻本 のっちさんはどの武器を使うんですか?
のっち 私は基本的に双剣しか使ってないんです。「双剣が強い」って書いてあるのを何かで見たのかな? あとは実況してた人が双剣を使ってたとか、そんなきっかけだと思います。
辻本 女性は特に双剣を使ってる方が多いんですよ。手数も多いので気持ちいいですよね。
のっち あと、大きい武器だとモンスターの前で「よいしょ」って溜めてから攻撃するじゃないですか。モンスターの動きを見極めるのがまだ苦手だからうまく当たらないし、双剣でチョチョチョンってやってるほうが向いてるかなって(笑)。
みんなの質問、のっちが代わりに聞いてきますのコーナー!
のっち それでは読者の皆さんから届いた辻本さんへの質問を読んでいきますね。
ライズから始めたハンター初心者です。狩りだけでなく、様々なモンスターの装備から重ね着もできてお洒落も楽しんでいます。プロデューサーから見てPerfumeに似合いそうな装備があれば教えてください!(個人的にはヤツカダキ、神凪姿が見てみたいです笑)
辻本 僕も神凪を見てみたいですね(笑)。
のっち 私が好きなのもそれなんですけど(笑)。
辻本 一番似合うと思います(笑)。
のっち 巫女みたいでかわいいですよね。あの衣装を着てるヒノエ&ミノト姉妹、初めて見たとき「……ゆかちゃん!」って思って(笑)。私は妹のミノト派ですね。ちょっとつんけんしてそうだけど「お姉さま大好き」みたいなところがかわいい。
辻本 さっき話した「盟勇クエスト」ではこの2人とも一緒にクエストに行けるんですよ。ところで、のっちさんは装備のこだわりってあるんですか?
のっち こだわりはなくて。水属性とか火属性とか、そういうのをモンスターに合わせてその都度変えています。だからガッチャガチャですね。あと、基本的には上半身脱いでいます(笑)。下に着ているインナーがかわいいから。下半身はヒノエ&ミノトみたいな袴を履いてます。
辻本 見た目重視ですか?
のっち ですね。中身はキメラ装備なんだけど、外見はかわいくしてます(笑)。
辻本 キャラクリは自分に似せるほうですか?
のっち いや、似せてないです。褐色白髪に緑の口紅です。
辻本 全然違いますね(笑)。
のっち でもすごいかわいいの!(笑) 白髪が好きみたいで、ほかのゲームでもキャラメイクするときは銀髪とか白髪にしがちですね。そこに緑のリップとか、自分では絶対にやらないことをします。ゲームをやってる間ずっと見ることになるから、やっぱりテンション上がる見た目がいいなと思って、すごく時間かけて自分好みに仕上げますね。
海外のプレイヤーも多いモンスターハンターシリーズですが国内と海外のプレイヤーではゲームをプレイした反応や感想は大きく違うものなのでしょうか?
開発チームに聞こえてきた国内外のプレイヤーからの面白エピソードなどがありましたら教えてください
のっち モンハンは海外でもめちゃくちゃ人気ですよね。
辻本 「ワールド」あたりから海外ユーザーの方が増えてます。でも基本的に、ゲームを作るうえで「日本向け」「海外向け」というのは意識したことがなくて。面白いことも怖いことも、本能的な感じ方はどの国の人も変わらないと思っているから、あんまりゲーム内で海外を意識したことはないですね。ただ、まとめ動画で海外の人の反応を見たりすると、皆さん反応がすごく大きいですよね(笑)。「うわー、そんなに喜んでくれるかー」ってうれしくなります。
のっち 本能っていうのは、例えばモンスターを倒した瞬間が気持ちいいとか、装備を整えるのが楽しいとか?
辻本 そうですね。だからプレイヤーが望んでいることも、国内と海外で違いはないんじゃないかなと。「ワールド」の発売前に海外の人にテストプレイをしてもらったら、「攻撃が当たってる感覚がなくて、何が正解か不正解かわからない」ってけっこう言われたんですよ。その話を聞いたときに「これは外国人特有の意見というわけじゃなくて、もしかして初心者はみんなそう感じてるんじゃないか?」と思って、開発内で見直そうと判断したんです。
のっち それでダメージの数値が表示されるようになったんですね。柔らかい部位に当たると数字の色が変わるのも、その頃に実装したんですか?
辻本 そうです。より正解に近いのは何かをわかりやすくしましょうということで。それまでは「攻撃が効いているかはモンスターの動きを見てください。弱った動きをしてたら弱ってきてるでしょう」という方針だったけど、数値の表示はオプションで設定もできるようにしてプレイヤーの方に好きな形で遊んでいただこうと。
初代モンハン(PS1)はパッケージ裏にモンスターの事をワイバーン と表記してたのに なぜモンハンGからはモンスター 表記になったのですか?
