Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > ぴあ映画 > 第44回ぴあフィルムフェスティバル開幕。PFFスカラシップ最新作が世界初上映!

第44回ぴあフィルムフェスティバル開幕。PFFスカラシップ最新作が世界初上映!

映画

ニュース

ぴあ

「第44回ぴあフィルムフェスティバル」より

続きを読む

フォトギャラリー(12件)

すべて見る

「映画の新しい才能の発見と育成」をテーマに、現在日本映画界の第一線で活躍する映画監督を多数輩出している映画祭「第44回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」が9月10日より開幕。初日にPFFスカラシップ最新作『すべての夜を思いだす』の完成披露上映会が国立映画アーカイブで行われ、清原惟監督、キャストの大場みなみ、見上愛、内田紅甘が登壇し、それぞれ本作への熱い想いを語った。

左から)清原惟監督、大場みなみ、見上愛、内田紅甘

「PFFスカラシップ」は自主制作映画のコンペティション「PFFアワード」の受賞監督からオリジナル企画を募り、毎年1名を選出して企画・製作から劇場公開までをプロデュースする“映画製作体験プロジェクト”で、これまで李相日、荻上直子、内田けんじ、石井裕也ら錚々たる監督たちの商業映画デビュー作を世に送り出してきた。

清原惟監督は東京藝術大学大学院映像研究科の修了作品として製作した『わたしたちの家』で見事PFFアワード2017グランプリに輝き、今回のPFFスカラシップ作品の製作につながった。

監督にとっては5年ぶりの長編となる『すべての夜を思いだす』は、東京・多摩ニュータウンですれ違う、世代が異なる3人の女性たちの断片的に響き合う1日が描かれる。清原監督は「約5年という長い時間をかけて作った作品で、トラブルなど大変なこともありましたが、素晴らしいキャストとスタッフの方と作り上げられたこと、こうやって無事に完成できたことをうれしく思います」と挨拶。

『すべての夜を思いだす』 (C)PFFパートナーズ=ぴあ、ホリプロ、日活/一般社団法人PFF

撮影はコロナによる影響が大きかったようで、企画が2回ほど変わってこの形になったという。それについて大場は「この話を最初に頂いたときは、3人がキッチンカーで出会う話だったんですが、スケジュールの都合で撮影が延びて、教習所で出会う3人がキッチンカーを始めるというお話に変わったんです。教習所の話だから車を運転できた方がいいと思って免許を取ったんですけど、最終的にガスの検針員役で……(笑)。おかげさまで車に乗れるようになって楽しませていただいてます!」と笑いを誘った。

大場みなみ

一方監督は、「撮影を延期したことで、映画をよりシンプルにしていこうと思うようになったときに、3人それぞれの時間をじっくり描き、3人それぞれがこの世界に生きているということが見せられたらよいかなと思って再出発しました。3人の物語を描いてはいるんですが、街に住んでいるほかの人たちのことも想像できるような作品になればと思って、このようなタイトルにしています。5年という長い時間はかかってしまったけど、今思えば必要な時間でした」とコメント。

清原惟監督

舞台となっている多摩ニュータウンは、約50年前に開発された東京の郊外にあるベッドタウンで、団地と公園が永遠と続く、どこまで行ってもこの景色から抜け出せないように感じる独特の風景。「街をたくさん歩いている中で見つけたいい場所をどうやったら映画にしていけるかを考えていった」と監督が語るよう、場所からインスパイアされたシーンも多くあるそうだ。

また、「困ったことがあってもその都度、キャストみんなが相談に乗ってくれたので、そこまで困ったことはなかった」と語る監督。一方、大場は「監督はリハーサルを結構入念にやるんですが、本番では1回でOKのことが多くて。何回もテイクを重ねないのが印象的だった」と回顧。片や、ダンスをやっている大学生・萩野夏を演じた見上は、「逆に私はテイクを重ねた気がします(笑)」と打ち明けると、夏の友人・吉田文を演じた内田も「私もそんな気がします(笑)」と続く。それについて、内田は「特に見上さんが演じた夏は、感情的に難しい繊細なシーンが多かったのでは」と分析した。

見上愛
内田紅甘

最後にPFF2017で審査員を務めた渡部眞撮影監督が登場し、清原監督に花束を贈呈。「5年前グランプリを授賞された時、李相日監督が“監督は映画の匂いを感じてくれたんじゃないか”みたいなことをコメントされていましたがその通りだなと思いました。今日観て、私もプロながら心から感動しました。企画としていろいろ迷った5年間が結実した作品だったのではないかと思います」と監督へエールを送った。

なお、「第44回ぴあフィルムフェスティバル2022」は25日まで国立映画アーカイブ、11月19日から27日にかけて京都・京都文化博物館で開催。PFFアワード入選作品はDOKUSO映画館、U-NEXTにて配信も行われる。

<イベント情報>
「第44回ぴあフィルムフェスティバル2022」

■東京
日程:2022年9月10日(土)~25日(日) ※月曜休館
会場:国立映画アーカイブ

■京都
日程:2022年11月19日(土)~27日(日) ※月曜休館
会場:京都文化博物館

公式サイト:
https://pff.jp/44th/

フォトギャラリー(12件)

すべて見る