のっち これ昔の話みたいで、私はよくわからないんですが、どういうことですか?
辻本 最初、僕たちは竜型のモンスターを「ワイバーン」と呼んでいたんですけど、途中から「モンスター」に変えたんです。「それぞれに名前が付いてるんだから名前で呼びましょう。『モンスターハンター』なんだから『モンスター』を使いましょう」ってことになって(笑)。
のっち だそうです! ずっと気になってたんでしょうね(笑)。
辻本 「モンスターハンター」ってド直球なネーミングじゃないですか。みんな「絶対に商標を取れないだろ」って思ってたんですけど、提出してみたら意外と通っちゃって、「えっ、商標取れんの?」って(笑)。
のっち 言われてみたら確かに直球な名前だ。通ってよかったですね(笑)。
モンハンでは、モンスター毎にかっこいい専用の曲が流れ、我々ハンターはのりのりで戦闘していますが、モンスターに音楽を付ける時に、どんな感じのこだりをもって制作しているのかを教えてほしいです。
のっち 「ライズ」は音楽も和風だから、モンスターに付いている音楽も、これまでと同じモンスターでもちょっと和っぽくアレンジされてますよね。
辻本 そうですね。だいたいの場合、そのモンスターのイメージを曲として表現しているんですけど、たまにモンスターが完成していないのに曲を作らないといけないこともあるんです。そういうときは、すごくざっくりしたイメージだけで曲を作って。
のっち 「強そう」とか?(笑)
辻本 そうそう、「熱そう」とか「ごつい」とか(笑)。
のっち 私たちも「まだ曲ができてないのにスケジュール的にもうジャケットを撮らないといけない」みたいなことはたまにあります。「わかんないけど、たぶんこんな感じ」みたいな(笑)。
辻本さん、のっちさんの、お気に入りの作品やモンスターを教えて下さい! 私は一番やった2ndGがやっぱりお気に入りですが、モンスターはトライのラギアクルスが結構好きです♪ 水中戦は賛否ありましたが、戦闘の斬新さとラギアクルスの格好いいデザインが思い出深いです。
のっち 水中戦って、水の中で狩猟するわけじゃないですよね?
辻本 水の中です。あったんですよ、昔。「3(トライ)」っていうタイトルで。
のっち そうなんだ。ラギアクルスとかを狩猟するんですか?
辻本 そうですね。陸上でも狩れるんですけど、水中は360°どの方向にも進めるんです。
のっち 「賛否ありましたが」って言われてますが……(笑)。
辻本 賛否も存じております(笑)。水中だと影も出ないから、距離感がわからなくて難しいんですよ。でもあそこで立体的なアクションのチャレンジができて、その後のモンハンの立体的なアクションにつながってるんですよ。のっちさんのお気に入りのタイトルとモンスターはなんですか?
のっち 難しいな……でも一番は「ライズ」ですね。モンスターは、「ライズ」じゃないけどフクロウ型のホロロホルルがお気に入りでした。
辻本 「クロス」と「ダブルクロス」に出てきたモンスターですね。
のっち 「ライズ」に出てくるのだと、マガイマガドもカッコいいし、ビシュテンゴもかわいくて好き。フルーツを投げるサルみたいなモンスター。
辻本 かわいい系が好きなんですか? ウルクススはどうですか?
のっち 好きです! 動きがわかるので、狩りやすいという意味でも好き。辻本さんのお気に入りは?
辻本 作品はさすがに「全部」になるんですけど(笑)、国内のプレイヤー人口が一気に増えた「2nd G」と、プレイヤー層がグローバルに広がった「ワールド」は転機になったと思います。「2nd G」は開発期間が一番短かったんですよ。確か1年もないんじゃないかな。
のっち 「2nd G」の“セカG”って愛称はよく聞きますけど、それって「ライズ」のあとの「サンブレイク」みたいに、「2nd」のあとに出たタイトルなんですか?
辻本 そうです。PSP用のソフトなんですけど、当時学生さんたちがみんなでPSPを持ち寄ってプレイすることが多かったみたいで。すごくたくさんの人にプレイしていただきました。
のっち お気に入りのモンスターは?
辻本 ラオシャンロン。初代モンハンから出てるんですけど、ものすごくバカでかい龍で、当時「超巨大モンスター」としてインパクトが強かったので。
のっち 今調べたら「全長6960cm」って書いてある(笑)。
「ガノトトスの亜空間タックル」や「ハチミツください」など、公式になったネタワードがいつくかありますが、制作陣の方々もそのように呼んでいますか?
辻本 あんまり呼んではいないですね(笑)。
のっち 「ハチミツください」はなんとなく知ってます。オンラインで他人にハチミツをねだるプレイヤーがいたんですよね?(笑) 「ガノトトスの亜空間タックル」ってなんですか?
辻本 初期からいるガノトトスというモンスターにタックルという技があって、すごく避けにくいことから、ユーザーが「亜空間タックル」と呼ぶようになったんです。それでその後、モンハンの世界観をベースにしたRPG「モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~」に「亜空間タックル」という技を実装したんですよ。
のっち あっ、ネタワードが公式になったんだ(笑)。
辻本 「ハチミツください」もTwitterのキャンペーンで採用しました。ほかにも、ラージャンというモンスターが親指を立てて「イージャン」と言っているコラ画像が流行ったときに、公式で「イージャン」をLINEスタンプにさせていただいたり。
のっち 自分たちは呼んでないのに、ネタに寛容ですね、製作陣(笑)。
辻本 「モンスターハンター」って名前を付けたときも、初期は僕たちの中では略称は「MH」だったんです。でも皆さんがモンハンって呼ぶようになったので僕らもモンハンに変えたんですよ。だから社歴が古い人の中にはまだ「MH」って呼んでるのもいますね。
のっち Perfumeの曲名も、ファンの人たちが略して呼んでくれたりするんですけど、「そうやって略すんだね」ってことがよくあって(笑)。
辻本 そういうのはファンの方が考えてくれたりしますよね。でもゲームのタイトルとかは、最初から略語も一緒に考えるんですよ。「こうやって呼ばれるかな?」「こう略したら言いやすいかな?」とか考えながら名付けるんです。
のっち 呼びやすさって大事ですよね。まさに昨日もそんなことを考えてたんです。略称とかで3、4文字で呼ばれてるグループは長く残ってることが多いなとか。
ミノトさんが描く独特な絵が好きです!ミノトさんのこの絵はどのような経緯で誕生したのでしょうか? ヒノエ姉さまだけやたら力を入れて描いていたり、集会所では筆を走らせたものの納得いかず絵をくしゃくしゃにする仕草なども見られて可愛らしいです
のっち ミノトさんが描く絵、会社のエントランスに飾ってあったぬいぐるみもそうですよね? かわいい。
辻本 この件について一番こだわってるのはディレクターの一瀬(泰範)なんですけど、たぶんこの質問採用されそうだなと思って、あらかじめ一瀬に返答をもらってきたんですよ(笑)。答えたいかもなって……(と言って、足元に置いてあった、大量の文字が書かれた数枚の紙を読み始める)。
のっち わっ、すごい。一瀬さんありがとうございます(笑)。
辻本 ……めっちゃ書いてるで。しかも「真面目パターン」「赤裸々パターン」と回答パターンが2種類用意されてる。けど、よく読んだらどっちも言えないことしか書いてないわ(笑)。まあ回答としては、「彼女はそもそも生まれ持った絵の才能があった」ということですかね。この紙は闇に葬っておきます(笑)。
モンスターハンターシリーズは歴史ある人気シリーズですが 変えていった所、ここは変えずに継承していった所などあれば教えて下さい
辻本 さっきも言ったように「使いやすさ」と「遊びやすさ」はその時々で変えています。一貫してこだわっているのは「アクションをどう進化させるか」という点ですね。でも進化は段階的にしないといけなくて、急すぎるのはけっこう危険なことなんですよ。だから「3(トライ)」の水中戦で立体的なアクションを実験的に取り入れて、そこでどうすれば面白くなるか検証したから、「4」で高低差を生かしたアクションを地上に持ってこれた。そうやってアクションを少しずつ進化させながらも「今回こんな新しい要素があるけど、やっぱりモンハンだな」って違和感なく遊んでもらうのが、一番こだわってるところですね。
のっち 私はモンスターとの掛け合いというか、コミュニケーション、駆け引きがうまくいくと「モンハンをやってるな」という感覚があるんですよね。「今の攻撃、見切った!」みたいな(笑)。今日はお忙しい中、どうもありがとうございました。長く続いているタイトルだから、どこを変化させてどこを変化させないのかという見極めの話は参考になったし、海外のプレイヤーに対する考え方もすごく勉強になりました。ボイス収録とかも、いろいろ準備していただいてありがたかったです。
辻本 本当はもっといろいろ体験していただきたかったんですけどね。いつか大阪に来てモーションキャプチャーも体験してください。
のっち それ山田裕貴さんが体験してたやつですよね? 行きたいです!
辻本 ぜひ。Perfumeの動きの通りにモンスターが踊りますので(笑)。
のっちさんの取材後記
こんにちは、9月末までは夏です。のっちです。
残暑っすね~。
毎年ね、9月に入って一瞬涼しくはなるけど、蒸し暑さはすぐにカムバしてきますからね。
この夏は、2つのゲームをプレイしました。
そのさ、ゲームの選び方が、YouTubeでゲーム実況動画を見て、自分でも触りたくなってすぐダウンロードする。っていう思いっきりミーハーチョイスで恥ずかしいんですけれど。
「Stray」と「Cult of the Lamb」です。
この2つはなんか、触り心地が気になった、というのが正しい感覚です。
「Stray」は、猫が主人公! わたしは猫を操作して猫目線で、サイバーパンクな廃れた世界を、喋るドローンと共に旅をします。
とにかく猫の動きがリアル。猫あるある満載で、家の中の高そうな絨毯でバリバリ爪研ぎしたり、棚の上のものをチョイチョイして落としたり、ギリ届かなそうなところにジャンプする時「ウニャッ」って気合いの声が出たり、服を着せられて上手く歩けなくなったり。かわいい。
いつもは飼い猫に「やめて~」とか言う立場ですが、自分の手で、猫になって悪戯するの最高に“ワル”い気持ちでした。PS5でプレイしたんですが、爪研ぎする時の左右のボタンがなんか重~くガリガリした手ごたえになったり、猫が居眠りするとコントローラーからゴロゴロ音がして手元に猫がいるような感覚があったり。触り心地が楽しかったです。
世界感はうんと未来の話でフィクションなのだけど、猫に関することはとことんリアルなのが、猫愛を感じられてリスペクトでした。ストーリー面白かった!!
クリアした後、Perfumeの「再生」って曲が浮かんで頭から離れなくなりました。歌詞がねえ、合うのよ。「再生」は映画の主題歌なんだけど、Stray、合うよ……。勝手にテーマソングにしてます。
猫好きにも、SF好きにもおすすめです。
「Cult of the Lamb」は、羊が主人公! かわいい動物達のカルト教団運営ゲームです。
ダンジョンでは資源や信者を集めて、教団に戻ったら信者達にご飯を食べさせて、仕事を与えて、集落を可愛く飾って、布団を敷いてあげて、とにかく豊かな生活を提供する…全ては信仰心を集めるため!!
自分で遊びたくなったのは、何か選んだり、説明が出たり、アイテムを取ったりするときの音が、いちいち全部気持ちよくて。わたしもボタン押してその音出したい~と思ったんすよね。
1番気持ちがいいのは、集まった信仰心を受け取る音。信仰心ってね、ポコポコポコ~って音がするんだよ。
信者育成とダンジョンの行ったりきたりで、やりたい事が次々起こって大忙しで、戦闘も育成もまじ楽しい。時間溶ける系です。
各種人気ゲームをめちゃくちゃ研究して作られたのかなと思いました。
やってることエグいけど見た目可愛いのでやってみてほしいです。
難易度も選べます! おすすめです。
さて!
今回はカプコンの専務執行役員で「モンスターハンター」シリーズプロデューサーである辻本さんにお話を伺いました。すごい、偉い人です。
プレイヤーに世の中に寄り添ってどんどん形を変え続ける、とっても柔軟なチームでした。色んな機能をあえて付けなかったのも、あえて付けたのも、どちらもモンハンを楽しんで貰う為で。
モンスターを倒す爽快感までをスムーズに体感してもらう工夫、柔軟さ、すごかった……勉強になりました。
モンハンの基本の"基"みたいな質問ばっかりしちゃってたけど、優しくお話してくださってありがたかったです!
あとさ!
なーんかすごいおもてなししてもらっちゃったよみんなあ!!!
取材に行ったら、自分そっくりのキャラクターと、飼い猫そっくりのアイルーに声当てさせてくれて、モンスターに音入れされてもらって、、皆さん忙しいのに。わざわざ大阪から来てくださって、準備も大変だろうに……。
なんてサービス精神旺盛な、楽しませ上手な人達なの!?
モンハン好き全員にやらせてあげたいよ!!!
緊張してたけど、常に柔らかい雰囲気で和ませてくださってて、本当の録音現場もこんな空気なのかな、あったかくていい現場だなあと、ちょっとだけチーム気分を味わえました。
めちゃめちゃ楽しかったぞ!!!
辻本さん、開発チームの皆様、本当にありがとうございました!
あー!モンハンさいこー!!!
ポコポコポコ……。
次回予告
ゲーム内に自分のボイスが流れるという、なかなか体験できないことをさせてもらって大満足ののっちさん。次回はとある場所で行われるイベントに遊びに行ってきます。のっちさんがエンジョイしている様子をしっかりレポートしますので、次の更新をお楽しみに。
※当連載で毎回Twitterを使って行っている、訪問相手に聞いてみたいことの募集は、今回はお休みします。
Perfume最新情報
Perfumeの4年ぶりのオリジナルアルバム「PLASMA」発売中。現在、アリーナツアー「Perfume 9th Tour 2022 “PLASMA”」で全国9都市を巡っています。
※辻本良三さんの「辻」は一点しんにょうが正式表記。